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「しろがねの葉」後半へ

千早茜さんの直木賞受賞作「しろがねの葉」を読んでいます。ビジネス書関連は、わりと一気に読んでしまうことが多いのですが、小説、文芸作品は、わりとスローに読むことが多いです。

戦国時代末期の石見銀山が舞台の小説で、鉱脈を探り当てる才がある山師喜兵衛と、少女ウメとの関係を主軸に、ストーリーが進んでいきます。私は「喜兵衛」という人物にフォーカスしています。戦国末期という中、「利にならない」人間が見捨てられる世の中にあって、財力ある喜兵衛が、不思議とそういった末端の人間であったり、受け入れ難いであろう人間をさりげなく救済している姿に、作者が何を伝えたいのか、そこに興味があります。

語り手はあくまで少女ウメですが、真の主人公は「喜兵衛」ではないのか、そんな気がしています。

戦国の世が終わりを迎え、時代の変わり目を迎えつつある中、バリバリ働いてきた「中高年男性の危機」みたいなものが、描かれていて(戦国時代なら殺されて終わりな気もしますが)、舞台設定は戦国末期でありながら、急速な時代変化に直面した現代性、同時代性が感じられる気がしてならないのです。

もう一つは、作品の半ば、「ここでは女は三人夫を持つ」という言葉がでてきて、ハッとさせられました。ウメにとって三人の男性(一人は喜兵衛だと思う)は誰に当たるのか、それを考えながら後半部分、読み進めていこうと思います。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。



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