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名探偵コナンのモデルは大正時代に実在した

「名探偵コナン」は来年で連載30周年らしいね。
尾田栄一郎先生も凄いが、青山剛昌先生も負けず劣らず偉大な漫画家だといっていい。
しかし、いくら漫画やアニメが世界的にヒットしようと、「ワンピース」のようにネットフリックスが実写化を手がけるということにはならんのだ。
なぜって、あの小学生になった高校生という主人公の設定そのものが実写では難しいし、何より麻酔銃で眠らされてる毛利小五郎が皆に推理を披露するくだり、あれって漫画やアニメの表現ならそれなりにできるけど、実写では絶対無理でしょ。
「あれ?小五郎は口が動いてないのに喋ってる!」という変なことになってしまう。
実際に昔テレビドラマ化したことがあったけど、酷いもんだった。

謎の薬を飲まされて体が小さくなった工藤新一
ショートコントにしか見えない阿笠博士
ショートコントにしか見えない佐々木蔵之介

その点でいうと、まだ「金田一少年の事件簿」の方が全然マシだったよ。

堂本、松潤、亀梨などジャニーズのスター登竜門的ドラマとして定着
特に初代、ともさかりえの美しさは神だった・・

原作では「金田一少年」が先に終わった(今は37歳になった金田一をやってるらしいが)のに対し、「コナン」がこれほど長く続いてる理由は何かというと、「金田一少年」がアガサクリスティ等の系譜にある純粋な推理小説のスタイルなのに対し、「コナン」の方はそれにプラスして、007的スパイサスペンスのスタイルを合わせた二重構造になってるからだよ。
特にスパイ要素の方は、FBI、CIA、MI6、日本の公安まで含めて「VIVANT」的な圧倒的面白さがある。
ぶっちゃけ、私はこっち一本に絞ってほしいぐらいなんだけど。
あと、メインヒロインの毛利蘭がコナンの捜査の障害になってて鬱陶しい。
メインヒロインは、コナンの助手として有能な灰原哀に変更してほしいよ。

実際、人気投票でも毛利蘭は人気がない

まあ灰原人気の異様な高さは、半分ぐらい声優の林原めぐみの力量と思うが・・。

しかし毎度思うんだけど、民間人のコナンが警察の捜査協力をするってのもおかしな話だよね。
現実世界だと、100%そんなことはあり得ない。
といいたいところだけど、実は江戸時代の警察って民間人の捜査協力をアテにしてたんだよ。
というのも、奉行所が人手不足だったんだってさ。
公式な警察官は約30名。
たったこれだけの人数で江戸全体をカバーしなくちゃならんわけで、そりゃ民間人に捜査協力を請うのも当然の話。
その協力者が俗にいう「岡っ引き」というやつで、これが「蛇の道は蛇」という理屈か知らんけど、元犯罪者のヤクザ者を主にスカウトしてたらしい。
これってヤクザからすれば「あいつ裏切ってポリの犬になりやがった」ってなりそうなもんだけど、実際それで回ってたということは、奉行所とヤクザは必ずしも敵対してなかったということ。
というのも当時のヤクザは自警団みたいなもので、縄張りを荒らす輩を成敗する町のヌシみたいなもんだったんだな。
だから町人から慕われる一家も実はあって、清水の次郎長親分なんかはそうだろう。
実は現代だって国家権力と暴力団は必ずしも敵対してるわけじゃなく、警察も暴力団を壊滅させる気まではさらさらないんだ。
だって壊滅させちゃったら、ゴロツキが町に野放しにされるだけだからね。
そこはお互いのトップ同士が、まさに阿吽の呼吸でうまくやってるわけよ。
江戸時代の岡っ引きもまた、阿吽の呼吸から生じた人質みたいな存在だったかもね。

