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趣味が読書なので、勉強になった本、感動した本、元気をいただいた本の感想を中心に投稿して…

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趣味が読書なので、勉強になった本、感動した本、元気をいただいた本の感想を中心に投稿していこうと思います。ビジネス、文学作品が半々。よろしくお願いします。北海道在住。

最近の記事

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紙媒体の贈り物。

紙媒体のものが何でも高くなってきたと感じる中で、買った書籍に挟まっている読者アンケートを必ず書いて送っていました。QRコード経由でアンケートに答える形式も含めて、とにかくアンケートに感想を書いて送ってました。こうやってnoteさんで情報発信する以前から、本を読んだらアウトプットする必要は感じていたし、個人的に読書日記をつけるのも何冊かやってみたけれど、自己完結になってしまい、ちょっと違うかなと感じてました。ブログ記事で感想を書くのも、ほんの少し前まで「発信する勇気」がなかった

    • 大江健三郎さん「静かな生活」を読み始める。

      この4月から昨年亡くなったノーベル賞作家大江健三郎さんの作品を読む機会が増えました。先週「静かな生活」を読み始めました。 短編集の最初、第一話の「静かな生活」になります。なぜか出張移動が長い時は、大江さんの作品を携行することが多いです。「新しい人よ眼ざめよ」が父親が語り部であるのに対し、この「静かな生活」は、女子大生である妹の視点で描かれています。 文体の明らかな違いが感じられます。父親が語り手の「新しい人よ眼ざめよ」は、哲学的、考察的な表現が多いですが、若い妹が語り手で

      • 前野隆司先生「幸せのメカニズム」のこと。

        読書が好きな私でも、さすがに本を手にすることが出来ない時もあります。ですので、過去の読書履歴のことを書きます。 ちょうど一年ぐらい前に、「ウェルビーイング」という言葉を知り、前野隆司先生の「幸せのメカニズム」という本を読みました。幸せというものを突き詰めて考えていくと、4つの因子に分類されるのだそうです。 4つの因子のうち、私にとって、一番必要なのは、「やってみよう」因子だなと、こちらの本を読んだ直後に思いました。今でもそう思っています。年齢を重ねるにつれ、なかなか自己実

        • 今週のラジオ英会話で思い出した「コンテナ物語」

          5月に入ってからもNHKのラジオ英会話はなんとか続けています。どうしても聞けない時はありますが、再放送を使って何とか30回まで来ました。少し惰性になっている気もしますし、今聞いているラジオ英会話よりも、中高生向けぐらいのレベルが丁度いいのではないかとか思いつつ、やっています。 旅行で不自由しないようにとか、Instagramで興味ある分野の発信をきちんと受け取れるように、あまりハードルを上げすぎず、やっていこうと思っていますが、学生時代と違ってテスト、試験的なものがないので

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        紙媒体の贈り物。

          桜木紫乃さん「砂上」冒頭を思い出す

          1ヶ月半ほど情報発信を続けてみて、ある小説の中での一節といいますか、会話のやり取りを思い出しています。北海道出身の女流作家さんのことを立て続けに書いてきたせいかもしれませんが、桜木紫乃さんの「砂上」の中で、主人公が初めて会った編集者に、主体性のない文章だと指摘されるシーンです。その一連の会話が記憶に残っています。 そこから、表題の小説の中では、主人公の自分自身を知るという一つの旅が始まり、そして、周りの現実もどんどん変わっていくストーリーだったと記憶しています。最後は自分の

          桜木紫乃さん「砂上」冒頭を思い出す

          DIE WITH ZEROを読み始める。

          前から気になっていたビル•パーキンス氏の「DIE WITH ZERO」を読み始めました。映画シリーズ007のタイトルにありそうだなと、書店で平積みされているのを見かけて、素通りしてきたのですが、noteで読書感想の記事を見かけて、急に興味が湧いてきて読んでみたくなり、買ってきました。昨夜から読んでいます。 お金よりも今しかできない経験に投資することの大切さを説いています。具体的なお金の運用ではなく、お金に関する哲学、向き合い方について書かれています。金融投資よりも自己投資が

          DIE WITH ZEROを読み始める。

          ラストが迫る「しろがねの葉」

          千早茜さん「しろがねの葉」の後半(かなりラストに近い)を読んでます。石見銀山という西日本で、戦国時代を舞台にした作品を書かれた千早茜さんが北海道のご出身だということに不思議な縁みたいなものを感じます。北海道もまた明治時代以降、たくさんの産炭地を抱えたエリアだからです。鉱山で働く男性が短命ゆえに、「女性が一生のうち、三人夫を持つ」という史実も強烈ではありますが、かつて鉱物資源が採掘されてきた歴史を持つ北海道でもそれに近い出来事があったのではなかろうか?そんなことを思いました。最

          ラストが迫る「しろがねの葉」

          平野啓一郎さん「本の読み方」をre-reading

          地元で隔月開催されている読書会に参加していますが、他の参加者の方に比べて、読み方が浅いっていつも感じさせられます。本の解釈は人それぞれとはいえ、お互いの感想を取り交わす中で、明らかに読み間違ったかな…とか感じることもあります。そのあたりの自信のなさが文芸作品系感想記事を書く時に、迷走したりする(自分で読み返してそう感じられる)原因なのかと思っています。 既に優れた読書感想ブログがたくさん存在しているため、個性的、属人的な感想を書こうとしすぎていたのかもしれません。 そんな

