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さよなら2023年と、「まちはサービスじゃない」話。

今年もあっという間の1年でしたね〜。

せっかくの年末のエモーショナルな気分を無駄にしたくないので、意識高い系って揶揄されることを承知で、老体に鞭を売って、noteの記事作成画面と向き合うことにします。

もちろん、いろんなことがありましたが、今年のC/NEの活動を一言で無理やり振り返るとすれば、

「路地裏から、まちへと滲み出た1年。」

ということになります。

今年は、館内での活動に留まらず、企画のお手伝いをしている「学大高架下プロジェクト」の一環で、路地裏からまちへと飛び出し、C/NEのエッセンスや養分を広範囲へとばら撒いた1年でした。

4月の「高架下シネマ」(上映作品は「スタンドバイミー 」)を皮切りに、5月には学大の飲食店が一堂に会した食の祭典「学食」、6月にはアンティークとフードを中心に80もの小さなベンダーが集結した「学大高架下マーケットデイ」、そして11月は、それまでの集大成的な企画で、2日間で1万2000人の来場者を記録した碑文谷公園での「GAKUDAI PARK MARKET」。

東急さんはもちろん、プロフェッショナルな運営パートナーや学大のすごい店主たち、すごいアニキらとコラボレートすることで、路地裏では到底実現できないスケールの大きな「場」をつくることができ、いま改めて驚いております。

生憎、天気には恵まれないことが多かったですが、どのイベントも大盛況で、大きなトラブルもなく、ピースフルで、よいバイブスが流れていて、学大はいい街だなと、いや、学大がどんどんいい街へと進行形で熟しているなと、染み染みと痛感する日々でありました。

名無しの労働者と消費者でいることにみなが甘んじるのではなく、誰しもに宿るカルチャーサイドの芽を見つけ、それを互いに祝福し交換しながら、インディペンデントな生き方や価値観をブーストすることが、何となくC/NEが掲げるミッションなんですが、それを点だけでなく、面へと波及できたことはとても有意義で、

イベントに参加してくれた多くの住民やお店の方が「楽しかったなー」で終わらずに、「次は私も出店したいな」「私だったらどんなワークショップを提供できるかな」「俺だったらアレを出したな」って、顔をホクホクさせて話に花を咲かせているのを横目で聞いて、勝手に悦に浸っておりました。

先日C/NEで開催した学大高架下新施設の採用説明会のトークイベントの際に、ゲストでお招きしたMIAMIAのアリソン理恵さんが、「まちはサービスじゃない」としきりに仰っていて、まさに我が意を得たりって感じだったのですが、

行政や大企業やどっかの有名店が「まち」をある一定の方向に見繕ってパッケージしてくれて、それを「はい、どうぞ」って住民一人一人に配膳してくれるわけなどなくて、そのまちにその瞬間に居合わせた人たちが、自分の得意技、自分のできることを「まち」というフィールドにそれぞれが持ち寄ることで、「まち」は形を成していくのだと思っています。

先日の「GAKDAI PARK MARKET」はまさにその縮図のような二日間だったなと改めて感じます。

運営チームはもちろんのころ、出店者をキュレーションする人、出店する人、ワークショップを担当してくれる人、落語を披露する人、占いをする人、おいしいご飯を出してくれる人、ビールをセレクトしてくれる人、設営をしてくれる人、音響を整えてくれる人、音楽を流してくれる人、デザインをしてくれる人、写真や取材で記録してくれる人、備品を貸してくれる人、そして、その場を思いっきり楽しんでくれる人、etc。

その年のその瞬間に偶然にまちに居合わせた人が、それぞれの持ち場から、それぞれができることを持ち寄った結果、あのような多幸感溢れる場所が生まれたのだと思います。

しかも今回は、目黒区の公園活用実証実験という側面もあり、碑文谷公園を自分たちの意志で、自分たちとってよい公園に変えていくという、草の根からの自治の芽生えも感じとれ、余計に美しい景色となりましたね。

まちは静的にそこに用意されているわけでなくて、動的にある。

来年も、「まちはサービスじゃない」を大切にポケットに持ち運びながら、C/NEではもちろんのこと、まちのいろんなベニューをハックして、いろんな人のワクワクや才能やセンスや勇気をディグって、まちを大いに揺さぶり動かしていきたいなと思っております。

いろいろ企んでいる人おりましたら、ぜひ連絡お待ちしておりますよ。

最後に、館長が好きな映画の一つ「ヒューゴの不思議な世界」から、何度も噛みしめたいセリフをどうぞ。

主人公の孤児のヒューゴが、塔の上でパリの夜景を眺めながら、同じ境遇のイザベルを励ます言葉。

「全世界(まち)は1つの機械のように感じるんだ。機械には、要らない部品なんてない。必要な部品が集まってできている。だからこう思うんだ。世界が1つの機械だとしたら、僕は要らない部品なんかじゃない。僕は理由があってこの世にいるに違いないんだ。そして君も理由があってこの世にいるんだ」

それでは、みなさん、よいお年を〜。

館長より。

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