岡っ引きの代表格といえば銭形平次

じゃ明治維新以降はどうなったかというと、さすがに岡っ引きはいなくなったけど、ここで初めて「私立探偵」という存在が出てくる。
明治28年、日本で初めてとなる私立探偵事務所が開業した。
推理マニアなら一度は聞いたことがあるだろう、「岩井三郎事務所」だ。
この岩井氏は元警視庁警視で、探偵になってからも警察の捜査協力をしてたという。
もともとかなりの敏腕だったらしくて、警察の現役時代はスパイ摘発で名を上げた人だったらしい。
私立探偵になってから彼が手がけた事件は
・シーメンス事件
・花王歯磨き密造事件
・古川炭鉱詐欺事件
・伊達順之介事件
などなど、正直シーメンス事件以外は全く知らんのだが・・。

初代ってことは、岩井三郎は襲名制だったのね

そんな岩井氏の事務所に「雇って下さい」と押しかけたのが、作家デビュー前の江戸川乱歩、当時25歳である。
実際に、しばらくそこで働いていたそうだ。
乱歩はこの時の経験を元に、岩井氏をモデルにした明智小五郎という探偵のキャラクターを練り上げた。
その相棒となる小林少年のモデルは、他でもない、乱歩自身だといわれている。
なぜ自身が子供なのかといえば、岩井氏と乱歩の年齢差は29歳。
作中の明智小五郎が40歳手前という設定にしてしまった以上、29歳下の自分は子供にならざるを得ないんだわ。
で、この明智小五郎+小林少年を雛型に、青山剛昌が現代版として改変したのが毛利小五郎+コナンというキャラクターであり、つまりコナンのモトのモトまで辿っていくと、行き着くのは幼き日の江戸川乱歩ということになるんだね。

明智小五郎と小林少年

やがて昭和に岩井三郎の名は二代目に受け継がれ、この二代目もかなり敏腕だったみたいで、GHQからの仕事を数多く引き受けていたらしい。
また、彼は警察予備隊(今の自衛隊の前身)に情報将校として就任し、情報収集や尾行などのスキルを教える教官をやってたとのこと。
別班みたいだな。
ちなみに、「岩井三郎事務所」は後に合併されて「ミリオン資料サービス」という調査会社になるんだが、今年の「VIVANT」のヒットを受けてか、急にこの調査会社の周辺が騒がしくなってきたのよ。
というのも週刊現代の報道によると、「ミリオン資料サービス」の実体って別班じゃないのか、という話なんだ。
実に荒唐無稽な話だけど、73年の「金大中拉致事件」に「ミリオン資料サービス」のメンバーが関わってたことは事実らしく、ここの所長は元3等陸佐らしいのよ。
メンバーもほとんどが元自衛官らしく、何でそんな人たちが調査会社の社員なんだ?
なるほど、あながちデタラメな話でもないんだね。
この件には後藤田元官房長官も一枚噛んでたらしく、掘れば色々ヤバイこと出てきそうだし、そっとしとく方がいいんじゃないかな・・。

ちなみに、「名探偵コナン」では別班じゃなくて「ゼロ」という公安の秘密部隊があり、そこのリーダーが普段は喫茶「ポアロ」で働いてたりする。

安室透

この安室透のライバルが、FBIの赤井秀一。

赤井秀一

私、このふたりが好きでねぇ。
もうコナンいらんし、このふたりで「名探偵コナン」をやってほしいほど。
また青山先生が「ガンダム」ファンらしく、安室透の声をアムロ役の古谷徹、赤井秀一の声をシャア役の池田秀一に指名したのは有名な話。
特に池田秀一の声はあまりに特徴あるもんだから、映画「異次元の狙撃手」で池田さんのセリフはたった一言しかなかったんだけど、そのセリフが作品終了間際5秒での「了解」、それを聞いて映画館に熱狂の歓声が上がったんだよね。
このへんの意味、「コナン」ファンしか分からんと思うけどさ。
ああ、そうか。
もし「コナン」実写化するなら、コナンや小五郎や阿笠博士は抜きにして、安室透と赤井秀一の周辺だけでやればいいじゃん。
その際、くれぐれもジン役は佐々木蔵之介にオファーしないように・・。

黒の組織のジン。最近のコスプレイヤーはホントにクオリティ高いな・・
佐々木蔵之介は見習ってほしい

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