ちゃん

金利商品を売ったり買ったりしてます

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記事一覧

ゆっくりと、しかし確実に

今日は、田村委員が講演を行った。 どうやら、一部では(私を担当している証券会社の担当営業等)田村さんの今日の挨拶と記者会見は、タカ派と受け止められたらしい。 個…

ちゃん
1日前

株とFCIと日銀

2024年3月の決定会合の記者会見で、植田総裁はこのように言っている。 「今後の主たる政策手段は短期金利になるというふうに金融政策を 運営していきます。その短期金利の…

ちゃん
12日前
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2024年8月28日に発表された自然利子率に関する日銀の論文について

日銀が今日「自然利子率の計測をめぐる近年の動向」というタイトルの論文を発表した。 数多くある自然利子率モデルを以下の4つのカテゴリー化して説明している。 1. 時…

ちゃん
2週間前
2

日本のターミナルレートについて考えてみる

2年ぶり位の投稿 昔米金利が利上げサイクルに入る前に、手前の金利と2s10sのカーブの分析の投稿をしたが、似たような事を日本でもやってみた。 円金利市場では、OISマー…

ちゃん
2週間前
4

インフレが長期金利に起こすジレンマ

大分金利が上昇してきたので、10年スワップ金利を回帰分析で見直してみます。 10年スワップ金利を、以下の変数で回帰分析を行ってみます。 1) FED's Asset Balance S…

ちゃん
2年前

ドル金利カーブのあるべき形について

先日の投稿であったように市場の利上げの織り込みがかなり早まりました。改めてOIS金利を使ってカーブを見てみましょう。 まずは現在のカーブとDot Plotを比較してみまし…

ちゃん
2年前
6

風見鶏パウエル

前回の投稿から大分経ってしまいました。。 さて、以前からの市場の動きをざっくり振り返ります。 あらゆるコモディティの価格が上がりました。原油価格は80ドルを超え、…

ちゃん
2年前
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今回のFOMCで弾切れ

2022年のDOTは、恐らくWallerが動いてClaridaが動かずで、中央値が0.25となった感じでしょう。2023年は3回の利上げ、前回の2回から1個増え、今回新たに出てきた2024年も3…

ちゃん
3年前
4

テーパリングが金利市場に与えるインパクト

市場はテーパリングが年内に始まると思っています。 実際にパウエルも年内スタートをJHで示唆しました。("At the FOMC's recent July meeting, I was of the view, as we…

ちゃん
3年前
6

シャドーFF金利

モンサテで第一生命経済研究所の藤代さんが発言されていたシャドーFF金利。 久々に聞いた単語ですね。 リーマンショック後に、FEDは0金利まで利下げを2008年に行って以来…

ちゃん
3年前
1

米国CPIの感想

ヘッドライン的には弱い物だった。マーケットの初動はとりあえず5s30sが大スティープ。手前は買われて、すぐにツイストスティープ。その後、大ブルフラットニングをし、今…

ちゃん
3年前

ビッグボスは誰か?

当たり前ですが、市場はより買いが多い場合、価格は上昇します。そして、より売りが多い場合は価格は下落します。 瞬間毎に買い圧力が強い時もあったり、その逆があったり…

ちゃん
3年前

コロナデルタ株と米金利

先週発表された8月の米国NFPの数字は市場サーベーを大幅に下回りました。Service&Hospitalityが0というのが大きな要因のようです。これは8月中にデルタ株への懸念が高まり…

ちゃん
3年前
1

テーパリング=買い?

昨日はHolzmannの発言で欧州主導で金利上昇。JGB先物は、RXに連動されオーバーナイトに下げる。USTは月末で、さらに8月はRefunding Monthなので月末買い多めだったからか、…

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3年前
1

米金利は低すぎる??

個人的に8月は難しい1か月でした。 季節性もありUSTの5s30sは大きくフラットニング。中でもFEDタカ派メンバーのタカ派コメントで5年主導のベアフラットはなかなかのもので…

ちゃん
3年前
2

はじめに

新卒から証券会社で働いてました。現在はヘッジファンドでPMやってます。 こちらでは、ブログ兼自分のマーケットへの考えの整理のために使っていきたいと思っています。 …

ちゃん
3年前
2

ゆっくりと、しかし確実に

今日は、田村委員が講演を行った。

どうやら、一部では(私を担当している証券会社の担当営業等)田村さんの今日の挨拶と記者会見は、タカ派と受け止められたらしい。

個人的には、そもそも銀行出身の田村委員は、タカ派ではあるものの、その割には特段タカ派な発言があったとは思わなかった。

ただ今日の田村委員の発言を受けて、個人的に思ったことは2点。

1.8月頭の株暴落後、内田副総裁、植田総裁、氷見野副総

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株とFCIと日銀

2024年3月の決定会合の記者会見で、植田総裁はこのように言っている。

「今後の主たる政策手段は短期金利になるというふうに金融政策を 運営していきます。その短期金利の設定の仕方ですけれども、これは大まかな言い 方で恐縮ですが、普通の短期金利を政策手段にしている他の中央銀行と同じように 設定していくということになるかと思います。従って、物価・経済見通しに従って 適切な政策金利水準を選んでいくという

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2024年8月28日に発表された自然利子率に関する日銀の論文について

