【詩】こぼれる


ことばが こぼれる
ことばが にじむ

こぼれた ことばのしみが ひろがって
じわじわと その領域を 延ばしていく
 
ことばは 立ちあがる
ことばは 転倒する

倒れたことばは せかいをひき延ばす
疎外された自己から
わたしのからだから しみだす

やがてそのしみは
都市になり 国家になり
大陸になり せかいとなり
やがて わたしにもどってくる
 

わたしのからだは せかいの心棒だ
わたしの心房が 空虚をのぞんでも
あたらしい酸素が わたしをみたす
 
このきもちを このじょうけいを
ことばにしようがない とおもうとき
ことばのしみが 侵食している



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