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【サピエンス全史】人類進化の真実と3つの革命!〜認知革命編〜

こんばんは。
りんです。

これまで私の趣味である映画、健康について記事にしてきましたが、遂に読書についても解禁します!
読みたい本と面白かった本が多すぎて何から紹介しようか迷っていましたが、1冊目は『サピエンス全史』から紹介していきます。

正直、私が読んできた書籍の中でもトップ3に入る衝撃を与えてくれた本でした。
歴史には色々な切り口があり、諸説も様々ですが、本作の著者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏の観点は本当に面白く、最後まで読者を飽きさせません。

私が学校で教わってきた人類や、それに付随する歴史は一体何だったのか?
膨大な資料を元に、考察に考察を重ねた著者の見解が人類史の魅力を伝えてくれます。

とてつもないボリュームなので、3回に分けて私が大事だと思った部分をお伝えしていきます。
ハラリ氏曰く、人類が大きく発展してきたのは、「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つの革命が大きく関わっています。

今回は認知革命について記載していきます。
※本書を読んだ上で、私の解釈を含んでおりますので、誤謬があれば是非ご指摘お願いします。

ホモ・サピエンス以外にも人類が存在した!?

そもそもの話、人類とは生物学上どのように定義されるのでしょうか?
本書では現代人は「ホモ・サピエンス」と呼ばれています。

厳密には「ヒト科ホモ属サピエンス種」という名前だそうです。
正式名称なんて初めて知りました笑

そして察しの良い方はお気づきかもしれませんが、サピエンス種以外にも人類はいました。
例えば、ホモ・エレクトスやホモ・ネアンデルターレンシス(一般にネアンデルタール人と呼称される)等がいました。

思い返して欲しいのですが、日本史の授業では、「猿→中腰の原始人→二足歩行の原始人→現代人」という図で人類が進化してきたと教わりませんでしたか?
あたかも、各時代に存在した一種類の人類が進化してきたかのような、ネアンデルタール人やホモ・エレクトスが先祖であるかのような説明を受けませんでしたか?

少なくとも私は本書を読むまでずっとそう思い込んでいました。
しかし彼らは、別々の人類だったのです。

では彼等はどこへ消え、なぜホモ・サピエンスだけが残っているのか?

人類が他の哺乳類に比べて高い知能いのは火を扱えたから

上記の疑問を解消する前に、もう1つ衝撃だったことを紹介させてください。その衝撃とは、人類が他の哺乳類に比べて知能が高く進化したきっかけに、火を扱えたことが起因していることです。

確かに歴史の授業では、二足歩行の原始人が火を扱うことについて触れていることが多いです。
しかしその説明は知能に関することではなく、外敵から身を守る術として紹介されています。

本書で伝えたかったことは違います。
原始時代の生物の強者は人間ではなく、肉食動物でした。

その為、ホモ・サピエンスはハイエナたちが食べ漁った後の、動物の死骸を食べたり骨髄を啜ったりしていたそうです。
現代では人類が食物連鎖の頂点に位置する為、そのような食生活は想像し辛いですが、確かに身一つで肉食動物に敵うとは思えません。

しかし、火を起こすことで彼らの生活が激変していきます。
人類に最も近縁とされる動物のチンパンジーは、食物の消化に5時間ほどかけているそうで、当時のホモ・サピエンスの消化も同様の時間がかかっていたことが分かります。

ところが、火を通すことでジャガイモ等のこれまで食べられなかった食物が主食に変わり、1時間程度で消化できるようになったのです。
腸は母体の中で脳の次に形成される臓器です。

現代では腸活が流行っており、「第二の脳」と呼ばれるほど重要な消化器官であり、メンタルにも直結する臓器なので当時も膨大なエネルギーを使っていたことが推測されます。
しかし、調理を覚えた彼らは腸で消化するエネルギーを脳の発達にを割くことができるようになりました。