          平野啓一郎さん「本の読み方」をre-reading

          「しろがねの葉」後半へ

          千早茜さんの直木賞受賞作「しろがねの葉」を読んでいます。ビジネス書関連は、わりと一気に読んでしまうことが多いのですが、小説、文芸作品は、わりとスローに読むことが多いです。 戦国時代末期の石見銀山が舞台の小説で、鉱脈を探り当てる才がある山師喜兵衛と、少女ウメとの関係を主軸に、ストーリーが進んでいきます。私は「喜兵衛」という人物にフォーカスしています。戦国末期という中、「利にならない」人間が見捨てられる世の中にあって、財力ある喜兵衛が、不思議とそういった末端の人間であったり、受

          「しろがねの葉」後半へ

          母の日のケン・リュウさん「紙の動物園」

          私がまだシンクロニシティ(意味ある偶然性)という言葉も知らない7、8年前の話です。その日も5月の母の日でした。たまたま地元書店で購入して積読していたケン•リュウさんというプログラマー出身のアメリカの作家さんが書いた短編小説集「紙の動物園」(The Paper Menagerie)を寝る前に読みました。「母の日」だから狙って読んだわけでは決してなかったので、その内容に驚かされましたし、初読のとき、目頭が少し熱くなった記憶があります。 なぜこの作品を思い出したかといいますと、先

          母の日のケン・リュウさん「紙の動物園」

          ジャンルごとに異なる読書感想のこと

          読書感想、本、発信を切り口に書きつづっている私のnote発信ですが、自己啓発、ビジネス書系の読書感想記事と、文芸作品系の読書感想記事に大きく分けられます。自分の好きな文芸作品の感想記事の方が思い入れがあり、楽しく書けるかと思いきや、なかなか上手く書けなかったりしますし、読んで下さった皆さんからの「スキ」の数、閲覧数でも、文芸作品系よりも、自己啓発、ビジネス書系の方が多いのが、ここまでの私なりの分析結果です。客観的なデータもそうですが、文芸作品系は抽象的な感想、個人的、属人的な

          ジャンルごとに異なる読書感想のこと

          加納敏彦さん「ゼロから稼げるChat GPT入門」の感想。

          文芸書、自己啓発書の読書記事が多い私ですが、AIについて学んでみたい気持ちもあって、今回加納敏彦さんの「ゼロから稼げるChat GTP入門」を手にしました。非常に分かりやすかったし、人工知能の「じ」もわからない私にも、活用によって、その先にどんな世界、未来が広がっているのか、ワクワクさせてくれた本でした。 AIが仕事を奪う…そんな漠然とした不安、怖さを私もまた感じていた私にとって、決してそうではなくて、自分の弱みを取り除き、自分の強みや興味ある分野に集中していくために、AI

          加納敏彦さん「ゼロから稼げるChat GPT入門」の感想。

          「小さいことにくよくよするな!」を読み終えて

          リチャード・カールソン氏のロングセラー「小さいことにくよくよするな!」を最後まで読みおえました。 どのページも当たり前のようだけれど忘れがちなメッセージばかりでしたが、私にとって一番印象に残ったのは「知らない方がいいこともある」の中の、「そうかもしれない、そうじゃないかもしれない」という言葉です。この節だけは物語調になっていて、一見不幸に見える出来事も、必ずしもそうではない方向に向かう可能性があると教えてくれてます。悲観的にも楽観的にも決めつけないように、決めつけている時は

          「小さいことにくよくよするな!」を読み終えて

          河﨑秋子さん「ともぐい」のこと。

          今私が読んでいる「しろがねの葉」という作品も、直木賞受賞作ですが、直近の直木賞受賞作である河﨑秋子さんの「ともぐい」(数ヶ月前に読んだ)は熊と人間のせめぎ合いを描いた作品です。一人の野生に近い生活を送ってきた一人の男を通じて、野生の本能剥き出しのクマと俗世にまみれ変転する人間と、はたしてどちらが本当に怖い存在か?ということを考えさせられた作品でした。 また、呼吸や眼球の生々しく感じられる描写が随所にでてきたのが、とても印象的でした。 北海道では春から初夏にかけて、ヒグマに

          河﨑秋子さん「ともぐい」のこと。

          「ドッグスレッド」(第二巻)の中の震災

          今まで一番閲覧されている記事は何かチェックしたところ、意外にもアイスホッケーを題材にした「ドッグスレッド」「スピナマラダ!」の感想が一番でした。私はアイスホッケー体験者でもなんでもないただの素人で、読書日記的なブログの例外的な位置付けの記事だったので意外でした。 ドッグスレッド第二巻では、フィギュアスケート選手であったロウ君が、高校入学を機にいよいよ本格的にアイスホッケーに取り組む姿が描かれています。熱血的な指導をする二瓶コーチが出てきたり、源間兄弟など個性的なチームメイト

          「ドッグスレッド」(第二巻)の中の震災

          千早茜さん「しろがねの葉」を読み始める

          連休を利用して遠方からの来客があったり、長い冬が終わって遠出してみたりした関係で、昨日はこれまで1ヶ月以上継続してきた発信がストップしそうになりましたが、リラックスしてまた読書を切り口に、発信を続けていきます。 今月読んだ宇佐美りんさんの「推し、燃ゆ」の読後感が鮮烈だったので、他の芥川賞、直木賞受賞作品で、未読の作品を読んで行こうと思い、千早茜さんの「しろがねの葉」を読み始めました。第168回直木賞受賞作品で、地元の読書会で参加出来なかった時の課題図書でもあります。 戦国

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