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今月の短歌 23年6月16日~6月30日

ぶっかけに種躱しすだち絞って酸味と旨味両立する昼

藍色の空間に身を寄せてみて深く沈めば揺れる水泡

スキール音で溢れてる夢を見た あれは麻薬だ経験者には

そこまでの便利機能付いてないのでバッテリーを補強してよ

憧れの花言葉持つ向日葵は陽の光浴びて微笑む父も

蹄鉄というハンドメイド履いた君 直線最速で駆け抜ける

チャコールにその身を染めてうつろいミルキーウェイが消えたままの街

「普通」とか「変」とかで線引してくる癖俯瞰してるようで差別してる

サバを焼くジャパネットたかた販売員「売る」為のプロ意識披露す

億千の新しい景色 機械的に呼しては叫ぶ、新しい景色

仕事だけ続いただけで来年の夏まで大事にできたら、短歌

舞子から 淡路徳島さぬきうどん今治 尾道 涙の瀬戸内

ニュートラル酒と煙草を止めた今丑の刻にてしじま持て余す

好きなヘアスタイル問われ「ショートボブ」条件反射で答えてしまう

里離れ足早に過ぎた12年 忘却の街湿った風吹く

特急が恋と愛を定刻で通過 あなたの幸福を乗せて

明日こそと生きる理由海底を探すウルトラマリンのランドスケープ

耳周り緑のカラー入れた君左のピアスキラリと映える

今日発売「アクションゲーム」のFFはあの頃のファンタジー詰まってる?

夏至過ぎてほんの僅かに伸びた夜虹色の街今導いて

南西に煌めくわし座の一等星 明日の行方雄大に照らす

病院の待合でふと声掛かる「またね」「またね」と手を振る少女

同調が主張を超え刃と化す 数と力に怯えた日々よ

少し寝て今からおはよう 朝顔の蔓伸びてるか観察する夜

髪型を変えて不要になったもの硬めのワックス箱ごとサヨナラ

クチナシの香りはいつの間にか広がっているもの甘い水無月

てんこ盛りのパテに添えてるバンズにもレゾンデートルある筈だよね

六甲山夜景は100万ドルの星 見慣れてしまえば地方の風景

七分丈カットソーが半袖よりも心地が良いと陽が射す日曜

放置した孔雀色のインク見て青だと思い書いたら緑

甘いのか辛いのかよくわからない醤油ラーメンをズズっと啜る

柔らかなアーク導く空一面 ひと筆書きで地球を描く

またいつか、雨は想いに変わるよと停滞前線に強がりを言う

パリパリで緑のキャンバススニーカー 踵の擦れ痛いけど履く

コペル君の気持ちになる 生き方を重ねていくこと恐れないで

虹色のプリント入るトップスをサラリと着れば翼へ変わる

死の覚悟があるのかと問うマメーリの賛歌ハイボルテージで独唱

アメリカン茶色がぼんやり分かる程薄くて甘い一杯のゆるり

フリースロー 練習8割試合2割夢の中では10割なのに

君失くし恋をする事疎くなり歳は重ねどひとつ先見て

遠雷に触れた刹那の豪雨あり 誰知らずとも愛へ轟け

そうここはイグアスの滝 溢れる言葉の瀑布に打たれしひと月

ルイボスティーこれぞ健康確信しサラリと飲み苦味と曇天

「この短歌」「評価してみて」 AIに感想尋ね遊び続ける

笑顔で声届けてくれたベトナムの風吹く君をふと思い出して

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