どの仕事を選べば良いか迷った時の検討方法
最近は転職した人々の事例を書いてきましたが、
皆さん自分がやりたい仕事を選んでおられます。
しかし、やりたい仕事を探す時も、
例えば複数内定が出てその中から1社を選ぶ時も、
そんな簡単に判断が出来ないことは多いです。
とても悩みます。
仕事を選ぶ時はどう考えれば良いのでしょうか?
仕事を選ぶ時の検討方法
何の仕事をやりたいのか、
どの仕事を選ぶのが自分にとって良いのか、
漠然と考えても思考は進みにくいものです。
で、どう考えれば良いのか。
お勧めの方法は、その仕事に関する情報を
2種類に分けてそれぞれ考えることです。
その2種類とは、
満足感を生み出す要因と不満足を生み出す要因
です。
その仕事を構成する要素や取り巻くものを
この2つに分けて整理します。
これはキャリアに関する心理学の中では有名なのですが、
F. Herzberg(フレデリック・ハーズバーグ)が
提唱した理論に基づいています。
仕事の満足や不満足を規定する要因は、
動機づけ要因と衛生要因であるという考え方です。
・動機づけ要因: 満足感を生み出す要因
・衛生要因: 不満足を生み出す要因
この2つに関連することを検討する時は、
考え方が異なります。
そこで、例えば、転職で採用内定が出て
受諾しようかどうか悩んでいる時には、
この2種類に分けて別々に考えましょう。
満足感を生み出す要因
動機づけ要因、即ち、満足感を生み出す要因とは、
その仕事の職務内容への興味、達成感を持てるか、
成果に対する承認、裁量や責任、昇進の可能性、
自己成長の可能性、などです。
これらから生み出される満足感には天井が無く、
それぞれの要素が満たされれば満たされるほど、
満足感が高まっていきます。
そして、その仕事を選択すべきか考える時は、
検討している仕事の中に、これらを実感できる
要素があるかどうかを考えるのです。
例えば、A社での営業職の場合は、
同社での営業の職務内容が面白そうか、
その営業の仕事で求められる役割を果たした時
(売上を上げる、顧客との関係を構築する、等)は
達成感を持てそうか、
業績を上げたら認められる制度や文化があるのか、
仕事の裁量範囲はどうか、担う役割はどうか。
昇進するチャンスはあるのか。などなど。
検討している仕事が複数あれば、
これらのポイントで〇△×やスコアリングをして
比較検討しても良いでしょう。
不満足を生み出す要因
衛生要因、つまり不満足を生み出す要因とは、
年収金額、人間関係、人材マネジメント方法、
経営方針や部署の方針などです。
これらは自分が許容できる最低限のラインを
下回ると大きな不満足を生み出します。
年収の場合は、許容できる最低水準を下回ると、
仕事内容が魅力的でも不満しか生まれません。
例えば、配偶者とお子さんが2-3人いる家庭で
世帯年収(夫婦二人年収合計)で1000万円以上と考え、
配偶者が500万円の年収であれば、
自分が許容できる年収の最低水準は500万円です。
この水準を下回ると、仕事内容やその他の要素が
どれだけ良くても、その仕事に満足は出来ません。
不満だけが生まれます。
ですので、仕事内容が自分の理想的な内容でも
年収が許容できる最低水準を下回るのであれば、
その仕事は受けずに見送る判断をした方が良いでしょう。
よって、不満足を生み出す要因の検討方法は、
こちらの要因に属する要素をリストUPして
それらを許容できる最低ラインを明確にして、
その仕事がそれらを上回っているのか、
下回っているのか、考えます。
判断する為の3ステップ
以上の通り検討している仕事に関して、
満足を生み出す要因(動機づけ要因)と、
不満足を生み出す要因(衛生要因)に、
情報を分類して考える方法を述べました。
最終的な判断を行う為に、
この検討方法をまとめると次の通りです。
ステップ1:
その仕事について満足を生み出す要因と
不満足を生み出す要因に分けて考える。
ステップ2:
不満足を生み出す要因については、
許容できる最低ラインを明確にして、
それを下回る仕事は躊躇なく断る。
ステップ3:
上記をクリアして残った仕事については、
この要因(年収など)は一旦それで良しとする。
そして満足を生み出す要因に関して最も良い仕事を選ぶ。
以上です。
この様に仕事の情報を整理して考えると、
検討が深まり前に進みます。
これが全体として満足を得る為の仕事を
選択する為の検討方法です。
仕事選びでご自身の考えが進まない時には試してみて下さい。
(2022年1月17日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
<公開済みのキャリアチェンジ・ストーリー>
キャリアチェンジ:化学メーカーから製薬会社の経営戦略部門へ
年収5000万円から500万円への幸せ転職:ファンドマネージャーから地方自治体の公務員へ
40代のキャリアチェンジ:メガバンクから製造業の経営企画室長へ
キャリアチェンジ:ECサイト運営会社の技術職から戦略コンサルタントへ
キャリアチェンジ:証券会社の投資銀行部門からベンチャー企業のCFOへ
<お役立ち情報>
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・参考ツール(無料):タイプ分け診断
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