シャドーFF金利

モンサテで第一生命経済研究所の藤代さんが発言されていたシャドーFF金利。

久々に聞いた単語ですね。

リーマンショック後に、FEDは0金利まで利下げを2008年に行って以来、米国では実質的に金利を下げることができなくなり、QEを始めたわけですが、そのQEのインパクトをPolicy Rateに置き換えると、実際どの程度まで利下げをしたことになっているかというのをモデルで計算したものです。

Atlanta FedがだしているWu-Xia Modelを見てみました。

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以前も使いましたが、2s10sカーブと比較してみましょう。これで見ると、前回の2014年テーパリングの時に2s10sがフラットニングを始めています。このチャートだけ見ると、Shadow FFが上昇し始めることを先に織り込んでフラットニングが始まった様に見えますね。

ただ実際のところは非常に難しく、2014年はグローバルでブルフラットをしていたのです。2014年~2015年途中までは中国経済の減速や、日銀のQE開始等が重なっていて一概には言い難いものがあります。

2014年おいてもそうですが、テーパリングが始まったらすぐにシャドー金利が上昇するわけではありません。今回においても同じことが言えるでしょう。今回、テーパリングが仮に年内開始されるとしても、Treasuryが11月から利付債の発行を減額する予定なので、市場に出てくるネットサプライは減ります。つまり、Shadow FF金利が上昇しだすには、前回よりも時間がかかる可能性があります。

個人的にこのチャートで面白いなと思ったのは、マーケットは利上げ又はテーパリングのタイミングを先行して織り込んでいるのが良くわかります。しかし、利上げの終わりのタイミングを織り込む事は苦手の様に見えます。

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