路地裏文化会館 C/NE

学芸大学にある路地裏の文化会館C/NE(シーネ)、館長が綴る雑文集です。主に映画や食を…

路地裏文化会館 C/NE

学芸大学にある路地裏の文化会館C/NE(シーネ)、館長が綴る雑文集です。主に映画や食を中心に、様々なトピックスを横断的に書き散らかしていきます。コロナ終息したら、ぜひ一度遊びにいらして下さい。

最近の記事

さよなら2023年と、「まちはサービスじゃない」話。

今年もあっという間の1年でしたね〜。 せっかくの年末のエモーショナルな気分を無駄にしたくないので、意識高い系って揶揄されることを承知で、老体に鞭を売って、noteの記事作成画面と向き合うことにします。 もちろん、いろんなことがありましたが、今年のC/NEの活動を一言で無理やり振り返るとすれば、 「路地裏から、まちへと滲み出た1年。」 ということになります。 今年は、館内での活動に留まらず、企画のお手伝いをしている「学大高架下プロジェクト」の一環で、路地裏からまちへと

    • C/NE4周年に寄せて 、「アザーミュージックにみた場づくりの夢と切なさと心強さ」の話。

      はやいもので弊館も今年の2月で開館4周年を迎えました。 いつも遊びに来てくれる方、楽しい企画を持ち寄ってくれる方、プロジェクトの活動拠点に活用してくれる方、「ずっと気になっていて、いつか行きたいなとは思っていた!」方、みなに等しく感謝です。 開館当初は、場所の知名度もなかったわけで、毎週のように自分たちで企画を立て、ゲストをアサインしては、毎月のプログラムを組み立てておりましたが、最近は、ようやく自前の企画だけでなく、持ち込みイベントやレンタル利用もだいぶ増えてきて、少し

      • さよなら2022年、と縄文とワタシ。

        毎度のことではありますが、2022年も光速で過ぎ去っていきましたね〜。 C/NEも何とか2023年を迎えられそうです。皆様のおかげです。誠に感謝です。 まわりが続々「今年の振り返り」投稿をアップしているのをみて、慌てて、紅白を横目に観ながら、この文章を書き始めました。笑。どうかお許しください。 コロナの行動制限も落ち着いた4月以降は、それなりに文化会館も通常運転に戻り、個性爆発する料理人らのポップアップレストラン、大人の文化祭、名画の上映会、スポルカチョーネ、草カレー選

        • 路地裏の雑文集 vol.9 "東京"にだってローカルはきっとある。

          3回目ともなると、「緊急事態」もさすがに安売りバーゲンみたいになってきました。「緊急」がいよいよ言葉の意味を見失い、そりゃ路上飲みや越境飲み、闇酒場しかり、制御不能になることは容易に想像つきましたよね。 とはいえ、これが4回目、5回目と永続的に発令されると、いい加減気持ちが折れちゃいそうなので、今回が最後の「緊急事態」になることを祈るばかりです。 コロナ禍によって悪い影響も良い影響も清濁併せ飲むような毎日が続きますが、個人的に無理やりポジティブな面を挙げるとすれば、自分が

        さよなら2023年と、「まちはサービスじゃない」話。

          C/NE2周年に寄せて、 「口ずさむだけの歌」も大切にしたい話。

          休みの日に限ってではありますが、近所のコンビニまでコーヒーを買いに行くついでに新聞を買うという謎の習慣をずっと続けております。 もちろん基本的に情報収集はネットやSNSで事足りているのですが、新聞を買うと10回に1回ぐらいの確率で、自分の興味関心領域の外から飛び込んでくる素敵な記事や寄稿に偶然出くわすことがあり、それが快感で止められないのです。 で、先日アタリくじだったのが、どっかの新聞朝刊に掲載されていた元柔道選手で現オリンピック組織委員会の山口香さんのインタビュー記事

          C/NE2周年に寄せて、 「口ずさむだけの歌」も大切にしたい話。

          路地裏の雑文集 vol.8 レディバードは青春映画の幕の内弁当

          映画の未来を担うのは、きっとグレタガーウィグとノアバームバックだと勝手に思い込んでおりましたが、まさか2人が夫婦になるなんて。 ますます、挫折や寄り道を許容できないマッチョで直線的な世の中になっていく中で、この2人はいつも、本来は不器用で不完全な人間というものを優しく肯定してくれます。 というか、「マリッジストーリー」観ました?? 多くの場合、失敗と見做される離婚というテーマをポジティブに描き、新しい家族やパートナーシップの在り方を提示した名作ですので、あれは本当に必見

          路地裏の雑文集 vol.8 レディバードは青春映画の幕の内弁当

          路地裏の雑文集 vol.7 カーマインストリートギターが優しく奏でる人間讃歌。

          暑さにかまけて、noteの更新サボりまくってました。。 空前のコロナ禍で急遽こしらえた月並みな雑文集で、穴があったら入りたいレベルのクオリティですが、合計3人ぐらい、毎回読んで下さっている、奇跡のような、奇特な読者の方がいらっしゃるので、これは頑張って更新せねばと己を奮い立たせおります。 GO TOも除外され遠出は叶いませんが、休日は映画や本や美味しいお酒を摂取し至福な時間を過ごしておりました。皆さんに紹介したい、分かち合いたい、素敵な作品をたくさんストックできたので、厚

