予備論文過去問起案晒します

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R6司法試験 再現 刑事訴訟法

第1 設問1 1 本件の鑑定書は、鑑定人の公判廷外の供述を内容とする証拠であって、その内容の真実性が問題となる伝聞証拠(刑事訴訟法(以下法名省略)320条)であるから証拠能力が否定されるのが原則であるが、鑑定人によるその名義及び内容にかかる真正作成供述がされれば、例外的に証拠能力が認められる(321条4項)。 2 ポリ袋内の結晶の鑑定に先行する手続きに違法があり、鑑定書の証拠能力は認められないのではないか。 3 まず、Pは甲に対し職務質問(警察官職務執行法(以下「警職法」とい

    • R6司法試験 再現答案 刑法

      第1 設問1 1 甲の、Aの頭部を拳で殴り、その腹部を繰り返し蹴った行為について、かかる行為によってAに肋骨骨折等の「傷害」が生じているから、同行為に傷害罪(刑法(以下法名省略)204条)が成立する。 2 甲の上記行為ののち本件財布を自分のズボンのポケットに入れた行為に強盗罪(236条1項)が成立しないか。 (1) 本件財布はAの所有する「他人の財物」である。 (2) 「暴行」とは、相手方の犯行を抑圧するに足りる程度の暴行をいうところ、上記行為は、Aの頭部や腹部という身体の枢

      • R6司法試験 再現答案 民事訴訟法

        第1 設問1 1 課題1 (1) 任意的訴訟担当とは、当該訴訟物について自ら訴訟を追行することのできる者から授権を受けて、その者のために当該訴訟物について当事者として訴訟を追行することをいう。 (2) そもそも、弁護士代理の原則(民事訴訟法(以下法名省略)54条1項本文)及び訴訟信託の禁止(信託法10条)の趣旨は、非弁行為により当事者の利益が害されるのを防ぎ、また、訴訟の健全性を確保するという点にある。そこで、明文なき任意的訴訟担当は、①弁護士代理の原則及び訴訟信託の禁止の趣

        • R6司法試験 再現答案 商法

          第1 設問1小問1 1 弁護士は、以下のように回答すべきである。 2 Dは、会社法(以下法名省略)385条1項に基づき、本件臨時株主総会1の開催の差止請求をするという手段をとることが考えられる。 (1) 本件臨時株主総会1の開催には「法令…違反」(同項)がある。 (2) 本件各議題の内容は、甲社取締役3名及び監査役3名の解任と新たな甲社取締役3名及び監査役3名の選任である。会社役員は会社の運営に直接に関わる重要な役職者であるから、その全員を入れ替えることは、会社運営に対して重

        R6司法試験 再現 刑事訴訟法

          R6司法試験 再現答案 民法

          第1 設問1(1) 1 小問ア (1) 請求1は、所有権(民法(以下法名省略)206条)に基づく乙建物収去甲土地明渡請求である。Cは、これに対して、契約①による甲土地賃借権に基づく占有権原を有すると反論している。 (2) 契約①は甲土地の所有権を有しないBとCの間で結ばれた他人物賃貸借(559条・561条)であるから、Cの占有権原を基礎付けないのが原則である。 (3)ア また、他人物賃貸人が死亡し、当該賃貸借目的物の所有者が他人物賃貸人を相続した場合でも、両者の地位は融合せず

          R6司法試験 再現答案 民法

          R6司法試験 再現答案 行政法

          第1 設問1(1) 1 本件事業計画変更認可は「処分」(行政事件訴訟法(以下「行訴法」という)3条2項)に当たるか。 (1) 「処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体の行う行為のうち(①公権力性)、その行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの(②法効果性)をいう。 (2) まず、本件事業計画変更認可はQ県知事が法38条1項を根拠としてその優越的地位に基づき一方的に行うものといえ公権力性が認められる(①)。  次に、本件

          R6司法試験 再現答案 行政法

          R6司法試験 再現答案 憲法

          第1 規制① 1 規制①は犬猫の販売業を営む自由(以下「自由1」という)を侵害し違憲ではないか。 (1) まず、憲法(以下法名省略)22条1項は、職業選択の自由のみならず、職業遂行の自由をも保障している。そして、犬猫の販売はペットショップ経営という職業にかかる業態の一つに過ぎず、自由1は職業遂行の自由により保障されるにとどまるとの見解がある。しかし、ペットとして動物を飼育している者のうち、犬猫を飼育する者は合計60%という大きな割合を占めているため、犬猫の販売をできなければ、

          R6司法試験 再現答案 憲法

          R6司法試験 再現答案 倒産法

          第1問 第1 設問1 1 A社は代表取締役Bに対し、その弟への独断による1000万円の貸付及びそれにかかる借入金の返済見込みがないことについて、任務懈怠による損害賠償請求権(会社法423条1項)を有する。同権利は「破産手続開始の時に」A社が有したものであり「破産財団」を構成する(破産法(以下法名省略)34条1項)。そのため、「破産管財人」Dは、これについて「原告」となってBに対して訴訟上請求しうる(80条)。 2 「法人」であるA社について「破産手続開始の決定」があり、Bの有

