やましんの巻

公園で遊んでいて ぼくが投げたボールは まだ地面に落ちていない ──ディラン・トマス

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  • いつかどこかで見た映画 まとめ

    劇場公開時に見た映画について、そのときどきに書きつづった映画評というよりも「映画をめぐる雑念」集。段落ごとに1行空けるというネットマナー(?)があまり好きではないので、ダラダラと長いのはご容赦ください。 註・初出は大阪映画サークル紙。本名で掲載されたものに加筆修正しています。

最近の記事

いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ダークシティ』(1998年・アメリカ=オーストラリア)

“Dark City” 製作・監督・脚本:アレックス・プロヤス 脚本:レム・ドブス、デイヴィッド・S・ゴイヤー 撮影:ダリウス・ウォルスキー 出演:ルーファス・シーウェル、ジェニファー・コネリー、キーファー・サザーランド、ウィリアム・ハート、リチャード・オブライエン、イアン・リチャードソン、メリッサ・ジョージ、コリン・フリールズ (この文章は1998年11月に書かれたものです。)  いやー、まいった。久しぶりに心底“アブナい”と思える映画と出会ってしまった。見る前と見た後

    • いつかどこかで見た映画 ショートver. 『グース』(1996年・アメリカ)

      “Fly Away Home” 監督:キャロル・バラード 脚本:ロバート・ロダット、ヴィンス・マッキュイン 撮影:キャレブ・デシャネル 音楽:マーク・アイシャム 出演:アンナ・パキン、ジェフ・ダニエルズ、ダナ・デニー、テリー・キニー、ホルター・グレアム、ジェレミー・ラッチフォード、マイケル・J・レイノルズ、デイヴィッド・ヘンブレン (この文章は1997年3月に書かれたものです。)  キャロル・バラードの映画を見ることは、ぼくにとって何よりもまさる至福のひとときだ。それは純

      • いつかどこかで見た映画 その188 『スーパーマン リターンズ』(2006年・アメリカ)&『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006年・アメリカ)

        “Superman Returns” 監督:ブライアン・シンガー 脚本:マイケル・ドハティ、ダン・ハリス 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル 出演:ブランドン・マウス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー、、フランク・ランジェラ、エヴァー・マリ・セイント、ジェームズ・マースデン、トリスタン・レイク・リーブ、パーカー・ポージー、マーロン・ブランド “X-Men: The Last Stand” 監督:ブレット・ラトナー 脚本:ザック・ペン、サイモン・キンバーグ 撮影:

        • いつかどこかで見た映画 その187 『ボーはおそれている』(2023年・アメリカ)

          “Beau Is Afraid” 製作・監督・脚本:アリ・アスター 撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ 劇中アニメーション制作:ホアキン・コシーニャ、クリストヴァル・レオン 出演:ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、パティ・ルボーン、カイリー・ロジャース、パーカー・ポージー、アルメン・ナハペシャン、ゾーイ・・リスター=ジョーンズ、ドゥニ・メノーシェ、ヘイリー・スクワイアーズ、マイケル・ガンドルフィーニ  いきな

        いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ダークシティ』(1998年・アメリカ=オーストラリア)

        • いつかどこかで見た映画 ショートver. 『グース』(1996年・アメリカ)

        • いつかどこかで見た映画 その188 『スーパーマン リターンズ』(2006年・アメリカ)&『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006年・アメリカ)

        • いつかどこかで見た映画 その187 『ボーはおそれている』(2023年・アメリカ)

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        • いつかどこかで見た映画 まとめ
          190本

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          いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ウォーターワールド』(1995年・アメリカ)

          “Waterworld” 監督:ケヴィン・レイノルズ 製作・出演:ケヴィン・コスナー 脚本:ピーター・レイダー、デイヴィッド・トゥーヒー 撮影:ディーン・セムラー 出演:デニス・ホッパー、ジーン・トリプルホーン、ティナ・マジョリーノ、マイケル・ジェッター、ジェラード・ マーフィー、R・D・コール、キム・コーツ、ジョン・フレック、ロバート・ジョイ、ジャック・ブラック、ジョン・トールス=ベイ、 ジットー・カザン、ゼイクス・モカエ、サブ・シモノ  ときとして、時代錯誤は美しい。あ

          いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ウォーターワールド』(1995年・アメリカ)

          いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ターミナル・ベロシティ』(1995年・アメリカ) & 『ドロップ・ゾーン』(1995年・アメリカ)

          『ドロップ・ゾーン』“Drop Zone” 監督:ジョン・バダム 脚本:ピーター・バルソチニーニ、ジョン・ビショップ 撮影:ロイ・H・ワグナー 音楽:ハンス・ジマー  出演:ウェズリー・スナイプス、ゲイリー・ビジー、ヤンシー・バトラー、マイケル・ジェッター、コリン・ネメック 『ターミナル・ベロシティ』“Terminal Velocity” 監督:デラン・サラフィアン 脚本:デイヴィッド・トゥーヒー 撮影:オリヴァー・ウッド 出演:チャーリー・シーン、ナスターシャ・キンスキー

          いつかどこかで見た映画 ショートver. 『ターミナル・ベロシティ』(1995年・アメリカ) & 『ドロップ・ゾーン』(1995年・アメリカ)

          いつかどこかで見た映画 その186 『ビヨンド・ユートピア 脱北』(2023年・アメリカ)

          “Beyond Utopia” 監督・編集:マドレーヌ・ギャビン 撮影:キム・ヒョンソク   いやはや、新年早々とてつもなく“強烈”な映画と出会ってしまった(註・この文章は今年の1月に書いたものです)。ここ最近で見たなかでもその緊迫感では群を抜いた手に汗にぎるスリリングな展開と、どこまでも鮮烈かつ印象的な人物像[キャラクター]。そして見終わった後、感動というよりその「メッセージ」の“重さ”に思わず茫然自失してしまうーーというか、とてつもなく「面白い」のに、どうしても安易に

          いつかどこかで見た映画 その186 『ビヨンド・ユートピア 脱北』(2023年・アメリカ)

          いつかどこかで見た映画 その185 『最悪な子どもたち』(2022年・フランス)

          “Les Pires(The Worst Ones)” 監督・脚本:マロリー・ワネック、ロマーヌ・ゲレ 脚本:エレオノール・ガレー 撮影:エリック・デュモン 出演:マロリー・ワネック、ティメオ・マオー、ヨハン・ヘンデルベルグ、ロイック・ペッシュ、メリーナ・ファルデンブランケ、アンジェリク・ジェルネ、マティアス・ジャカン  フランソワ・トリュフォー監督が撮った『トリュフォーの思春期』は、《子供たちを「演出」することは不可能なので、いろいろな「状況」だけを設定して子供たちの「あ

          いつかどこかで見た映画 その185 『最悪な子どもたち』(2022年・フランス)

          いつかどこかで見た映画 その184 『博士の愛した数式』(2006年・日本)

          監督・脚本:小泉堯史 原作:小川洋子 撮影:上田正治、北澤弘之 音楽:加古隆 出演:寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子、齋藤隆成、井川比佐志、頭師佳孝、茅島成美、観世銕之丞 (この文章は、2006年1月に書かれたものです。)  小泉堯史の映画は、美しい。そしてその「美しさ」は、これまでぼくたちが見てきた映画のなかでも、ほとんど“稀有”なものだと思う。  それは何かを声高に主張したり、訴えようとしない。自分の「美しさ」を誇ったり表現しようとすらしない。他の映画や監督たち

          いつかどこかで見た映画 その184 『博士の愛した数式』(2006年・日本)

          いつかどこかで見た映画 その183 『胡同(フートン)のひまわり』(2005年・中国)

          “向日葵(Sunflower)” 監督・脚本:チャン・ヤン 脚本:ツァイ・シャンチュン、フォ・シン 製作:ピーター・ロア 撮影:ジョン・リン 出演:ジョアン・チェン、ソン・ハイイン、ワン・ハイディ、ガオ・グー、チャン・ファン、リュウ・ツー・フォン、チャン・ユエ、リャン・ジン、リー・ビン (この文章は、2006年6月に書かれたものです。)  とりたてて熱心に中国映画を見続けてきたわかじゃないので、あまり迂闊なことは言えないが、近年で印象に残ったこの国の映画を振りかえるとき、

          いつかどこかで見た映画 その183 『胡同(フートン)のひまわり』(2005年・中国)

          いつかどこかで見た映画 その182 『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年・アメリカ)

