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せめて幸よ多くあれ

本日は晴天なり ミミズも焦げるほど
積乱雲が見下ろす町の方々で鐘が鳴る
暗いところから来て暗いところへ帰るなら
君たちの道行きにせめて幸よ多くあれ

昨晩声を交わした友達のドックタグを
今日拾って帰るなんてよくある話だ
ありきたりを泣いて当然を愛せる無邪気な
君たちの道行きにせめて幸よ多くあれ

人を殺した夜の、星がよく見えるのはなぜ

商店街をくぐり 長いながい坂道を登って
遠くに見える光に名前なんか付けてさ
眠い目をこすって 硬く冷たい銃を握る
君たちの道行きにせめて幸よ多くあれ

人生って何だろうな
答えなどないと分かっていた
分かっていて悩む振りをするのは
そうでなきゃ朝が来ないから
運命って何だろうな
悩むために悩みを作った
書きさしの答案のゴミ山の
上に僕たちの今日がある

人を殺した夜の、星がよく見えるのはなぜ

線路沿いを歩き このまま手をずっと繋いで
そんな夢物語を書いては消してさ
眠い目をこすって 硬く冷たい銃を握る
君たちの道行きにせめて幸よ多くあれ

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