          R6司法試験 再現答案 倒産法

          司法論文過去問起案晒します(2024.5.24更新)

          0. はじめに 起案みたいと言ってくださる方がいらっしゃるので、書いたものからnoteに随時あげていきます。 タイプではなく手書き作成なので読みにくいです。ご了承ください! 1. 2023 刑法 2. 2022 刑法 3. 2023 民法 4. 2023 商法 5. 2023 刑事訴訟法 6. 2023 憲法 7. 2023 民事訴訟法 8. 2022 行政法 9. 2021 刑事訴訟法 10. 2021 行政法 11. 2021 民法 12. 2

          司法論文過去問起案晒します(2024.5.24更新)

          R5予備論文 憲法(A評価)

          第1 Xの主張 1 Xにインタビューに応じた者の名前の証言を強いることは、Xの取材源秘匿権を制約し、インタビュー回答者の名前は「職業の秘密」(民事訴訟法197条1項3号)にあたるから、Xはその証言を拒絶できる。 (1) まず、憲法21条1項は、表現の自由を情報の受け手の側から再構成し、知る自由を保障している。そして、報道は国民が知る自由を享受するための不可欠の前提であり、また報道は編集という知的作業を経る点で表現行為としての性質をも有しているから、報道の自由は同項により

          R5予備論文 行政法(A評価)

          第1 設問1(1) 1 Cは本件許可の名宛人ではないが、「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)9条1項)として本件取消訴訟の原告適格を有するか。同条2項に沿って検討する。 (1) 「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのあるものをいう。そして、当該処分を定めた行政法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個

          R5予備論文 行政法(A評価)

          R5予備論文 民法(A評価)

          第1 設問1 1 BはAに対して本件請負契約(民法(以下法名省略)632条)に基づく報酬請求として250万円の支払いを求めている。 (1) これに対し、Aは同契約締結時点で本件損傷により甲の修復は不能であったから、同契約は無効であり、250万円の支払い債務を負わないと反論する。 ア 412条の2第2項は、契約に基づく債務が原始的に履行不能であった場合でも、その履行不能に基づく損害賠償請求(415条1項本文)を認めており、法は、かかる場合でも契約が有効であることを前提とし

          R5予備論文 商法(B評価)

          第1 設問1 1 まず、乙社は、本件決議の取消しの訴え(会社法(以下法名省略)831条1項柱書)において、甲社が乙社の議案要領通知請求(305条1項)を無視した点で招集手続の法令違反(831条1項1号)があると主張する。 (1)  乙社の議案要領通知請求の適法性 甲社の「株主」たる乙社は、代表「取締役」Aに対し、本件総会の日の「8週間…前まで」といえる令和5年4月10日にFを新たに取締役に選任する旨の「議案の要領」を本件総会招集通知に「記載」することを「請求」した(30

          R5予備論文 民事訴訟法(A評価)

          第1 設問1 1 Yは、Xの①訴訟の控訴審における訴えの交換的変更(民事訴訟法(以下法名省略)143条1項)により再訴禁止効(262条2項) が生じ、これにより②訴訟が却下される主張している。 (1) まず、上記訴えの交換的変更は有効か。その法的性質が問題となる。 ア 訴えの交換的変更がされると、旧請求の訴訟係属が失われ、被告の旧請求について棄却判決を得る利益を害する。そこで、訴えの交換的変更は、訴えの追加的変更(143条1項)と旧請求の取下げ(261条1項)の複合行為

          R5予備論文 民事訴訟法(A評価)

          R5予備論文 刑法(A評価)

          第1 設問1 1 Xのいる小屋の出入口扉を外側からロープで縛った行為に監禁罪(刑法(以下法名省略)220条後段)が成立しないか。 (1) 「監禁」とは、人の身体を間接的場所的に拘束してその身体活動の自由を奪うことをいう。上記小屋は木造平屋建てで、窓はなく、出入口は上記扉1箇所のみであったから、上記行為により、Xは上記小屋から脱出することができなくなった。そのため、上記行為は、「人」たるXの身体を間接的場所的に拘束してその身体活動の自由を奪う行為といえ、「監禁」といえる。

          R5予備論文 刑事訴訟法(A評価)

          第1 設問1 1 まず、本件住居侵入・強盗致傷の事実(以下「事実a」という)について勾留の理由(刑事訴訟法(以下法名省略)207条1項本文・60条1項柱書き、同項各号)および勾留の必要性が認められ、勾留の要件が充足する。また、甲は事実aについて通常逮捕されている。そのため、事実aで甲を勾留することはできる。 2 次に、本件暴行の事実(以下「事実b」という) について勾留の理由および勾留の必要性が認められ、勾留の要件が充足する。もっとも、事実bについて甲は逮捕されていない。

          R5予備論文 刑事訴訟法(A評価)