野中健吾

茶道とワインとアートが好きなエンジニアです。 自分の考えたことや日々の中で良いなと思っ…

野中健吾

茶道とワインとアートが好きなエンジニアです。 自分の考えたことや日々の中で良いなと思ったことなどを、備忘録的に綴っていこうかなと思います。

マガジン

  • WE Run | Write, Eat, Run

    • 267本

    私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン

  • 茶の湯

  • 脳、意識

  • エンジニア

  • AR/VR

最近の記事

福岡伸一先生ファンが、「世界は分けてもわからない」をテーマに茶事をやってみた。

僕は福岡伸一先生(生物学者、作家)のファンでして。 「生命とは固定したものではなく、合成と分解といった相反するバランスの中で存在する『流れ』である」といった趣旨の福岡先生のコンセプトにはめちゃくちゃ同意しますし、それを「動的平衡(どうてきへいこう)」という言葉でモデル化されているのもシビれます。 ・・・といきなり書いてもピンと来ない方もいらっしゃるかと思うので、福岡伸一公式サイト でも使われている、こちらの動画をご覧ください。 こんなイメージです。 「動的平衡」のコンセ

    • 日常でのスマートグラス体験が色々と良かった話

      エンジニアでかつ好奇心旺盛な身としては、世に出ているIT系のガジェットは気になります。市販品であれば実際に購入してみることもできますが、そうでない場合は体験会などで試すしかありません。そんな時にいつも思うのは、「時間や利用できるシーンが限定的なイベントの場じゃなくて、普段の生活で使ってみたらどんな感じかを知りたいんだよなあ」ということ。 そんな中、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」にて、渋谷Well-beingラボの実験チームの一員として、日本未発売のLenovo

      • 驚くほど楽しい!日本の文化コンボ〜発酵茶事やってみた その2

        今回はなによりまず、先月(2023年7月)に発売されたばかりのこちらの書籍をご紹介させてください。 『オッス!食国(おすくに) 美味しいにっぽん』 可愛らしい装丁(実は彼もれっきとした神様なのですが)のように親しみある読みやすい文章ながら、扱っている内容の骨太なこと!目から鱗のような内容がありつつも、そのどれもについて日本人として長年この地で色々と食してきたこの身が「めちゃくちゃ本質に刺さってるなー」と感じてしまう。 もうこれは日本にゆかりがあって食いしん坊を自認する人は全

        • "発酵"をテーマに茶事をやってみた

          先日、一風変わった試みとして「発酵」をテーマにして茶事(ちゃじ)という4時間のフルコースもてなしをやってみました。 なかなかにご好評も頂けたので、自身の記録も兼ねてまとめておきます。 ※茶の湯を学び始めて4年ばかりの若輩者ですので、説明や内容に色々と未熟な点などもあるかと思いますが、どうぞご笑納ください。 茶事(ちゃじ)とは?茶の湯における正式なもてなしの場で、お菓子とお茶だけでなく料理(懐石)やお酒まで出ます。炭を直したりといった小イベントも挟みつつの4時間コース!亭主

        福岡伸一先生ファンが、「世界は分けてもわからない」をテーマに茶事をやってみた。

        マガジン

        • WE Run | Write, Eat, Run
          267本
        • 茶の湯
          3本
        • 脳、意識
          2本
        • エンジニア
          1本
        • AR/VR
          3本
        • PLANETS
          1本

        記事

          茶の湯してるうちに「行雲流水」の意味が5重くらいに見えてきた話

           「行雲流水(こううんりゅうすい)」という言葉があります。四字熟語や禅語として使われていますが、試しにググってみたら色々なお店や商品の名前になってたりもして驚きました。それだけこの言葉を好んでいる人がいらっしゃるのかなと思います。  僕の場合、中学生の頃に漫画のキャラクターからの影響でこの言葉が好きになり、それから30年以上、僕の中での「行雲流水」の意味やイメージはまさにそのキャラそのものでした。  が、茶の湯を数年前に始めてからその言葉が示す意味合いが自分の中でどんどんと

