【詩】めのいろ/しんぞう


きのう きみにつらいことがあった
きみはなみだをがまんしていた

めのきんにくがゆるみ
なみだのつぶがあふれた

それは たんなるげんしょうだ
 
めのなかのおさらを 
いつでもみがいておくといい

ほんとうにだいじなものを 
めにやきつけておけるように

そのけしきが 
そのおさらのかがやきが
きみのめのいろにとけていく

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スマホがわたしの心臓みたいだ
いちばん見られたくない部分を
はずかしい自分を
あらわにして 歩いている

詩を五十 作った
ことばは いれものになった
詩を百 作った
わたしは からだをはなれた

びよう、びよう
風がビルにすむ
古い風に押されて
心臓が むきだしになる

あぶないよ
ねらわれてしまうよ
はっ、と息が鳴って
わたしはぎゅっとなる


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