          路地裏の雑文集 vol.7 カーマインストリートギターが優しく奏でる人間讃歌。

          路地裏の雑文集 vol.6 無観客試合とオールドトラフォードの思い出。となぜかギターマガジン最新号の話。

          無類のフットボール好きを自認する身としては、コロナ禍による欧州フットボールの長期中断は、なかなかに堪えます。 そんな中、一足先に再開となったブンデスリーガの無観客試合の様子を映像で眺めていたら、失望とともに、ふと15年前ぐらいに訪れたマンチェスターユナイテッドのスタジアム「オールドトラフォード」での思い出がフラッシュバックしてきたので、今回はその辺りを頼りに書き散らかします。 他人に自慢できることは、つむじが3つあることぐらしか思い当たりませんが、フットボールが好きで、学

          路地裏の雑文集 vol.6 無観客試合とオールドトラフォードの思い出。となぜかギターマガジン最新号の話。

          路地裏の雑文集 vol.5 ビールと言葉の幸せな関係。

          ぼちぼち、緊急事態宣言が解除されるであろう6月以降の新たな日常に向けて、意識を切り替えてギアを上げていくタイミングですよね。 ただ、正直に白状しますと、ここ最近はちょっと脳が疲れておりました。 例のコロナ疲れか。 テレビやYahooやSNSやライブ配信やら、全方位のメディアから放流される無限のコロナ禍関連情報と、それにまつわるアフターコロナの世相占い。いわゆるインフォデミックな環境に若干辟易してきました。不安や焦りの裏返しだったのか、自分が依りかかりたい情報や言説を探し

          路地裏の雑文集 vol.5 ビールと言葉の幸せな関係。

          路地裏の雑文集 vol.4 ビートルズからデビッドボウイへ、弱虫少年が殻を破る映画の話。

          自由に外に出れない巣篭もり生活の中で、 改めて、映画の有り難さを噛み締める日々です。 映画好きでよかった。 映画は、もう、やっぱり、ほとんど旅だ。 物語という容れ物(春樹的にいえばヴィークル)に僕らを乗せて、古今東西の世界へ、縦横無尽に連れて行ってくれます。 最近の僕はといえば、駒沢は深沢のマンションの一室にいながら、 1920年代禁酒法時代のNYの動乱へ(『アンタッチャブル』)、悲しい歴史に翻弄され続けながらも歌うことを止めないキューバの老ミュージシャンの半生へ(『

          路地裏の雑文集 vol.4 ビートルズからデビッドボウイへ、弱虫少年が殻を破る映画の話。

          路地裏の雑文集 vol.3 クラフトジンの季節がやってきた。

          ネットやTVから洪水のように流れ出る感染症関連のネガティブなニュースとは裏腹に、新緑がのびのびと陽射しを浴びて、微かな風が颯爽と身体を横切る、最高に気持ちのよいシーズンがやってきてしまいました。 なのに、STAY HOME。 ここは、クラフトジンの出番です。 ベランダでも屋上でも、窓を全開にしたリビングでも。お気に入りのジンをトニックで割り、のんびりと音楽や読書に浸ってみてください。 ジュニパーベリーの清涼感にスパイスや果皮の華やかな香り、トニックの喉越し、カランカラ

          路地裏の雑文集 vol.3 クラフトジンの季節がやってきた。

          路地裏の雑文集 vol.2 橘川さんと、2020年言葉の旅(2020:A Word Odyssey)。

          先日インスタライブでお届けした橘川さんとの会話とそこで交わされた言葉の断片が、やっぱり染み入ったので今回はそれを書きます。 君は、橘川幸夫を知っているか ?まずは、改めて橘川さんの紹介を少しだけ。 (ご存知の方は、すっ飛ばしてください。館長の余計な自分語りも挿入されます。お急ぎの方は、後段へお進みください。) 橘川幸夫さん、御年70齢、職業は多岐にわたりすぎて分かりません(笑)。1972年に渋谷陽一さんらと、かの伝説の音楽雑誌「ロッキンオン」を創刊。1978年に全面投稿

          路地裏の雑文集 vol.2 橘川さんと、2020年言葉の旅(2020:A Word Odyssey)。

          路地裏の雑文集 vol.1 駒沢公園のランナーと映画 her 。

          目の前に差し迫った現実的な不安と、次なる時代への期待感で、相変わらず頭の中がぐちゃぐちゃなのですが、noteではワクワクしたい方の頭を頼って書き散らかしていきます。 まずは、ちょっと、取るに足らない話から失礼。 自宅が駒沢なので、いつも運動がてら歩いて駒沢公園を半周しつつ学芸大学まで通っているのですが、コロナ以降、刻々と様変わりする公園の景色を観察するのがひそかな日課となっております。 とりわけランナーの大発生には驚きましたね。 都内随一のランニングの聖地として目され

          路地裏の雑文集 vol.1 駒沢公園のランナーと映画 her 。

          路地裏の雑文集 vol.0

          緊急事態宣言をうけて、 C/NEのこれからの営業についてお伝えします。 具体的な営業&活動案内に加えて、この状況の中でぐるぐる生じた思いを取り止めもなく綴った雑文もくっついてきます。雑文パートはダラダラと長いわりに、大変おこがましく、エモーショナルな文になってしまったので、苦手な方はスルーしてください。 今後の営業と活動案内シーネ食堂(sync森カレー)について 店内が比較的広くお客さん同士の距離を保てること、窓を開放して換気が十分にできること、現状ほとんどのお客さんが

          路地裏の雑文集 vol.0