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千秋公園つつじ祭(1) 春の陽気

よい天気に恵まれ、気温も心地よい程度。こんな日はお散歩に限ります。お散歩だなんて年寄り臭い、と思ったそこのあなた! 馬鹿にしてはいけません。随想・随筆はたいていお散歩から生まれるのです。なにをするにしても実際に足を運んだり、手を動かしたり、目でものを見ないと新たな発見は生まれません。日常から少し脱却してみるには、散歩が一番手っ取り早いと私は思います(笑)。

少し説教くさくなってしまいました。決して高みから人を見下ろすような人生訓や、美しい言葉を並べただけでなにを言いたいのかわからないような文章を書くつもりはありませんのでご安心ください。
どうして散歩したくなったかというと、単にここが近所で、よい場所だったからです。

噴水が爽やかです。夏にはこの池(堀)全体を埋め尽くすかのように、蓮の花が咲き誇ります

千秋公園ってどんな公園?

千秋公園は秋田市の市街地中心部にある、いわゆる城址公園です。写真の池はもともとお堀ですので、当初は侵入者を防ぐ役割で設営されたのでしょう。ですが今では、景観を楽しむだけの目的で維持されております。実によい時代に生まれたと感じざるを得ません(おおげさ)。

千秋公園は、慶長7年(1602年)から、明治2年(1869年)の版籍奉還まで、12代267年間続いた秋田藩20万石佐竹氏の居城、久保田城跡です。

秋田市公式サイトより

佐竹氏はもともと常陸(茨城)の大名でしたが、秋田に国替えとなり、ここに城を築きました。千秋公園はそのなごりです。しかしたいていの場合、城跡には堀の向こうに石垣が見えるものですが、ここにはそれがありません。
というのも久保田城は自然の丘を利用したいわゆる平山城で、石垣はおろか天守閣さえも存在しないのです。

このため私を含めた史跡好きの方には若干の物足りなさを感じさせるところがあるかもしれません。ですが、戦乱の時代を経たのち、平和な国造りを積極的にしていこうとした佐竹氏の心意気がそこに垣間見られるような気がして、私個人としては嫌いではないのです。それを象徴するように、現在も千秋公園は、決して大型観光地という位置づけにはありません。ここは、あくまで市民の憩いの場として親しまれているのです。

毎年春には、多くの桜がここに咲き誇り、老若男女の市民の皆さんが、ここに集います。しかし今では桜も散り、次の植物が公園内を彩り始めています。ツツジです。

見事に赤い!

平日ということもあって、この日訪れていたのは、シルバー世代の方がほとんどでした。ただ、その中には県外からの国内ツアーで観光に訪れていた方もいらっしゃったようです。先ほど申し上げたように、千秋公園はどちらかといえば「市民の憩いの場」だったはずですが、きれいなツツジのおかげで観光客を呼び込めるようになってきているみたいですね。中には東南アジア系の方々もいらっしゃいました。

園内のツツジを紹介するために、順番を飛ばして写真を載せてしまいました。以下はルートにしたがってご紹介したいと思います。

内堀を横に大坂を登る

こちらは先ほどご紹介した外堀の引きの画像です。土手のツツジは時期が来ればもっと咲きそうですね。

それにしても天気がいいですねえ。実をいうと秋田は年間を通して晴天の日が少なく、日照時間は全国最下位です。雪国なので冬の日照時間はどうしても限られることに加え、日本海側の都市は北から降りてきた雲が山脈に遮られて停滞することから、晴れているように見えてもうっすら雲がかかっていることが多いのです。私自身は太平洋側の出身ですが、晴れの日の眩しさにはやはり違いがあると実感しています。

ですが、これは悪いことばかりではありません。秋田の人は、紫外線が少ない土地で育っていることから、肌が白く、きめ細かい人が多いと言われています。いわゆる「秋田美人」をはぐくむ環境がそこにあった、というわけです。

まあしかし、これは通説に過ぎません。おそらく統計を取ったこともなければ、科学的な調査がされたこともないでしょう。しかも男性に関しては論評もされておりません(笑)。

話題が脇に逸れてしまいました。要は、この日は秋田にしては珍しく快晴だった、という話です。

あきた芸術劇場ミルハス

中央に見える道路が「中土橋通り」です。建物は昨年6月に開館した「ミルハス」と呼ばれるコンサートホールです。昨年の暮れに山下達郎さんが来たときは、私も見に行きました。ご本人いわく、「新しいホールは音の反響が整っていないのが普通だが、ここは素晴らしい」とのこと(一字一句この通り仰ったというわけではありませんが、このような内容のことを述べておられました)。音楽だけではなく、演劇なども秋田市内では主にここで公演されます。

