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キャリアチェンジ:ECサイト運営会社の技術職から戦略コンサルタントへ

キャリアチェンジの事例2回目は、ECサイト運営会社のエンジニアから経営戦略のコンサルタントに転職をした男性のお話です。エンジニアとして開発に従事していた時に、中途入社をしてきた経営コンサルタント出身の上司に刺激を受けて、その道を目指そうと決心しました。どんな刺激を受けて、どうしてキャリアを変えようと思ったのか?年収はどう変わったのか?入社後はハッピーなのでしょうか?

エンジニア外山さんの仕事

プログラミングが好きで学生時代から趣味を兼ねてスマホアプリを自ら開発したり、ネットベンチャーでパートタイムの技術職として働いていた外山宙太(そらた)さん(仮称/27歳)。新卒でECサイト運営会社に技術職で入社し、サイトの開発に従事していました。大きな会社ではないですが、自由な社風で最新のテクノロジーに触れることが出来ることが楽しく、また、単なる開発だけでなく子会社の業務も兼務して企業に対してクラウド化の技術コンサルティングにも従事するなど、技術者として充実した日々を過ごしていました。

自分が働く会社のビジネスモデルには自信を持っていただけでなく、変化に合わせて的確に手を打つ自社に「たいしたものだなぁ」と感心していました。そして、こんな風に自分でビジネスの仕組みを構築出来ると面白いだろうな、と漠然と思う様になったそうです。
そんな時、コンサルティング会社から転職をしてきた8歳年上のマネージャーと同じ社内プロジェクトに入ることになりました。そして、その初日に衝撃を受けることになったのです。

経営コンサルタント出身の上司からの刺激

これまでいろんな人々が散々議論して解決しなかった問題に取り組む案件でした。外山さんは内心「入社したばかりの新人マネージャーのお手並み拝見だな」と斜に構えて会議に出席していました。ところが、いざ会議が始まると、プロジェクトの目的を聞いたマネージャーは開口一番「これって、○○という問題やんなぁ。それを始末するのに必要なんは、ざっくり言うたら技術、ユーザビリティ、マーケティングの3つで、技術面では△△、ユーザビリティでは□□、マーケティングでは◇◇やんか。
ほんで俺らが優先せなあかん技術面について言わしてもらうと…」と話し始めたのです。
外山さんは思いました。「確かこの人は、この手のテーマについては全くの素人の筈なのに、いま問題を聞いたばかりなのに、一体どうして分かるのだ?」と驚愕しました。

そしてマネージャーはメンバーに指示を出し、外山さんには「宙ちゃん、こないだの改善でうちのサイトはスマホでこんなにサクサク動くようになったのにも関わらず、6ヶ月経過しても離脱率が0.5%しか改善してへんとゆーことは何が言えるのか、明後日のミーティングまでに考えとってくれる?」と課題が与えられたそうです。その後は会議で考えたことを話しても惨憺たるもの。「宙ちゃん、それってただのファクトで見たらわかるやん。で、何が言いたいの?」「え・・・・、いや、え…」「事実積み上げて考えようとしても何も思いつかへんで。そんなんで分かったらこんな問題とっくの昔に解決してるやろ」といった具合で、自分のアホさ加減に嫌気がさしながらも、これまでにない頭の使い方をしてとても楽しかったのです。

身につけたいスキルが見つかる

マネージャーからは「思考方法を身につけたかったら、まずこの5冊を読んでみたらええよ」「あ、1週間以内にね」と次の5冊を教えて頂いて(1週間は無理でしたが)一気に読みました。

「イシューからはじめよ-知的生産のシンプルな本質」(安宅和人)
「論点思考」(内田和成)
「仮説思考」(内田和成) 
「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント)
「意思決定のための分析の技術」(後正武)

そして、本で読んで学んだことは上司との業務で即実践していきました。考え方を知ったことで上司から何を求められているのかといったことも理解出来るようになり、次第に上司の期待に応えられるようにもなってきました。その様な日々を過ごしながら2ヵ月が経過して、プロジェクトが完了しこれまで全く答えが出なかった問題が解決しました。外山さんは、このプロジェクトを通じてコンサルタント出身者の物事の見方、考え方、進め方は非常に新鮮で、一緒に仕事をして自分がとても成長した実感を持てたそうです。「このスキルを強化出来れば、自分でビジネスの仕組みを構築することが出来るようになる」「コンサルファームで毎日このような仕事をすれば、きっとやりたい事をやれるようになる思考力が身につくに違いない」との思いに至ったそうです。

戦略コンサルティングファームへの転職

そして、そのマネージャーにコンサルファームに転職したいことを内々に相談して理解を頂きました。そして選考を突破する為のアドバイスをもらい、ケース面接という先日のプロジェクトのやり取りを濃縮したようなディスカッション形式の面接を繰り返し受けて、世界トップクラスの戦略コンサルティングファームに採用されました。マネージャーからは「おめでとう。レベルアップしたらまた一緒に仕事しよなー」と祝福をされて送り出されました。

因みに気になる年収は、700万円からベース年俸700万円+業績賞与(年俸に対して20%前後が目安)になりました。固定給であるベース年俸は前職水準と同じでしたが、仕事で標準的な評価を得ることが出来れば140万円前後の賞与(700万円×20%)が得られる見込みです。

入社後は、プロジェクト・リーダー(=マネージャー)にダメ出しされる日々ですが、自分が出すアウトプットの質が着実に向上し、スピードもアップしているそうです。また、最近はDX化推進などテクノロジーの知見が求められるコンサルティング案件が増えており、外山さんの強みが活かせているそうです。特にクライアントのエンジニアと同じ言語で話せることは顧客からの評判が良く、「次のプロジェクトをやるときも外山さんに入ってほしい。」とうれしい言葉も頂き、やりがいを感じているそうです。
「今は仕事が面白くて仕方がない。」とクリアな目で話す外山さんを見て、ご自身にとって一つ上の世界へ進まれたのだと感じました。

山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
・参考ツール(無料):タイプ分け診断
・推薦図書一覧:キャリアの図書室

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