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うそつき

君は嘘をつくときに少し首を傾けて笑うこと、わたしに気づかれていないと思っているのだろうか、どこか苦しそうになにかを諦めたとき、自分が傷ついて終わるなら良いといつから君は正義のヒーローになってしまったの、ヒーローはもっと自分勝手に他人を救うものだと、誰かを救うことで自分も救われた気になっているのだと、オーディエンスは傷つける、言葉は一瞬で音は消えても届いた瞬間、確かに形をもって跡になること、君は知っているから、わたしに届かないギリギリの透明に近いそれを投げてくる、わたしがそれを掴みとりたいと宙を探しているうちに君はいつもいなくなってしまう、存在を消したいのか、消すことで自分を保っているのか嘘を吐きつづける君までもが嘘になってしまうこと、優しくない嘘を吐かれるたびにわたしたちは遠くなっていく、わたしは君の近くにいたいからたくさん嘘をつくよ、きっとすぐに見抜かれてしまうだろうけど嘘つき同士、此処にいよう

作品をまとめて本にしたいです。よろしくお願いします。