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街中のマジックアワーラン~天地と人を彩るひと時

野中健吾

 いつもより(かなり)早めに起き、日の出30分ほど前からスニーカーを履き外に出る。渋谷の街はまだ薄暗いが、見上げると雲の筋が何本か流れる快晴だ。少し経つと、Facebookのイベントページに続々と各地の様子が上がってくる。幸いどこの天気も良さそうで、オンラインイベント「マジックアワーラン」には絶好の空模様である。

 「マジックアワー」とは、日の出や日没前の空が色鮮やかに変化していく20-30分ほどの時間帯のこと。ランニングしながらそれを楽しむのが今回のイベントの趣旨だ。このイベントの参加者は同じ場所に集まって走るわけではない。各地でそれぞれ個人が早朝のマジックアワーに走った際の写真や感想を持ち寄って、Facebookイベントへの投稿やランニング後に集まるzoomで共有するのだ。
 
 実は、マジックアワーのために早起きするは初めてでは無い。以前、ちょっとモヤモヤした気持ちが続いていた時期に、ほぼ毎朝「マジックアワーからの日の出を眺める」のにハマっていた。今はおかげさまで心身ともに健康だが、体重が少々増えてきたこともあって身体を動かそうと参加してみた。
 まずはお気に入りスポットである西郷山公園へ向かう。ここは渋谷駅から徒歩20分ほど西側にあり、渋谷の「谷」を上がったあたりになる。公園内で景色が開けているのは南から西なので、夕方はともかく朝のマジックアワーには今一つだが、公園前の道路から東を向くと比較的楽しめる。

西郷山公園より


公園前の道路より

 久々ではあるが、やはり早朝に動く清々しさというのは変わらない。それに浸りながらしばし空を眺め、谷を降りて街の中心部へ向かう。谷が深まるのと反比例するようにビルが空へ伸び、数も増えていく。特にこちらからは東側になる駅前はビル群が立ち並び、日の出の太陽どころかその周辺で美しく染まる空も見えにくい。

右手のメカニカルな建物は青山製図専門学校さん

 

 そのうちに日の出を迎えると空のグラデーションは消えていくが、日が差すことで「鑑賞ポイントを探す」楽しみが生じる。空よりまず地面を見ると、ビルの隙間からわずかに、そのタイミングにだけ太陽の光が通って明るくなったポイントがある。そこへ駆け寄って東を振り向くと、そこには切り取られた、しかしその時その地点でしか味わえない一期一会的な日の出(そしてわずかに残るマジックアワーの彩り)がある。そういったポイントを街中で拾い上げていくのだ。これがまた自前のポケモンGO的なゲーム感があり、なかなか楽しい。

 そして完全に日が出る頃、始発電車と共に街が動き始める。飲み明かして路上で騒いでいる人、お店の開店準備をする人、そそくさと駅へ向かう人、色々な人間模様が一気に入り乱れていく。それはまるで街と人のマジックアワーだ。空から降りてきた変化のグラデーションが、今度は街を染め上げていくような時間帯である。
 日の出から30分もすると、渋谷駅前の道玄坂にも日が差し始める。徐々に行き交う人が増えて賑わいが増していく中、普段の喧騒に溶け込んでいくように街のマジックアワーも終わりを告げる。そして、魔法のような時間が終わった残念さと、そして日常に戻った安心感とを抱えながら帰路につく。

道玄坂よりスクランブル交差点を望む

 久しぶりにマジックアワーを満喫したがやはり楽しい。今後も折に触れてやろうと思う。季節ごとの彩りの変化を感じていくのも良いかもしれない。


 最後になるが、今回は初のノルディックウォーキングをやってみた日でもある。さもランニングしていたかのように書いてきたが、実はずっとノルディックポールを両手に歩いていたのである。

 僕もにわかのため偉そうに言えないが、ノルディックウォーキングのフォームはほぼ「ただのウォーキング」だ。しかし、姿勢の安定度や地面をポールで「軽く蹴り出す」ような動作により、速度も運動量も1.5倍ほどブーストされたような感じで無理なく運動ができる。実際にやって興味もでてきたので、こちらについてはもう少しやってみたうえでまた別途書こうと思う。

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野中健吾

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野中健吾
ワインとアートと茶道が好きなエンジニアです。 自分の考えたことや日々の中で良いなと思ったことなどを、備忘録的に綴っていこうかなと思います。