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雨上がりまでふたりぼっち
午前10時の無人駅で
来ない電車を待っていた
君はひとりで待っていた
雨が止むのを待っていた
屋根の雫のリズムもそこそこに
君の涙は見えないけど
持っていた傘を差し出した
濡れたまんまじゃ風邪をひくからさ
君が心配するほど世界は良くないし
期待するほど悪くもない
もう一回等身大のままで
深く息を吸い込んで
藍寄りの灰色した高架下
自分の気持ちだけを透過した
言葉はいらない なんてことはない
ある花のあとに傘ひとつ
なんでこんなに晴れちゃったかな
結局パノラマ大快晴
今週いっぱい雨降り続きの
予報は手のひら大回転
君がいなくて広くなった家も
これで見納めだからって
清々するさと強がる言葉も
出やしないけど
悲しい時に雨が降って
嬉しい時に晴れ渡って
ドラマみたいにはいかないし
終わりなんかないよ
今日の天気は生憎の晴れ
リュックに収まる思い出抱え
雨が降ったら延期だって
日和る私を見透かして
今日の天
スイングバイ、それから、
信号機が赤から青に変わるまでの数瞬間
思い返せば今まで色んなことがあった
出会って、別れて、また出会って繰り返す
季節はいつの間にか夏から冬になっていた
信号機が赤から青に変わるまでの数瞬間
思い出せずとも残る足跡にいとまは無いが
触れて、離れて、遠回りしたサテライト
季節はまだまだ半周未満をゆっくり周回中
適当に繋いだプロトコル
不慣れなステップで二人踊る
間違う度に少し戻る
付かず離れずの
エンディングプロトコル
旅の端っこを探している
明日のない今日を探している
積み上がる昨日は置いていく
おもいだけの荷物も置いていく
繋がる度に増える傷も痛みも
私の輪郭線だって言うなら
溶かして薄めてこの指も声さえも
夏の彼方に
全部放り出して 今すぐ終わらせて
傾いた日の陰ででも眠らせて
私を忘れてよ 君のことも忘れるから
入道雲ばかりが眩しい
そんな顔しないでよ
例えば誰かのいたずらで
ボタンの掛け違いみたい