見出し画像

恐山

紆余曲折、いろいろありまして30年近く勤めた会社を先月退職することとなりました。ひとことで理由を言い表すことは難しいのですが、あえてざっくり言わせてもらえれば、ほとんど誰もやったことのない業務を、たった一人でこなさなければならなかった、ということです。誰からも教えてもらえることもなく、業務を引き継ぐ相手もいなかったため、最後の日まで苦しい思いをしたのですが、ここに至り解放されました。

我ながら思い切った判断だったのですが、それができたのも妻がしっかりとした仕事をしているからで、そういう意味では私の中にどこか甘えがあった、と言わざるを得ません。

しかし働いていた当時は土日祝日も関係のないシフト制の業務でしたので、今年のゴールデンウィークは一緒に旅行ができるね、と妻は喜んでくれました。本心はどうあれ、感謝の極みです。

ここ数年はコロナの影響もあって県外で勤めている一人息子も帰ってこれなかったのですが、今年は帰れるとのことでしたので、家族そろって旅行に出かけようということになりました。目的地は恐山です。

なぜ恐山かというと、私自身が小学3年から6年までふもとの市で暮らしていた経験があり、懐かしさからまた訪れてみたいと思ったからです。当時も訪れたことはあったのですが、子供だったということもあり、その良さがよくわからなかったのです。

さて、前置きはこれくらいにして実際の恐山です。上の写真は入り口脇に立てられた味のある看板です。既にこのあたりは硫黄のにおいがすごく、別世界に来たことを実感させられます。総門をくぐって入場します。


総門から入場すると、正面に山門が見えます。向かって左が本堂、右は奥の薬師堂へ繋がる廊下です。通路の両脇には硫黄の混じった緑黄色の水が流れていました。

こちらが左側の本堂です。あまり装飾のない、シンプルな建物ですが両脇の桜が美しく、薄曇りの天候にもかかわらず荘厳な雰囲気を醸し出していました。写真でそれをうまく表現できずに残念です・・・

右側は売店・寺務所へと繋がる建物です。本来の開山は5月1日からで、訪れたのは4月30日でした。よって営業はしておりませんでしたが、開山後は御朱印帳などの販売をしてくれるようです。
また、この建物の奥に宿坊があります。中は覗くことができませんでしたが、非常に気になりますね。申し込めば、一人12000円で泊まれるそうです。一泊二食付き。

山門は絢爛なものではありますが、金ピカなものではありません。それでいてそれほど古さを感じさせるものではありませんでした。霊場自体は1200年の歴史があるということですので、何度か建て替えられたものなのでしょう。しかし、充分に異世界観はあります。

山門を抜けると地蔵殿です。慈覚大師さまが自ら彫ったとされる地蔵像が本尊だとされていますので、おそらくこの建物の中にあるのではないか、と思われます。しかし内部は撮影禁止で、かつ覗けなかったので定かではありません。

その後示された順路の通りに進むと、やたら山道を登らされます・・・荒涼とした風景を左右に望みながらようやく本堂などを見下ろせる場所までたどり着くと、そこには不動明王が鎮座しておられました。

実際に坂道を登って疲れたところで、今日はここまでといたします。次回はいよいよ火山ガスの発生する「地獄」へと足を踏み入れることとなります。

お楽しみに。

↓次の話:恐山(2)https://note.com/witty_camel483/n/na31295460b14


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

よろしければサポートお願いします。皆さまのサポートが無駄にならないよう、日々精進するための費用といたします。