「きみはオフィーリアになれない」 瀧本達郎 前編 #063
瀧本が発見したのは、かんなではなく、かんなの母親だった。かんなの母親に会ったのは、かんなを連れて隣町の本屋に行った日だけで、しかも化粧をしていない顏だったので印象が違ったが、間違いない、と瀧本は思った。かんながここにいる可能性もあるのでは、と隅々まで画像を確認したが、かんなの姿はどこにもなかった。瀧本は安堵したが、まだ安心はできない、と思った。かんなとかんなの母親は、そもそもコミュニティの違う支部に所属していたのだ。この画像は、かんなの母親が所属していた支部のものに違いない