          茶の湯してるうちに「行雲流水」の意味が5重くらいに見えてきた話

          インタビュー企画:俳人の眼から見つめなおす「日本の風土」の今までとこれから

          夏井いつき著 『絶滅寸前季語辞典』 を拝読して、この方にお話を伺ってみたいなと感じた。以下、その趣旨をご本人へのインタビュー企画書の形で妄想的にまとめてみたものである。 -------<インタビュー企画書:ここから>----------- 夏井いつき様 はじめまして、野中健吾と申します。 本業はエンジニアを20年ほどしておりますが、近年学んでいる茶の湯で感じていることなどもあわせ、思うままにnoteで記事を書きつづっております。この度、ご著書である『絶滅寸前季語辞典』を拝

          インタビュー企画:俳人の眼から見つめなおす「日本の風土」の今までとこれから

          街中のマジックアワーラン~天地と人を彩るひと時

           いつもより(かなり)早めに起き、日の出30分ほど前からスニーカーを履き外に出る。渋谷の街はまだ薄暗いが、見上げると雲の筋が何本か流れる快晴だ。少し経つと、Facebookのイベントページに続々と各地の様子が上がってくる。幸いどこの天気も良さそうで、オンラインイベント「マジックアワーラン」には絶好の空模様である。  「マジックアワー」とは、日の出や日没前の空が色鮮やかに変化していく20-30分ほどの時間帯のこと。ランニングしながらそれを楽しむのが今回のイベントの趣旨だ。この

          街中のマジックアワーラン~天地と人を彩るひと時

          映画コラム:パリに通天閣を逆輸入した男、フィリップ・ラショー

           昔から漫画・ゲーム・アニメ・映画といったエンタメコンテンツは好きで、気ままに消費している。その際の個人的な鬼門が「日本発コンテンツの海外版実写化映画」であり、コレジャナイ感にガッカリすることが多かった。そういった時、やはり文化の違いやそれに培われた感覚的な壁というものは大きく、簡単には越えられないものなのだなと感じてしまう。  しかし、その壁を痛快に吹き飛ばしてくれたのが、今回紹介するフランス映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019年)

          映画コラム:パリに通天閣を逆輸入した男、フィリップ・ラショー

          着物を普段着にして1年が過ぎた。

           2020年10月頃、書籍『女装して、一年間暮らしてみました』(クリスチャン=ザイデル著)を読んだ。妻もいる男性が自分の意志で女装や女性としての生活を始め、自分が変わり・周囲が変わり・関係性のとらえ方も変わっていった、という内容が興味深く、自分も試してみたくなった。だが、さすがに同じことをするのは色々と手間やハードルが高すぎるので、和装をしてみることにした。そして「人生で初めて、普段着を着物で過ごした1年」である2021年を終えて、和装の開始から今の想いまでをまとめておこうと

          着物を普段着にして1年が過ぎた。

          君は「フバーハ」を感じたことはあるか?~『モノノメ』フロナカ書店 訪問記

           宇野常寛さんがこの9月に新創刊した雑誌『モノノメ』は日常の面から多様な視点を与えてくれ、読み返すたびに洞察や刺激をもらっている。この雑誌、Amazonや大手書店には置かれていないため、オンラインショップで購入するか限られた書店へ訪れるしかない。「どこで売ってるの?」と聞かれることもあるのでオンラインショップページにある販売書店リストをチェックしていると、新着NEWが付いた「西小山東京浴場 フロナカ書店」というお店を見つけた。どうやら文字通り風呂(銭湯)の中にある書店のようだ

          君は「フバーハ」を感じたことはあるか?~『モノノメ』フロナカ書店 訪問記

          草むしりはそこそこ、いや、かなり楽しい。

           ここ半年ほどハマっていることがある。それは「草むしり」だ。地面に生えた、いわゆる雑草と呼ばれるものを抜いていくアレである。普段の活動の中で定期的に草むしりをする機会があり、やっていくうちにすっかり楽しくなってきてしまった。  その機会の1つは茶室の庭(露地:ろじ)の手入れである。茶の湯をご指導頂いている先生のお宅で、稽古や茶会に伺うたびに掃除の一環で草むしりをしている。もう1つは畑仕事だ。有志で集まって郊外の畑に季節ごとの作物を植え、週末に時間のある人が様子を見に行くという

