見出し画像

映画「ワンダフルライフ」 最高の思い出とは?人生の時間とゴールを考える

人生の「時間」について考えた際、主観的時間は自分の感覚によるので、何歳になっても自分次第で充実させられるという考えに至りました。

人生100年時代と言いますが、自分がいくつまで生きれるかは誰もわかりません。人生のゴールはいつなのか?その時に何を思うのか?と考えていた時に、そのヒントとなる映画があったのでご紹介します。

ワンダフルライフ

ワンダフルライフ

「貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください。」
死んでから死後の世界へと旅立つまでの1週間、死者達は「そこ」で一番大切な思い出を選ぶ。その思い出は、彼らと「そこ」のスタッフ達の手によって一本の映画として映像化される。それを視聴し、その記憶が頭の中に鮮明に蘇った瞬間、彼らはその「一番大切な記憶」だけを胸に死後の世界へと旅立っていく。

この映画は「人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間という」ファンタジーの設定の中で、"思い出とは何か?"というテーマを描いています。

死後の世界に、思い出を選ぶ手助けをする役所の様な所が舞台で、とてもユニークな設定です。死者役として一般の人々がたくさん登場しているのも面白いです。実際に撮影に向けては、色んな場所でリアルに「人生でひとつだけ思い出を選ぶとしたら…?」というインタビューを行ったそうです。500ほどのエピソードの中から選ばれた10人が本人として映画に登場し、実際の思い出を語っているとのこと。

冒頭、カメラに向かって思い出を語るシーンがありますが、演じる役者、実体験を話す役者、実体験を話す一般の人が入り混じって映し出されています。観ている側としては「ドキュメンタリー」を観ている感覚で個人のエピソードを覗き見ることができます。ファンタジーの設定でドキュメンタリーの手法を組み込んでいる点が面白い建て付けです。

この映画、とても淡々と進むので、フランス映画のようなタッチです。好き嫌いが分かれる映画ですが、人間の内面を描き「記憶の虚と実の曖昧さの中で揺れ動く感情」というテーマに愚直に向き合う是枝監督らしい作品です。

人は人生の最後を選べない

劇中で、登場人物達の死は突然やってきて、何らかの未練を抱えたまま死後の世界に辿り着きます。私はこれを観て、「人の死はタイミングを選べない」と改めて感じました。

よく「人生のゴール」と言いますが、そんなモノは無いのではないかと思います。実際、「いつか、来るかわからない未来」を幸せに生きるために、今辛い思いをしている人は多いと思います。日本は「損して得とれの精神」が根付いています。今苦労すればきっと未来に安泰が待っている、そう願っている人は多いです。でも、その人生のゴールは幻想なのかもしれません。

コロナ危機の今、「死はタイミングを選べない」ということをなおさら強く感じます。来るかどうかもわからない「人生のゴール」という未来を前提に考えるより、「今」を幸せに生きなければダメだと強く思います。いつか幸せになる、ではなく今幸せに生きる、そう考えることが大切だと思います。

「最高の思い出」よりも「今日の思い出」

「過去最高の〇〇」を考える時、ピーク・エンドの法則という法則があります。

ピーク・エンドの法則
「ピーク」と「エンド」の経験が、物事の印象を大きく左右する傾向を表したもの。2002年にノーベル経済学賞を受賞した心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマンによって提唱された。

人は自分の過去の経験を、ピーク(絶頂)時に嬉しかったか悲しかったか、それがどう終わったかだけで判定する、という法則です。

そして、先に記した「いつ人生のゴールが訪れるかわからない」ことを組み合わせると、日々、一日の終わりにその日がどう幸せに過ごせたかを振り返ることが大切なのだと思います。

100年の人生をよりよく生きるために「Well-being(よくあること)」を提唱している予防医学研究者の石川善樹さんは一日の終わりに「to feel」を振り返ることを提唱されています。何をすべきか、それができたかをチェックするのがto doです。よく「to doリスト」という言葉で使います。それとは違い、「to feel」とは、どう感じたか、感情を振り返ること。その日、印象に残ったことを振り返る。これを続けることで、毎日をより豊かに過ごせることを提案されています。

この「to feel」私も最近するようにしています。その日の終わりに、気づき、学び、キモチの状態を短い文章で手帳に書き記します。こうすることで、自分の成長を感じたり、自分をメタ認知でき客観的に自分を捉えられるので、ストレス低減にも役立ちます。とてもおすすめです。

まとめ

映画「ワンダフルライフ」は人生の時間や記憶について考える機会を与えてくれる作品です。少し単調で退屈するかもしれませんが、「自分だったら?」と考えると、新しい視座を与えてくれる素敵な映画だと思います。

でも「人生最高の思い出」を常日ごろ意識することは難しいと思います。できることは「毎日をよりよく生きる」ことだと思います。そのためにも「今」と「ここ」に集中して、遠慮せずに幸せな時間を探して、それを感じながら生きていく。そうすることで幸せな人生をおくれるのだと思います。

「今日のワンダフルタイムはいつ?」

これを一日の終わりに振り返る習慣を持つことで、ひいてはワンダフルライフを手に入れられるのではないでしょうか。毎日5分で構いません。その5分があるかないかで、人生の幸福度は大きく変わるのではないかと思います。

「to feel」で一日を振り返り、自分の幸せに気づきましょう。


最後までお読み頂きありがとうございました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!ヒントにしていただければと思います。スキ、フォローもとても励みになります。 サークルをオープンしましたのでお気軽にご参加ください😌https://note.com/yawarakamegane/n/n3f4c11beb4c0