体重60kgの哺乳類では、脳の平均体積が200㎤であることに対し、ホモ・サピエンスの脳の堆積は1200~1400㎤もあり、実に6〜7倍も差があるのです。
私たちの知能がいかに高いのか、納得が行きますね。

ただし、直立二足歩行の代償として、本来は起こり得ない腰痛と肩こりに悩まされるようになったそうです。
なぜならこれほど巨大な脳と、それを包む頭骨を支える必要があるからです。

女性は特に大変で、赤子は母体の中で脳が大きくなり、出産が大変になります。
その為、他の哺乳類に比べて、ホモ・サピエンスの出産は早いのです。

子馬は生まれてすぐ駆け回ることができますが、赤子だけは何もできず、長期間年長者に頼らねばならないのはその為です。
私たちが知能の高さと引き換えに二十歳前後まで独立できない生態なのは、上記のような背景があったからだったそうです。

両親はもちろん、たくさんの人の力を借りて今があることに心から感謝します。
当たり前になってはいけませんね。

認知革命によって生まれた「虚構」の力

冒頭でお伝えした、人類発展の元となった3つの内1つ目の革命が認知革命です。
結論からお伝えすると、認知革命とは「虚構=ビジョン」によって人類が集団で共通の認識を持つことができたことで起きた革命です。

なぜ人は集団で行動することができるのでしょうか?
もっと噛み砕いて問うならば、なぜ隣にいる人、道ですれ違う人を信用することができるのでしょうか?

私は本書を読むまであまりにも当たり前のことすぎて疑問すら抱きませんでしたが、なぜと聞かれると上手く説明ができません。
本書ではホモ・サピエンスが「噂話」や「神話」を語ることで、見ず知らずの人とも協力することができたと書かれています。

いくつかの壁画が各地で残っていますが、コミュニケーションを円滑にする為だったのかもしれません。
そして、ハラリ氏曰く、生物は本来150頭以上で群れることはできず、それ以上になると内紛が起きて分裂していくそうです。

しかし、虚構によってホモ・サピエンスは集団で生活したり、意思や目的を共有したり、ルールを作り出したりすることができたのです。
現代に置き換えるなら、法律、会社、貨幣制度、言語等、私たちは無形のものに対しても権力や効力があると、認識を共有することができます。

例え道ですれ違う他人であっても、ある一定のレベルまでその人を信用できるのは、社会通念上に照らした常識や上記のルールを当然に守ると信じているからです。
そして、ブランドも言わば虚構の一つです。

ベンツを見れば車と分かりますが、それは会社ではありません。
しかし、ベンツを見てメルセデスベンツという会社を認識できるのは虚構の力なのです。

この虚構を信じる能力がホモ・サピエンスにはあった為、他人とも協力し、集団での強さを発揮しました。
紀元前7万年前まではホモ・サピエンスは他の人類と比べ能力的にも身体的にも劣っていたようですが、集団での強みを発揮して技術的、戦略的に彼らを上回って生存してきたのです。

他の人類が環境によって絶滅した説や、ホモ・サピエンスが滅ぼしたという説がありますが、私はそのどちらもあったのではないかと思っています。
生存をかけて戦うことは、本能によるものなので致し方なかったでしょう。

こうして考えると、組織を束ねるリーダーは本当にすごいと思います。
自らビジョンという虚構を掲げ、そこに惹かれる人が集まり、同じ方向を向いて突き進んでいく。

経営者に限らず、何らかのチームでリーダーをする人にとってこれほど大切で原点と言えるものはないでしょう。
いかなるものに対しても虚構は必要だということが分かります。

いかがでしたか?
まだ1回目ですが、なかなかタイピングの手が止まりませんでした笑

本書ではより具体的且つ分かりやすい例を交えながら、一つ一つ根拠を提示しているので、詳しくは手に取ってみてください。

今日はここまで。
ありがとうございました。

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