環境適応力ありますか?
超高齢社会となり、在宅介護からいわゆる施設入所へ検討されている方も多いと思います。本人にとって、環境が変わる事とはどういう事なのでしょうか。
1.高齢者の環境の変化はタブー
高齢者は環境が変わる事によって、認知症が進行したり、錯乱される事によって不穏になる事が良く言われております。
高齢者は環境適応力が衰えます。
実際、私の祖父もグループホームに入所してからかなり認知症が進行したと感じております。職員さん達には申し訳ありませんが、正直かなりのストレスも死因としてあったのではないかと思っております。
多くの高齢者が環境適応力の衰退があります。従って、住み慣れた我が家から介護施設への入所するという変化が、当の本人にとってはかなりハードルが高いと言う事がわかります。
2.子供の環境変化
さて、子供達の環境適応力はどうでしょうか。
私は幼稚園2つと、小学校3つと普通よりは割と転勤族の家庭で育ちました。
子供ながらに環境の変化に適応してきたと思います。その土地その土地で、新しい友人を作りました。つまり、環境適応力があったのだと思います。
現に小学校時代の友人と今でも関係を保っている事がその証拠だとも思っております。
先日も小学校4年生の時にお別れした友人と酒を交わしました。
勿論、子供ながらに転校により新たに友達を築いていく努力が必要です。転校する子供によっては上手に立ちまわれず、いじめられてしまうケースも否定しません。
たまたま、私はいじめられる事はなく運が良かったのかもしれません。
そうは言っても、社会問題となっている虐めに関しても転校生であるという理由ばかりが挙げられているわけでもありませんし、子供はある程度の環境適応力があると考えるのが普通でしょう。
3.高齢者の環境の変化にもっと意識を持ってほしい
上でお伝えしたように、子供の環境適応力はある程度あると考えられます。そして、青年、壮年を迎え、仕事等を通じて環境適応力を更に向上していくのが一般的です。
しかし、これが加齢と共に徐々に衰えていく事はあまり認知されておりませんし、関心を持たれていないように感じます。
個人的には人間は極度のストレスで死ぬと思っております。生きる意欲を最終的に奪われると心が弱くなり、体も疾病や疾患に耐久性がなくなるからでしょう。
良く言われるのが、人間というのは変化を嫌がり、変化に弱い生き物です。それが高齢者にとっては著しいのです。
なぜならば、環境適応力が衰えるからです。
3-1.尊厳
又、環境が変わると言う事は今までに当たり前であった事が通用しなくなります。特に介護施設は共同生活の場でもあるので余計です。
当たり前のように午前6時に食卓に並んだ朝食が介護施設では午前8時になったりします。奥さんにお茶を頂戴と言えば緑茶をもらえたのに、介護施設ではほうじ茶であったりと、中々本人にとっては苦痛であるかもしれません。
本人にとっては尊厳に関わるでしょう。
私も介護の現場で、
『こんなもの食えるか!』
『何も言わないでもお茶くらい出せよ』
と利用者さんに言われた事があります。
環境の変化からくる本人にとっての尊厳と言う名のストレスだと思います。
ご両親を住み慣れた我が家からどこかの施設へ入所させると言う事は、ご家族も本当に大変で心苦しいと思います。しかし、想像以上に当の本人は環境の変化に悶絶するかもしれません。
私の祖父もまさにそうでした。
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