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社員数100名に向けて。バックオフィスの業務フローと利用ツール大公開2023【おまけテンプレ付き】

一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という経営理念を掲げ、複数のBtoB SaaSを展開している株式会社スタメン財務経理部の清家です。財務・経理・税務・開示・債権債務管理などを管轄しています。

現在弊社ではnoteリレーを開催しており、私も参加することにしました!


何を書こうか結構悩んだのですが、遡ること約2年前に以下の記事を書きました。

当時、採用部門から管理部(いわゆる、財務・経理・労務・総務を包括する部門)に異動し、他社での管理業務フローや利用ツール・体制などについて色々と伺った上で、自社についてもまとめてみようと思い公開したnoteでした。

初noteだったにもかかわらず想定以上にいいねを頂けたこともあり、2年ぶりに最新の利用ツールと業務フローについてまとめてみたいと思います。


提供サービスについて

2023年12月期 第1四半期決算説明資料より抜粋

TUNAGという社内のエンゲージメント向上を支援するSaaSサービスを提供しています。600社ほどに導入いただいており、上記の通りそのほとんどがストック収益(月額定額料金)です。そのため売上・費用ともに基本的にはシンプルな管理方法が取りやすい傾向にあります。
以降、ご一読いただく際にはそちらを念頭に置いていただけばと思います。


A:全体像

スタメン内で作成。ppt形式で本note最下部でDL可能です。

A-I:概要

会計ツールがマネーフォワード会計Plusなので、業務フロー上API連携がスムーズに行えるものに関しては、基本的にマネーフォワード製品を活用しています。その他特徴的な部分としては、自社サービスのTUNAGで社内稟議をまかなっていることです。ワークフローの機能を活用し、各種申請・報告を起点としたコミュニケーションを自社サービスに集約するように設計しています。それ以外のツール選定に関しては、機能、連携のスムーズさ、価格などを総合的に判断して導入しています。


A-II:2年前との変更点まとめ

  • ①MFクラウド会計 → MFクラウド会計Plusに変更

  • ②法人カードをAMEX → UPSIDERに変更

  • ③請求書受領&データ化でバクラク請求書を導入

  • ④反社チェックの自動化でAUTOROを導入

  • ⑤候補者管理ツールでHERPを導入


①クラウド会計 → クラウド会計Plusに変更

上場年の2020年から初年度の2021年まではクラウド会計を利用していたのですが、仕訳承認の効率化や内部統制強化を目的として、2022年からはクラウド会計Plusに移行しました。
マネーフォワードユーザーの方なら一度は悩むであろう「クラウド会計か、クラウド会計Plusか」という問題はどちらもメリデメあるので、もしお悩みの方は個別ご相談いただければと思います。

②法人カードをAMEX → UPSIDERに変更

法人カードの切り替えは大きい判断でしたが、切り替えのメリットは大きいと感じています。

  • 決済 → 反映が早い

  • 与信額(利用可能金額)が高い

  • 還元率(請求相殺額)が高い

  • バーチャルカードの即時発行が可能で、部門や用途でカードが分けられるので、仕訳が切りやすく、部門費管理もしやすい

後述するバクラク請求書を導入しているので、バクラクビジネスカードも検討しましたが、①稟議が自社システムであること②経費精算でMFを利用していること③ポイント還元率の3点でUPSIDERを選択しました。
稟議システムから一気通貫で支出管理を行いたい場合は、「バクラクで統一」がメリット大きいのではないかと感じています。AMEX/バクラク/UPSIDER 3社の比較表を過去作成したことがあるので、切り替え検討されている方はお声がけください!

③請求書受領&データ化でバクラク請求書を導入

スタメン内で作成。

いよいよ2023年10月からインボイス制度が開始されますが、適格請求書発行事業者のチェック工数削減や、データ化の効率化を目的として、導入しました。当時はBill One、TOKIUM、バクラクの3社で検討しました。
詳細は個別でお伝えできればと思いますが、①データ化スピード②仕訳機能③サービス連携④料金などの軸で総合的に判断しました。請求書受領サービスは色々なサービスが出てきていますが、メリデメが結構分かれるのでサービス選定における軸を何にするかが特に大事かなと思っています。

④反社チェックの自動化でAUTOROを導入

2021年の中頃に一度、管理部門でトライアルを実施し検討しましたが、その際は見送りにしました。今回総務部門で反社チェックなど各種定例業務の自動化を目的として導入が決まりました。クラウドRPAなので、弊社のように導入ツールのほとんどがクラウドである企業には相性が良いと思います。
最近話題のChat-GPTの連携機能もリリースされ、契約書の読み取り〜テーブル形式での書き起こし〜スプレッドシートへの展開まで自動化してくれそうなので、期待大です!

⑤候補者管理ツールでHERPを導入

2022年の10月頃に採用部門で導入を決めました。これまではスプレッドシートに全候補者を転記して運用していましたが、今はHERPで連絡〜評価〜分析まで一元管理できており、非常に良かったそうです。
全方位で採用強化中ですので、ご興味ある方は是非ご応募ください!


