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福祉って本当にこれでいいの? ~「自立や成長」「知識や技術」だけが支援なのか
自分を見つめ直すことが、より良い福祉を実践する第一歩になる
福祉の仕事をする上で、ほんとうに大切なものってなんだろう?
知識、技術、利用者とのあたたかな気持ちのやりとり……。
「いい支援とは何か」を福祉業界で10年以上問い続けてきた著者が見出した、ひとつの答えとは。
「たくさんの方に支えられ、いろいろなことを学びとって、なんとか今日までやってきた、そんな私が福祉を志すあなたに何かできること
「まえがき」 「いい支援」のために勉強は必要か?
「障害について考える」目次
https://note.mu/welfare/n/nd2adea37a86e
福祉って、本当に知識が必要なものなのだろうか。
いろいろな人と福祉や知的に障害のある人の話をすると
「資格がないと関われないのではないか」とか
「勉強しないと分からない」とか言われたりする。
多くの人が障害のある人と関わっていくには
「福祉の知識」が必要で、難しいと感じているようだった
一章:福祉に出会う 1:福祉のきっかけ
まえがき
https://note.mu/welfare/n/n8a44a921a426
あなたは、どのような理由から「福祉」を志したのだろう。
私の場合は「学問として面白そう」という理由からだった。
やっとの思いで大学生になった私は、
将来やりたいこともなかったのだけれど、
とりあえず何か見つかるだろうと思って勉強ばかりしていた。
目的もなく勉強するというより、
ただ、したい勉強を思いっき
2 学童:教科書通りにはいかない
一章 児童の世界
1:福祉のきっかけ
https://note.mu/welfare/n/n9cb060be39c3
そうして福祉を本格的に学びはじめ、
講義が増えていく中で、
母親からアルバイトとして学童を紹介された。
特段子どもが好きというわけではないし、
将来的に児童関係の仕事をするというイメージもなかったけれど、
自分も
「福祉を勉強していることだし、
学童で働いてみることで、何か
3 つまずき:怒ると叱るは違う
2 学童:教科書通りにはいかない
https://note.mu/welfare/n/n1ab915239269
そのアルバイト先の学童で、とりわけ信頼を寄せてくれた子がいた。
その子をAくんとすると、
Aくんはほかの友達と関わろうとしない子だった。
多くの子がみんなの中で遊んでいくさなか、
彼は一人でぽつんとほかの子の遊びを眺めていた。
Aくんを見たとき、「本当は友達と遊びたいのかもしれ
4 過去回想:支援の歪みは成育歴から
3 つまずき:怒ると叱るは違う
https://note.mu/welfare/n/n016ae8da529f
親から怒られてきた、その口調が嫌だったことはさきほど述べたけれど、
ここではもう少し詳しく掘り下げて、私の成育歴的の話をしたい。
正直自分の過去はあまり思い出したくない部分もあるのだけれど、
この時期なくして今の自分はないので、
受け入れるつもりで、書いてみようと思う。
私の家族
5 進路選択:就職先に学童を選ぶ
4 過去回想:支援の歪みは成育歴からhttps://note.mu/welfare/n/n0bebff4c9d0a
大学卒業後は学童の指導員になりたいと思ったものの、
周りの教員や親たちは反対した。
「学童では(給料の面で)食べていけない」
「大学に入ってまで、学童に行くのか」
「学童なんて誰でもできる」
そのような言葉を浴びながら、しかしアルバイト経験から、
「本当にそうなのだろうか」と疑
6 研修:子供の権利
5 進路選択:就職先に学童を選ぶ
https://note.com/welfare/n/n64c622dca7ed
学童での仕事を通じて、
気づけば私は十年後を見据えていた。
「これから先、
私たちが支援した子どもはどのような大人になっていくだろう」とか、
「今、自分に何が伝えられるだろう」とか、
「どのような関わり方が必要だろう」とか。
そいうことを考えてばかりいた。
私が関わる子どもた
二章 児童福祉から障害福祉へ 1 再始動:学生時代の問題意識を抱えて
6 研修:子供の権利
https://note.mu/welfare/n/n5f66c1e574c5
二章 児童福祉から障害福祉へ
1 再始動:学生時代の問題意識を抱えて
障害者と聞いてあなたならどのような印象を持つだろうか
私の場合は率直に言うと
「何をするか分からない人」
「何を考えてるか分からない怖い人」
「考えることが苦手な人」
という印象で、否定的に見ていた。
それでも、
私は
2 知的に障害があることを踏まえて
1 再始動:学生時代の問題意識を抱えてhttps://note.mu/welfare/n/n4d90d9bc54ad
障害を知るということはどういうことなのだろう。
何度も伝えたことを忘れてしまう利用者に対して、
私は「これが一体いつまで続くのか」
と途方に暮れるような気持ちになることもあった。
その過程で「障害とは何であるのか」
というのを地道に考えて試行錯誤をしてきた。
障害者を否定的
ⅰ 家出をする
二章:障害の世界 1:福祉の横断
https://note.mu/welfare/n/n4d90d9bc54ad
問題行動。その背景。心の動き。
それはどれほど関わろうとも簡単に変わるものではなかった。
自分の支援を責めても何もならないし、利用者を叱責しても、意味がない。どのように生活環境を設定して(枠を作る、という言い方をする)
その行いの重さを伝えていくのか。
知的に障害がある以上、
利用
ⅱ 買い物をする
ⅰ 家出をする
https://note.mu/welfare/n/nbc1fdb793c04
知的に障害があるとしても、彼らは成長する。
いろいろな人と話していて、障害とは成長しない、
というイメージを多くの人が持っているように感じて、
「障害」について改めて考えたい。
たとえば年齢が四十歳。
三桁の足し算ができない。
とする。
ここでは、三桁の計算を学ぶのは、小学三年生くらいだと仮定す
3 「自立」と「幸せ」
ⅱ 買い物をする
https://note.mu/welfare/n/n8f30808df26d
支援者が利用者を支援しようとしたとき、
どうすれば今の生活がよりよくなるかを考える。
あるいは、
どうすれば状態をなるべく維持できるかを考える。
過度に支援に取り組むあまりに、
その努力が悪影響を生んでしまうことがある。
たとえばこのような場合を考えてみる。
利用者に熱い想いを持って入社した
4 「ただの他人」から支援は始まる
3 「自立」と「幸せ」
https://note.mu/welfare/n/nf34737ddd9a6
人が成長していくプロセスには、他者への信頼が土台にある。
その土台を愛着と言い、すべての人間関係の基礎になっている。
生まれてから誰かと結婚するまでをおおまかに追うとこのようになる。
生まれたばかりの新生児は親に依存するしかない。
必要なのは自分が泣いたときに傍にいてくれる存在であり、