通りの中央にあるのもツツジです。実に見事。

奥の大きな建物は「シアターカフェ」。手前は内堀です。ここからいよいよ公園内に入っていきます。

内堀の様子。蓮の葉はこれからとても大きく成長します

「大坂」と呼ばれるところから写真を一枚撮ったのですが、本当は「大坂(大阪ではない)」自体も撮りたいところでした。ですがこの日は人の往来が激しくて、邪魔になるばかりでなく、映ってしまった人のプライバシーにも影響を及ぼしてしまう恐れがあったので遠慮した、という次第です。

二の丸跡は心安まる場所

ようやく落ち着いて撮影できる場所まで到達しました

途中の通路を省いてしまった形ですが、帰りに写せるところは写したいと思います。こちらは「二の丸跡」。いくつか売店があり、芝生があって、広々としています。

芝生がきもちいい。左側の方は、外国の方でした。秋田では結構珍しい(笑)

ところで秋田の名産は「杉」や先ほど述べた「秋田美人」、あとは「米」といったところでしょうか。そのほかには「きりたんぽ」や「いぶりがっこ」とかもありますが、忘れてはいけないものがもう一つあります。

あまり良く見えませんね。申し訳ありません

秋田犬です。「あきたけん」と読むと「秋田県」と区別がつかないからかどうかは知りませんが、「あきたいぬ」と呼ぶのが正解です。私が小さい頃は「あきたけん」だったと思うのですが・・・いずれにしてもその頃は私もここで暮らしていたわけではないので、詳しくはわかりません。
いわゆる忠犬ハチ公のモデルとなった犬種ですが、実際に見ると紛れもない大型犬です。でもモフモフしていて確かに可愛らしい。

ふれあいコーナーは順番待ちの列がこんなに・・・大盛況でした。犬のためにも消毒を忘れずに
一番左の女性は海外からの方でした。ツツジの匂いを嗅いだポーズをモデルっぽく決めて撮影してもらってました。素晴らしい セクシーでした(笑)
やはり男女で来ると幸せ感が倍増しますね。ひとりで来た私は少し寂しい

二の丸跡を入り口から見て突き当たりがツツジの見どころです。もう少し待てば手前の白いツツジも咲きそうですね。少し訪れるタイミングが早かったかもしれません。

東屋があるのですが、シルバー世代の方々に占領されてしまいました。いや、いいんですよ。構いません(笑)

胡月池周辺も見どころです

う〜ん 和な感じ。自分の家の庭に持って帰りたい

どちらかといえば私の好みは自然の中でミステリアスな体験ができる場所なのですが、こういう作られた庭園もやはり素敵です。近頃は年齢も重ねて、和風庭園の本当の良さがわかってきた気がします。ツツジの鮮烈な赤は、充分外国に持って行っても通用すると思います。

池の噴水も持って帰りたい。 池ごと。
噴水の奥に藤棚がありました。見頃はもう少し先なのかな?
構図がいまひとつですが、松の木もいい感じの傾き具合です。実物大の盆栽

この池は見出しにあるように「胡月池」といいます。名前の由来はよくわからないのですが、蓮の花の名所です。なんでも千葉市にある2000年前の地層から見つかった「大賀ハス」という古代品種を保存・育成しているらしいです。次の機会にその様子も確認しておきたいと思います。

池の畔のツツジはこれから見頃を迎えそう

今回は画像満載でお送りしております。私の稚拙な解説はほどほどに・・・
ですが、先にお送りした羽黒山の時と違い、しっかりデジカメで撮影したので、画質は格段によくなっていると自負しております。写真技術の面は別にして・・・。

さて、今回はここまでにして、次回に持ち越したいと思います。
公園内には神社や城門跡があって、次回はそちらもお送りできることと思います。

ぜひお楽しみください。
ここまでお読みくださいましてありがとうございました。読んでくださった方の心が少しでも和めば、こちらも幸いです。

終わりに

自称旅シリーズのリンクを貼らせて頂きますので、興味を持たれた方はぜひお読みください。

この他、小説も書いております。ぜひプロフィール欄からご確認ください。

それでは、次回をお楽しみに!


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