日銀が今日「自然利子率の計測をめぐる近年の動向」というタイトルの論文を発表した。

数多くある自然利子率モデルを以下の4つのカテゴリー化して説明している。

1. 時系列モデル

概要: 金利データの長期トレンドを抽出し、そのトレンドを自然利子率と見なす方法です。このモデルは、過去のデータに基づいて金利の傾向を捉えるため、比較的シンプル。

メリット: 経済理論に依存せず、実際のデータに基づくシン

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日本のターミナルレートについて考えてみる

2年ぶり位の投稿

昔米金利が利上げサイクルに入る前に、手前の金利と2s10sのカーブの分析の投稿をしたが、似たような事を日本でもやってみた。

円金利市場では、OISマーケットが確立されたのがあまりにも遅く、短期金利のヒストリカルデータに問題があるので、便宜上1年スワップを利用。

まずは2000年からの2s10sと1yスワップの推移を、2006-2008年の利上げサイクルにおいては逆相関になっ

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インフレが長期金利に起こすジレンマ

大分金利が上昇してきたので、10年スワップ金利を回帰分析で見直してみます。

10年スワップ金利を、以下の変数で回帰分析を行ってみます。

1) FED's Asset Balance Sheet in % of GDP, 2) 5Y fwd 5Y Inflation Swap, 3)1y3m/2y3m OIS spread, 4) 3m fwd 3m OIS

model 10y swap

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ドル金利カーブのあるべき形について

先日の投稿であったように市場の利上げの織り込みがかなり早まりました。改めてOIS金利を使ってカーブを見てみましょう。

まずは現在のカーブとDot Plotを比較してみましょう。Dot plotの中央値は、2022年は0.5回、2023年は3回、2024年は3回となってます。現在のカーブは、2022年までに約2回、2023年に約2.5回、2024年に約1回となってます。2024年末までの利上げの合

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風見鶏パウエル

前回の投稿から大分経ってしまいました。。

さて、以前からの市場の動きをざっくり振り返ります。

あらゆるコモディティの価格が上がりました。原油価格は80ドルを超え、インフレ懸念が上昇。中でも英国でのインフレは深刻です。大した経済成長が見込めないイギリスは、1970年代にあったようなスタグフレーションになる可能性すら出てきました。BOEは近々利上げを行うかもしれません。それを見た米金利市場において

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今回のFOMCで弾切れ



2022年のDOTは、恐らくWallerが動いてClaridaが動かずで、中央値が0.25となった感じでしょう。2023年は3回の利上げ、前回の2回から1個増え、今回新たに出てきた2024年も3回の利上げという結果。2024年末までに政策金利は1.75%辺りに来るという予想のようです。Longer Runは2.5%のままなので、もしDot通りの利上げサイクルがやってきて、2025年も同じペース

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テーパリングが金利市場に与えるインパクト

市場はテーパリングが年内に始まると思っています。

実際にパウエルも年内スタートをJHで示唆しました。("At the FOMC's recent July meeting, I was of the view, as were most participants, that if the economy evolved broadly as anticipated, it could be ap

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シャドーFF金利

モンサテで第一生命経済研究所の藤代さんが発言されていたシャドーFF金利。

久々に聞いた単語ですね。

リーマンショック後に、FEDは0金利まで利下げを2008年に行って以来、米国では実質的に金利を下げることができなくなり、QEを始めたわけですが、そのQEのインパクトをPolicy Rateに置き換えると、実際どの程度まで利下げをしたことになっているかというのをモデルで計算したものです。

Atl

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米国CPIの感想

米国CPIの感想

ヘッドライン的には弱い物だった。マーケットの初動はとりあえず5s30sが大スティープ。手前は買われて、すぐにツイストスティープ。その後、大ブルフラットニングをし、今ようやく落ち着いたようで5s30sは108.25辺りまで戻ってきました。この水準は昨年の8月末頃の水準で、リフレとか言っていたあのカーブはどこへ?といった感じになってしまいました。

とりあえず、百聞は一見に如かずという事で、CPIの中

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ビッグボスは誰か?

当たり前ですが、市場はより買いが多い場合、価格は上昇します。そして、より売りが多い場合は価格は下落します。

瞬間毎に買い圧力が強い時もあったり、その逆があったりするので、Tick Dataでマーケットを覗くと凄くノイズが多いチャートになります。なのでHigh Frequency Tradingの分析においては、Kalman Filter等を使ってデータのクリーンアップを行い、データ分析を行う事が

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コロナデルタ株と米金利

先週発表された8月の米国NFPの数字は市場サーベーを大幅に下回りました。Service&Hospitalityが0というのが大きな要因のようです。これは8月中にデルタ株への懸念が高まり、このセクターでの雇用が発生しなかったことが原因だと考えられます。

では、デルタ株がどのように金利市場に影響を及ぼしてきているかというのを考えてみようと思います。

まず、今回はコロナ感染者が増えるか減るかというの

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テーパリング=買い?

昨日はHolzmannの発言で欧州主導で金利上昇。JGB先物は、RXに連動されオーバーナイトに下げる。USTは月末で、さらに8月はRefunding Monthなので月末買い多めだったからか、NY朝はビッドが強く、対JB,RXでベータ値で調整しても大分アウトパフォーム。

もしECBが年内にTaperingという事になる場合、2014年とはだいぶ状況が変わってきますよね。

今年の春位あたりから米

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米金利は低すぎる??

個人的に8月は難しい1か月でした。

季節性もありUSTの5s30sは大きくフラットニング。中でもFEDタカ派メンバーのタカ派コメントで5年主導のベアフラットはなかなかのものでした。7月のFOMC Minutesにも、Taperingを示唆する内容がしっかり載っていて、ひょっとしたらパウエルが梯子はずしてくるかも?!って思った人が多かった事でしょう。それもあって、S&Pは一時MTDでマイナスの時も

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はじめに

新卒から証券会社で働いてました。現在はヘッジファンドでPMやってます。

こちらでは、ブログ兼自分のマーケットへの考えの整理のために使っていきたいと思っています。

全て私個人の見解であって、私が勤めている会社のものではないという事をご理解ください。