A-Ⅲ:改善したいポイント

スタメン内で作成。

これまではツール導入などで改善できた領域について書いてきましたが、反対に未着手で改善余地が大きい領域についても書ければと思います。
(ここらへんのベストプラクティスをお持ちの経理の方々、ご相談させてください)

①請求・債権管理領域

支払・債務管理領域については、一定効率化が進められましたが、請求・債権管理領域はここ数年大きな改善に着手できていない部分です。
こちらについては、後述する「B-I:債権債務管理フロー」に詳細を記載できればと思います。

②開示・組替表作成

こちらはまさに今着手中のプロジェクトで、通称バックデータPJと呼ばれています。(財務経理部内だけの呼称です)
釈迦に説法だと思いますが、決算を締めることと開示資料(短信・四半報)をまとめることはまた別物です。
バックデータPJでは、財務会計で締めた決算データを貼り付けるだけで、開示資料の様式でアウトプットされるようなスプレッドシートを仕込み中です。完成したら、別noteにまとめようかと思いますので、気になる方は「いいね」をよろしくお願いします!

③管理会計

請求書受領サービスと同じぐらい、新興サービスが増えているなと感じる領域がここです。予算策定・経営管理・管理会計などワーディングは違えど、大きな枠組みで捉えると狙っている市場はどのサービスも同じかなと感じています。弊社ではスプレッドシートで管理会計を運用していますが、多くの企業でもスプレッドシートもしくはExcelで運用されているのではないかと思います。
2023年より、グループ経営体制に移行している中で、グループ全社の経営管理を適切に推進していけるサービスがないか常にウォッチしていけたらと考えています。

以上3つの領域については、改善によるレバレッジが大きそうだなと感じているので、年内に続報が出せるようにアクションしていきます。


B:債権債務管理フロー

スタメン内で作成。ppt形式で本note最下部でDL可能です。

B-I:概要

売上・債権管理について

新規の案件管理についてはSalesforceで実施しており、案件が成約に至るとメールでレポートが回ってくるようになっています。
このレポートを起点に、上図の売上管理から右にタスクが回っていきます。

レポートをスプレッドに展開し、タスクリストとして活用

自社サービスのTUNAGは、オプション機能が10個ほどあり、期中でのアップセル・クロスセルが頻繁に起こります。(ありがたい🙏)
中には二段階契約(2023年11月から〇〇万円にUPS etc.)もあり抜け漏れがあってはいけないので、営業側とは別で経理側でも売上をスプレッドシートで管理しています。入金の理論値についても同じシートで管理しており、実数値(MF会計)との突合で入金管理と仕訳の整合性を見ています。
請求書作成については、現状完全手作業になってしまっており「A-Ⅲ:改善したいポイント」でも触れた通り、抜本的に変革していきたいと領域No.1です。
具体的にはSalesforceでのデータ一元化と、そのデータ加工によって請求書作成を自動化する形を目指したいと考えています。実現のためには既存のデータ構造を、請求用のデータに変換可能な形へ変えねばならず、一定程度Salesforceのデータを触る必要がありそうで、①自分たちで行うか②社内の協力を仰ぐか③外部のベンダーさんを頼るか、の3択になりそうです。
2023年中に改善し、1000社2000社と導入社数が増えた場合でも少数精鋭で全社を支えられる仕組みにしておければと思います。


支払・債務管理について

稟議もスプレッドシートに展開し、見込み管理・チェックリストとして活用

支払・債務管理については、起点となる稟議システムが重要だと考えています。と言うのも内部統制としてはもちろん、見込み費用の把握、計上・振込漏れの防止、反社チェック等々会社としての根幹業務に派生していくトリガーだからです。スタメンでは管理会計をスプレッドシートで運用していることから、一度スプレッドシートに展開し、各種業務に紐づくように加工しています。

「A-II:変更点まとめ」でも触れましたが、支払・債務管理領域については、UPSIDERとバクラクの導入で一気にスリム化することができました。
ただ、10月から始まるインボイス制度については、今まさに対応を検討しており、マスタ管理などについてディスカッションしていただける方を募集しております。

という形で、少し長くなってしまいましたが、弊社での業務フローについてのご紹介でした。全然触れられていない領域がありますが、全領域について記述しようとすると超大作になってしまうので、ニーズが高そうなものについては別途noteを書くようにします。(気になる領域についてはコメントまたはTwitterのDM等でいただけると嬉しいです)


経理コミュニティについて

このnoteを書いた背景にもつながりますが、私個人としてはもっと経理に携わる方々とフラットに横の繋がりを持ちたいと考えています。
会計ツールベンダーさんや、各種Fintech事業者の方が運営されているものとは別で、財務・税務・開示・上場準備などを含めた経理職種の皆さんで、経理のためのコミュニティが作れれば、もっと情報がオープンになり業務も進めやすくなるのではないかと考えています。
このnoteで記載したような業務フローや利用ツールなどについては、ある種秘伝のタレのようになっていて、なかなか表に出てこない印象があります。ですが、経理という業務に関してはある程度型が決まっている中で、AIを含めた新しいツールやサービスが次から次へとリリースされています。
今悩んでいることは過去にどこかの経理の方が既に解決済みであることも多々あるかと思い、経理コミュニティを広げていきたく、参加希望についてアンケートをご用意しました。
(既に個別で10名ほどにお声がけしてSlackのルームを作成しており、そちらに参加いただくことを想定しています)


テンプレートについて

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
本note執筆にあたり、作図した業務フローのデータを以下に置いておきます。新規サービス導入にあたっての上申資料などに利用いただいたり、自社の業務フローを整理する際などにご活用頂けたらと思います。


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