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新型コロナウィルス感染症後の症状~「ザ・トラベルナース」視聴からの疑問②~

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「天は自ら助くる者を助く」
(西洋のことわざ)


新型コロナウィルス感染症後の症状(WHOによる定義)


新型コロナウィルスに罹患した人にみられ、少なくとも2か月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないものです。

通常は新型コロナウィルス感染症の発症から3か月経った時点にもみられます。

症状には、疲労感・倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり、日常生活に影響することもあります。

新型コロナウィルス感染症の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状があります。

また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもあります。
小児には別の定義が当てはまると考えられます。


代表的な罹患後症状


疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛
咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛
記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ
嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下


日本国内の状況


日本での報告としてはCOVID-19と診断され入院歴のある患者1,066例の追跡調査があります。

研究では、症状などの頻度について、急性期(診断後~退院まで)、診断後3か月、6か月、12か月で検討されています。

罹患後症状のアンケート調査結果は、診断12か月後でも罹患者全体の30%程度に1つ以上の罹患後っ症状が認められたものの、いずれの症状に関しても経時的に有症状者の頻度が低下する傾向を認めました。

世代別の検討では、罹患後症状を1つでも有した割合は、若年者(40歳以下)、中年者(41~64歳)、高齢者(65歳以上)の各世代で、診断後3か月時点でそれぞれ43.6%、51.9%、40.1%、診断後6か月時点で39.0%、45.4%、34.1%、診断後12か月時点で32.4%、37.7%、28.2%と、いずれも中年者で罹患後症状を認める割合が高かったです。

診断後12か月時点では、若年者で感覚過敏、脱毛、頭痛、集中力低下、味覚障害、嗅覚障害が多く、中年者と高齢者では、咳、痰、関節痛、筋肉痛、眼科症状を多く認めました。

また、罹患後症状は1つでも存在すると健康に関連した生活の質(QOL)は低下し、不安や抑うつ、COVID-19に対する恐怖は増強し、睡眠障害も増悪しました。


参考資料:
新型コロナウィルス感染症(COVID―19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント第2.0版 2022/10/14


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