          草むしりはそこそこ、いや、かなり楽しい。

          【新雑誌『モノノメ』より】[特別企画]虫の眼、鳥の眼、猫の眼──人間外から都市を読む

           宇野常寛さんが新創刊された雑誌『モノノメ』。  発刊前に宇野さんが書かれたnote「あたらしい雑誌を(かなり変わったやり方で)出すことにしました 」の見出しを並べてみるだけでも興味深い。 ・タイムラインの潮目を読まない発信の中心地をつくりたい ・Amazonにも大手チェーン店にも置かない/でも5000部を売り切る挑戦 ・たくさんのものが「芽吹いていく」場に  実際に拝読すると多様なジャンルの記事が載っていて飽きさせないが、どれも斬新で深い視点がありつつも身の丈で感じて

          【新雑誌『モノノメ』より】[特別企画]虫の眼、鳥の眼、猫の眼──人間外から都市を読む

          メディアとは何なのか?に気づいた熱い夜のできごと

           仕事を終え、急ぎ有楽町へ向かう。最寄駅から山手線へ乗り込むと同時にスマホに挿したイヤホンを耳へ装着した。毎週火曜に拝聴している動画コンテンツ、「遅いインターネット会議」が始まる時間だ。  これは宇野常寛さんが主宰するオンラインサロンPLANETS CLUBのコンテンツで、宇野さんが司会進行役を務めるトークセッションだ。宇野さんが毎回冒頭に述べる「政治からサブカルチャーまで、そしてビジネスからアートまで様々な分野の講師の方をお招きしてお送りしております。」という言葉の通り、

          メディアとは何なのか?に気づいた熱い夜のできごと

          アラビアのロレンス~最後まで「自分の現実」と出会えなかった男

           映画『アラビアのロレンス』を観た。制作は1962年。 3.5時間超の長編映画自体が初めての経験だったが、これは今のSNS時代に再評価されるべき作品だと感じた。  あらすじはこうだ。第一次世界大戦の頃、学問の道を歩いてきたロレンスは考古学調査を通じ得た中東地域の地理とアラビア語の知識を買われ、母国イギリスの将校としてカイロで軍事地図作成をしていた。当時イギリスはオスマン帝国(現在のトルコ)と敵対しており、オスマン帝国が支配していたアラビアの抵抗勢力の支援をしていた。新たにそ

          アラビアのロレンス~最後まで「自分の現実」と出会えなかった男

          「生活用品オール付喪神(つくもがみ)化計画」と「世界カスタマイズフィルター」 #XR創作大賞

           ふとしたことで XR創作大賞 という、XR(VR=Virtual RealityやAR=Augmented Reality:拡張現実、といった技術の総称)の未来像の提案が募集されていることを知りました。 ●作品の完成度は問わず、XRのミライが見えるもの ・ラフ、ネームやプロットレベルのものでも、XRのミライが把握できればOK ・「辛い現実から逃れるXR」はお腹いっぱいなので対象外  僕自身、20年近くゲームエンジニアとして働いてきた中で、VRやAR案件に携わったことも何

          「生活用品オール付喪神(つくもがみ)化計画」と「世界カスタマイズフィルター」 #XR創作大賞

          僕は「髪型」を無くしたい~インタビュー:代官山 美容室cheriオーナー三宅氏

           美容師歴31年の三宅正哲さんがオーナー美容師を務める代官山「cheri」は、筆者がいつもヘアカットでお世話になっているお店です。自宅へ招くつもりで三宅さんが全体をデザインされたという店内は、本来美容室では(髪の毛がつくため)タブーである絨毯が木目調の床に敷かれています。低いソファに身を預け、センスと身近さを感じるインテリアに囲まれながらカットを待っている間に、自然と心が落ち着く空間です。そして三宅さんとお喋りをしつつカットをして頂くと、心身そのものが改めて自分にフィットした

          僕は「髪型」を無くしたい~インタビュー:代官山 美容室cheriオーナー三宅氏