          “Million Dollar Baby” 監督・音楽:クリント・イーストウッド 脚本:ポール・ハギス 原作:F・X・トゥール 撮影:トム・スターン 出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル、マイク・コルター、マーゴ・マーティンデイル、ブライアン・F・オバーン、ネッド・エイゼンバーグ、ブルース・マクヴィッティ、ルシア・ライカー (この文章は、2005年5月に書かれたものです。)  クリント・イースト

          いつかどこかで見た映画 その182 『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年・アメリカ)

          いつかどこかで見た映画 その181 『キャプテン・ウルフ』(2005年・アメリカ)

          “The Pacifier” 監督:アダム・シャンクマン 脚本:トーマス・レノン、ロバート・ベン・グラント 撮影:ピーター・ジェームズ 出演:ヴィン・ディーゼル、ブリタニー・スノウ、キャロル・ケイン、マックス・シエリオット、モーガン・ヨーク、ローガン・フーヴァー、キーガン・フーヴァー、ボー・ウィング、ルーク・ヴィング、ブラッド・ギャレット、ローレン・グラハム (この文章は、2005年10月に書かれたものです。)  功成り名を遂げたアクション・スターがコメディに挑戦するのは

          いつかどこかで見た映画 その181 『キャプテン・ウルフ』(2005年・アメリカ)

          いつかどこかで見た映画 書評編 『フェイドアウト 日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一』(東龍造・著)

           12月1日が「映画の日」であることを知ったのは、それが映画館の“料金割引サービスの日だったから”という映画ファンも少なくないだろう(ぼくもそうだ)。今でこそ毎月1日を「ファーストデイ」としてほとんどの映画館が割引サービスを実施しているが、かつてはこの12月1日だけが入場料金1,000円で映画を見られる日だった(……そして「ファーストデイ」が多くの映画館で1,200円なのに対して、「映画の日」だけは今も1,000円という設定のはず)。  では、どうして12月1日が「映画の日」

          いつかどこかで見た映画 書評編 『フェイドアウト 日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一』(東龍造・著)

          いつかどこかで見た映画 その180 『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年・日本)

          監督・脚本:高畑勲 原作:いしいひさいち 作画監督:小西賢一 画コンテ・場面設定:田辺修、百瀬義行 音楽:矢野顕子 声の出演:朝丘雪路、益岡徹、荒木雅子、五十畑迅人、宇野なおみ、ミヤコ蝶々、中村玉緒、古田新太、富田靖子、斉藤暁、矢野顕子、柳家小三治 (この文章は、1999年7月に書かれたものです。)    日本のアニメーション界で“天才”といえば宮崎駿、“巨匠”が高畑勲、“鬼才”なら押井守か庵野秀明といったところだろうか。まあマニアの方々には異論もおありだろうけれど、アニメ

          いつかどこかで見た映画 その180 『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年・日本)

          いつかどこかで見た映画 その179 『オレンジ・ランプ』(2023年・日本)

          監督:三原光尋 原作・脚本:山国秀幸 脚本:金杉弘子 企画協力:丹野智文 撮影:鈴木周一郎 編集:宮島竜治 出演:貫地谷しほり、和田正人、山田雅人、赤間麻里子、伊嵜充則、平尾菜々花、安山夢子、新井康弘、水木薫、金沢美穂、堀田眞三、赤井英和、中尾ミエ  認知症をめぐる映画といえば、最近でもアンソニー・ホプキンス主演の『ファーザー』があったし、ブルース・ダーンが認知症のふりをして、施設にいるかつての恋人に接近しようとする『43年後のアイ・ラヴ・ユー』という、不謹慎(?)だが実に

          いつかどこかで見た映画 その179 『オレンジ・ランプ』(2023年・日本)

          いつかどこかで見た映画 その178 『午前4時にパリの夜は明ける』(2022年・フランス)

          “Les passagers de la nuit” 監督・脚本:ミカエル・アース 脚本:モード・アメリーヌ 撮影:セバスチャン・ブシュマン 出演:シャルロット・ゲンズブール、ノエ・アビタ、キト・レイヨン=リシュテル、メーガン・ノータム、ティボー・ヴァンソン、ロラン・ボワトルノー、ディディエ・サンドル、エマニュエル・ベアール  1980年代といえば、個人的には大学を出て社会人となった時代とかさなる。だものだから日々の仕事をこなすことにただただ必死で、失敗の連続だったという

          いつかどこかで見た映画 その178 『午前4時にパリの夜は明ける』(2022年・フランス)