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路地裏の雑文集 vol.0

緊急事態宣言をうけて、
C/NEのこれからの営業についてお伝えします。

具体的な営業&活動案内に加えて、この状況の中でぐるぐる生じた思いを取り止めもなく綴った雑文もくっついてきます。雑文パートはダラダラと長いわりに、大変おこがましく、エモーショナルな文になってしまったので、苦手な方はスルーしてください。

今後の営業と活動案内

シーネ食堂(sync森カレー)について

店内が比較的広くお客さん同士の距離を保てること、窓を開放して換気が十分にできること、現状ほとんどのお客さんがカレーを食べて短時間で退店されること、などを踏まえて、地域の食事処として今後も極力スケールダウンしながら営業を続けていきます。STAY HOMEを続ける中で、散歩の延長のような、束の間のリフレッシュ機会としてご利用ください。「おしゃべり」は提供できません。

平日のみ(月〜金)

ランチ 11:30〜15:00(14:30 L.O)
ディナー 17:00〜21:00(20:30 L.O)
TAKEOUTも継続 (予約なしでもOKです)

※ソーシャルディスタンスを確保するため原則6組までのご案内
※1組2名まで(家族利用は除く)
※ディナーのアルコール提供はなし
※扉を開放しての営業
※アルコール除菌の徹底
※体調優れない方の入店お断り

路地裏の文化活動(イベントなど)について

事態が終息するまで店舗でのイベント等は休止にします。

とはいえ、最低限度の文化的生活まで奪われると、僕らの心は死んでしまうのも疑いようのない事実なので、微力も微力も微力ながら、慣れないオンラインでの企画や発信はやっていこうと思っています。具体的には以下の3つです。

①オンラインシーネ

毎週日曜夜に、話題のzoomを使って、10名〜12名程度を募って、トークサロンを始めたいと思います。こちらで毎回、映画や本など各種カルチャーからテーマを設定し、皆でその感想をシェアしたり、派生して、おすすめのコンテンツを紹介しあったりします。いま考えていることや抱えている不安なども楽しく共有しましょう。1回目は4月12日を予定。詳細は別途ご案内します。

②インスタライブ「金曜シーネショー」

毎週金曜夜は、インスタライブを使って、C/NEから様々なゲストと一緒に、テーマをお品書きにして順におしゃべりします。皆さんも手元にお酒やおつまみを用意してダラダラ楽しんでもらえればと思います。1回目は4月10日(金)21時〜、syncカレー森さんと一緒にやります。テーマ候補は「コロナは確信犯」「コロナと怒り」「鬼滅の刃」あたりを考えています。

③note「路地裏の雑文集」

店内でおしゃべりできないので、しばらくテキストで賄います。皆さんの在宅文化活動に、ぜひ、おすすめしたい映画や本、食関連のネタを、雑文にして定期的にアップしていきます。とりいそぎ、0回目はこの拙い文章になります。次回から更新ごとにお知らせします。

ツールはいろいろ試行錯誤しながらになります。それぞれ急ごしらえの企画になるので当面は課金などは考えていません。何か共感できるものを少しでも感じていただけたなら、終息した後に開設予定の「シーネ倶楽部」の会員にぜひなってあげてください。準備が整い次第先行して会員募集も始めます。一応、noteは次号から投げ銭制にしてみます。万が一、奇跡的に対価を払ってもいいと思った場合に限り、ぜひ投げてやってください。今後の維持費に当てさせていただきます。

今後ともよろしくお願い致します。

以下、雑文。

2月中旬にC/NE1周年イベントを開催して、さあ2年目と、いろんな企画や次なるステップを準備して意気込んでいた矢先、その1ヶ月後には、存続も危ぶまれる最大級の危機が迫っているという大展開に驚き果てております。

とはいえ、地球上にいる、新しい挑戦を始めたり、何かを確実に積み重ねてきた、すべての仲間たちも同じなので、不運だったとは1ミリも思っておりません。ピンチもピンチですが、同時にギフトでもあると捉えています。短期的に耐え凌ぐことと長期的な展望も交えながら、大動乱の時代に街場の文化会館にできることをじっくり考える機会にしたいです。

まずちょっとだけ、街場の店舗を取り巻く現在の息苦しい状況に関して、声を上げたいです。

緊急事態宣言とはいえ、飲食店などに関しては、引き続き自粛要請ということで、街場の事業者はこれまで以上にシビアな運営(経営)判断を迫られています。暫定的に1ヶ月程度の宣言期間ですが、これが3ヶ月のびるのか、半年伸びるのか、1年伸びるのか。事態が長期化することも見込んで、運営判断を毎月更新していくことになるはずです。行くも地獄、引くも地獄です。学大周辺の事業者のみなさんも悩み疲れています。僕らも状況次第で、判断を変えていきます。

感染防止のための営業休止の判断も、従業員の生活や事業を守るための短縮営業の判断も、営業休止からやっぱり営業再開するという方向転換も、個別のシチュエーションやリアルな事情に照らして、熟考を重ねた上での苦渋すぎる判断であって、「大切な人を守りたい」「誰かの役に立ちたい」という根っこの部分はみな同じです。

