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【ファジサポ日誌】114.必然の大敗~第104回天皇杯2回戦 ファジアーノ岡山 vs 愛媛FC ミニマッチレビュー~

「レビュー」というよりは感想になると思います。
現地にいた者としまして、見えたモノ、見えたことを記録として綴りたいと思います。
皆さまご存知のように大敗でしたが、視点をどこに置けばいいのか難しいゲームになりました。
リーグ戦でないからという点は大きいです。
しかしながら過去にJ1昇格を果たしたチームが、ここまで天皇杯で大敗した記憶もありません。しかも同カテゴリー相手ですからね。
そういう意味では非常に不安にもなりますが、実際に試合を観た限りでは「そうなるよな」という納得感もありました。

改めて書きますが、非常に視点の置きどころが難しいゲームです。

ご存知のようにファジアーノ岡山史上初となる、公式戦7失点による大敗でした。
スコアどおり全体的に劣勢でしたが、まず試合の入りで愛媛のCH(3)森脇良太に「ご挨拶ミドル」を決められてしまい、じっくり落ち着いて試合に入りたい岡山としては浮足立ってしまったと思います。
いわゆる「お調子者キャラ」(良い意味で)に決められたこともあり、愛媛と岡山のムードに一気に明暗が色濃くついた雰囲気もありました。

それでも前半は上手くいかないなりにまだマシで、2失点目は完全にセットプレーの連携不足ということを考えると、サッカー全体の流れではまだ戦える余地は残っていましたし、実際に1点を返せました。

現地観戦されていたXのフォロワーさんも語ってらっしゃいましたが、この後岡山には同点に追いつくチャンスがあり、ここを仕留めきれなかったこと、そして前半終了間際の3失点目が痛かったと思います。
GK(1)堀田大暉が完全にキャッチにいっている構えからも、手前に飛び込む相手選手を認知出来ていなかった点にかなり筆者は不安を憶えました。気づいて対応しようとしたCB(18)田上大地が影になり見えなかったのかもしれません。

(10)田中のゴール
この試合で数少ない気を吐いた1人
(27)木村が受けて
(44)仙波が放ち
GKが弾いたボールに(10)田中が詰めた
復帰した(2)高木がボックス内へ進入する
(30)山田も慣れないポジションで奮闘

この試合のテーマをどう捉えるかによっては、後半開始からある程度主力を投入する選択肢もあったように思います。開始から投入していれば、ここまでの大敗もなかったと思います。
しかし、後半開始からの選手変更はありませんでした。
寧ろ、愛媛がレギュラー格の(14)谷本を入れてきました。

木山監督はじめ、ベンチが前半のデキをどのように捉えていたかということもありますが、この試合の大きなテーマがターンオーバーであったこと、そしてこの試合のメンバーへの信頼感維持、更に解決を図らせる意味においても、後半頭も同じメンバーで入った点についてはある程度支持はできます。

しかし、ハーフタイムの修正でどうにかなる状況でもなかったというのが真相です。だから後半は前半以上に失点を重ねてしまったことでしょう。
個人的に不満を感じたのは、大差がついた状況で(5)柳育崇や(19)岩渕弘人ら主力を出した点です。全く出場させる必要は感じられませんでした。(※フォロワーさんによると彼らが志願して出場したのではないかという説もあるようです。)

その前の(39)早川隼平に関しては、怪我明けのメンバーと合わせるという意義はあったと思います。
しかし、彼や(42)髙橋諒を投入したことで目まぐるしく最終ラインのメンツが変わったことが更に失点を重ねる要因になったとも思います。

この点において木山監督のマネジメントには不満を感じました。
ターンオーバーならターンオーバーと何失点してでも貫く覚悟はなかったと思います。おそらく想定以上の失点に気持ちが揺らいでしまったのでしょう。

サッカーの中身について触れていきますが、やはり配置に無理がありましたね。メンバーをみた時に私はひょっとしたら4バックかなと思いましたが、実際はリーグ戦同様の3-4-3でした。
しかし、右CB(16)河野はかなり無理があったように思います。
更に(30)山田恭也もWBの選手ではないですね。
この右のラインがそもそもズタズタでしたね。
選手個人をみていきますと、少々心配だったのが(18)田上大地です。(1)堀田にしても(18)田上にしても彼ら単独でどうにかなるようなものでもなかったのかもしれませんが、それにしても低調なパフォーマンスに終始していました。(18)田上はプレーの切り替え、視野の部分にかなり不安を感じました。(1)堀田に関しては、昨夜はおそらく相手のシュートにほぼ触れていないと思います。全くセーブする気配がなくなってしまっていました。後半は何でもないボールをお手玉、あわやO・Gという場面もありました。
わからないですが、(49)ブローダーセンという高い壁に敢えて挑んだ今シーズンでしたが、あまりにも壁が高すぎてモチベーションを失ってしまっているのかな等と推察してしまいます。
裏を返すとこれは(13)金山隼樹の凄さにも繋がりますが、控えキーパーとしての心の持ちようや役割というのも別にあるものなのだと感じました。

セットプレーから2失点目を喫する
フリーにしている点が問題だが、
(1)堀田は試合全体を通じて相手のシュートに
ほぼ触ることが出来なくなっていた

試合運びは鹿児島戦と同様で、全体的に前線に送るボールの精度を欠いていたと思います。1トップを張る(29)齋藤も収められず、スペースに走れずという状況もこれまで変わらず、結局マイボールをすぐロストするという構図も変わらずでした。

愛媛のプレスがキレていたこともありましたが、そもそも岡山の選手は蹴っているというよりは蹴らされていましたね。蹴らされたことによってセカンドの回収も出来ないという悪循環に陥っていました。それでも(24)藤田がいればある程度回収出来ていたかなとは思います。(24)藤田の存在感が却って際立ったゲームでもありました。

ならば(44)仙波にもっと預けて時間をつくれば良いと思いましたし、(44)仙波も欲しがっていたと思いますが、ここを頑張ってつけようとしない、前プレを怖がって簡単に戻してしまう。または、ただ前に蹴らされてしまうの繰り返しでした。

これでは勝てませんね。

光明は(2)高木友也の好パフォーマンスです。
この試合で唯一といってよいほど戦えていましたし、自らボックス内に進入、シュートを放ったシーンからもコンディションの良さを感じました。
このデキならメンバー入りは可能と感じています。

愛媛はおそらく誰が出ても一定のクオリティを保てるサッカーをやっていました。あと、(3)森脇がかなり出場機会が限られていた選手を盛り上げていたようにみえました。
対して岡山はこの試合で出場していなかった選手や(5)柳(育)や(19)岩渕たちの個性が大前提の3-4-3なのだろうと再認識しました。
この試合で出場していた主力の中にも、彼らと一緒にプレーするから輝ける選手がいることにも気づかされました。
それでも木山監督にとってはこの3-4-3が「チームとしての」スタイルという認識なのでしょうね。しかし、特定の人ありきのシステムであることはそろそろ気づかなくてはならないと思います。

後半戦、たったの19試合とも捉えられます。
戦力の最大値を引き出す柔軟な戦い方に期待したいです。

天皇杯については以上です。
都合により寝起きの乱文になった点、お許しください。

お読みいただき、ありがとうございました。

※敬称略

2点を先行され、ピッチ内での解決を図ろうとしていたが…
この位置のサポーターからは、
選手を鼓舞、励ます声に溢れていた。
辛い90分だっただろう。
私も拍手で彼らを迎えた。

【自己紹介】雉球応援人(きじたまおうえんびと)

地元のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。
2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。

レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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