すべての判断が尊いはずで、すべての判断に貴賤はないと思っています。

苦言を呈すべきは、本当に助けて欲しい時に手を差し伸べることもなく、不気味な同調圧力のようなものを街場に醸成させ、生き地獄のような状況を作り、判断と責任を小さな事業者になすりつけるシステムの方でしょう。

あれ?国って一体何のためにあるんだったっけ?と本気で考えてしまいます。

自分の正義を他者に押し付けるという短絡に抗い、それぞれへの想像力を最大限に発揮させましょう。

今後のイベント等の活動に関しても一体どうしたらいいものかと、いろいろと逡巡しておりました。

建築と企画編集の融合チームでシーネを運営していることからわかる通り、僕らは「場」や「体験」といったもの価値を必要以上に信じてしまう嫌いがあって、「だったらオンラインでやればいいじゃん!」とすぐに切り替えることができず、もろもろ時間がかかってしまいまいた。すいません。

(どうでもいいことですが、オンラインに対して「オフライン」とか、「対面経済」とか、これまで主戦場だったものに対する言葉の当て方に、なんかしっくりきておりません。「リアル」っていうのもね〜。もっといい言葉ないかな。)

ただ、これまでシーネに遊びにきてくれていた皆さんとの間で、わずかに育ってきた関係性の芽を摘んでしまうのは、あまりにもつらいので、いつか終息した時に、改めて、シーネで、「オフライン」で、皆さんと声を張り上げてグラスをぶつけあって豪快な乾杯ができるように、やっぱりしばらくは、オンラインでの企画や発信をやっていこうと決めました。

これから長期間、自宅で過ごし、オンライン生活が中心になると、おそらく家族や親しい友人との固定化されたコミュニケーションばかりになってしまうと思います。外部というか社会というか偶発性というか緊張感というか、「街」みたいな要素がすっぽり抜け落ちるような気もしていて、もしかしたら僕らのような中間部隊がHUBとなって、オンライン上でもそうした領域で役に立てるかもしれない、とも思っています。まあどうなるか分からないですが。

さて。

もう少し続けます。
大変おこがましいことを承知で、話をもう少し拡張します。

この度のコロナ禍は、メガトン級の非常事態で、ほぼ全員に、時間差で、ドミノ倒しのように甚大な経済的ダメージが及ぶのは間違いなさそうです。

全員余裕がなくなります。まずは自分と身内の経済的身体的な安全保障に躍起になるのは当然です。

しかも、本来助けてくれるべき国もまったく頼りにならないから余計です。
(先進国である国のトップが、フリーターとフリーランスの違いすらいまだに理解できていないことを知った時、絶望感は頂点に達しました。もはやアベノマスクの大技にもまったく驚きません。)

とはいえ、自らの不安と不満を我先に吐露する前に、ひと呼吸したいものです。

医療従事者らはもちろん、食事や物品を自分の代わりにデリバリーしてくれる人、円満とは限らない家庭の中で平時よりも苦しい状況下に置かれてしまう可能性のある人、大きな声で周りを巻き込んでSOSを発することが苦手な人、etc。

自分より立場が苦しい人たちへのイマジネーションをどこまで遠くに飛ばすことができるのかも、自らの安全保障と同じぐらい大事なことだと思います。

この期に及んで、この事態を有効に活用して、やれスキルアップだ、市場価値を高めるために勉強だ、オンラインでの新しいビジネスチャンスを見つけよう、みたいなマッチョな言説ばかり蔓延るのは少し寂しい気がしていて、

こういう事態こそ、素直にスピードを落として、映画や本や音楽に深く身を沈めたり、家族や仲間と会話したりして、自分の視野を横に広げたり、相互に助け合う社会の仕組みや政治へのアプローチなどを、これまでの経済原理一辺倒であった反省も含めて、根源的に問い直す機会にしてもいいと思うのです。

コロナが来る前から、経済に敗北し続け、すでにして宙吊りで不安定だった文化の居場所が、「不要不急」「non-essential(本質的でない)」というダイレクトで残酷な言葉を添えられながら、より肩身の狭いスペースへ押し込まれている状況にはそこそこ強い憤りを覚えます。

いまこそ考える時間であって、カルチャーはだいぶ役に立つはずです。
いまこそ優しさが必要で、カルチャーはだいぶ役に立つはずです。
いまこそ孤独に抗う手立てとして、カルチャーはだいぶ役に立つはずです。

経済や生活と同等に文化も「essential」だし「至急必要」だと言い張っていたいです。

トイレットペーパーの買い占めに加えて、本の買い占め騒動とか起きたらちょっと素敵だなって妄想しています。

ダラダラ書いていたら、ウェッティーで、我田引水で、おまえ何様的な文章になってしまい反省ですが、「路地裏の文化会館」と謳っている以上、この状況下において自分たちが貢献できる領域で、やれることをやっていきたいと思います。

いろいろあがいていきます。

C/NE館長より。


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