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(馬鹿みたいに長い)旅日記

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馬鹿みたいに長い旅日記です。web時代に逆行して写真は少ない、というか最後のほうに少し載せてるだけです。動画もたまにあります。
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記事一覧

2024年3月 男鹿半島旅1

2024年3月 男鹿半島旅1

初日

 朝早くに起き、六時過ぎに上野へ。ピピッと新幹線改札の中へ。地上階の駅弁屋が出発8分前の開店で少し焦ったけれど、ぱぱっと悩んで、東北福興弁当を買う。今まで2回食べてて美味しかったし、毎年中身が変わってるようだし。
 さて、今回も行き先が大体ランダムで決まるJR東日本の「どこかにビューン」を利用しております。乗り込んだのは、こまち。変わらぬ美味しさの駅弁、そして車窓を楽しみつつ、北へ。そして

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2024年3月 男鹿半島旅2

2024年3月 男鹿半島旅2

(←前)
 男鹿真山伝承館をあとにし、なまはげの落とし物をリュックに結びながら、山のほうへと向かって歩く。そうしたらいつの間にか神社の前へ。真山(しんざん)神社。本殿はこの奥にある真山にあり、ここでは拝殿にて手を合わせる。そうして帰りに社務所に立ち寄り、伝承館で尋ねた御神酒を発見。と、奥から巫女さんが出てこられる。本来だったら旅の初日から荷物になる酒なんて買わないのだけれど、この神社でしか販売して

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2024年3月 男鹿半島旅3

2024年3月 男鹿半島旅3

(←前)
 e-バイクにまたがり、まずは男鹿温泉を上っていき、「星辻神社→」みたいな看板を見かけ、字面に惹かれてそちらへと向かう。ここでもバス停の可愛らしいなまはげイラストをカメラで蒐集する。木立の間を抜け、地域の方々に大事にされていそうな、こじんまりとした星辻神社にご挨拶。境内には地蔵や小さな石祠が並んだ一角があって、扉の開いた(中は確か石仏)石祠の右側面にはおそらく「天保一四 七月」、左側面「

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2023年11月 おかげ参り1

2023年11月 おかげ参り1

 おかげ参り。御蔭参り。
 江戸時代に無茶苦茶流行した伊勢への集団参拝のこと。(伊勢内宮の祭神である)天照大御神の「おかげ」で参拝できたやら平和に暮らせているやら、道中世話になった人々の「おかげ」、といった感じで語源には様々な説があるようだけれど、まぁ感謝をしながら伊勢に行くというのは共通のようで。当時は奉公人が雇い主に無断でおかげ参りに行っても咎められることはなかったというマジカヨな話もあって、

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2023年11月 おかげ参り2

2023年11月 おかげ参り2

(←前)
 伊勢へ。内宮へ。
 が、またしても腹が減ってきました。とはいえもうここはおかげ横丁。多くの飲食店等が列なり、観光客でごった返しています。月曜日なのに嘘だろ、といった感じで。加えて唯一予定にしていた昼食の焼きうどんが今日は休売とのこと。えぇ、じゃあ何食べよう。伊勢うどんの店は混んでるし、参拝後の腹ごしらえでもいいけれど、内宮は広いし時間がかかりそう。今日三度目の小腹満たしはっと、赤福の茶

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2023年11月 おかげ参り3

2023年11月 おかげ参り3

(←前)
 三越のライオン像前を過ぎ(松阪は三越の創業者、三井高利の出身地でもある。越後屋ですね。そんな縁で、ライオン像が町の広場に鎮座してた)、続いて向かったのは旧長谷川治郎兵衛家。こちらも木綿問屋として江戸・日本橋で成功を収めた豪商です。特にガイドさんの案内もなく、勝手に見て回ります。広大な家屋に、神社まである庭園。うむ。先ほどの小津家と比べるとすんなり終えたけれど、まぁ時間にそこまで余裕があ

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2023年9月 どこかにビューン旅1(浦佐編)

2023年9月 どこかにビューン旅1(浦佐編)

 どこかに旅したい。別に行きたいところはない。ただ、どこかに行きたい。

 はい。疲れていたのです。6月頃に大きく体調を崩し、かなりストレスを蓄えておりました。というわけで特にどこかという希望はなく、ただただ旅をしたいなぁ、と。
 そんな心境に打ってつけだったのが、JR東日本の「どこかにビューーン!」でした。JREポイント6000円分で、大体JR東日本管内の旅先の候補地(新幹線駅)を4つ挙げてくれ

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2023年9月 どこかにビューン旅2(浦佐編)

2023年9月 どこかにビューン旅2(浦佐編)

(←前)
 さて、雨も弱くなったところで蕎麦屋を出る。その後も魚沼の里内を歩き回り、雪あかり(豚肉)のウインナーなんかも食べ(こうやって食べ歩きするときは、蕎麦ってお腹も膨れないし嬉しい)、順序が逆だろと思いつつも、最後にこの地域の鎮守様、石動(いそろぎ)神社にご挨拶をして、魚沼の里をあとにする。資料館やら、けっこう長居をいたしました。

 で、今度は南へ。里山を駆け巡り、本当にここなのかという細

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2023年9月 どこかにビューン旅3(浦佐編)

2023年9月 どこかにビューン旅3(浦佐編)

(←前)
 小さな雨粒を身に受けながら、車輪を転がす。途中見かけた神社に立ち寄れば「熊野三社大神」。今年熊野を旅したばかりなので、何だか嬉しくなる。っと、この先は長いトンネルで……。まずは狭い歩道に乗り上げ走って行くが、足下に反射板の金具やら、何かの蓋が出っ張っていて、危ない危ない。かといって車道は水で濡れているし、何より車が来たときの逃げ場がないんだよなぁ……。というか経験ある人ならわかるだろう

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2023年9月 どこかにビューン旅4(浦佐編)

2023年9月 どこかにビューン旅4(浦佐編)

(←前)
 一本指を立て、店内へ。自分が本日初めての客のようで、座敷がいくつかとカウンター席が。もちろんカウンターへ。ほどなくして大将が奥から出てこられる。とりあえず日本酒は呑み損ねたのがあるから、今日は生中で。それに合うとなると、カウンターの目前の冷蔵ケース内に、色々入っていて砂肝が見えたので串焼きで。ほんでもって海鮮食べたかったし、イカ刺し。
 と、少しして小ぶりなアジフライが二尾。これがお通

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2023年3月 熊野旅1

2023年3月 熊野旅1

初日

 夜9時。仕事を終え、池袋のバス乗り場へと直行する。発車30分前に到着し、予想外の寒さに身を縮こまらせながらもあたりをぶらりと散策。近くに待合室が設けられていることに気づき、中で待つ。そうしてアナウンスが流れ、再びバス乗り場へ。信越、北陸、関西……。ここから日本の各地へと夜行バスが出ていることを初めて知り、驚く。夜行バス。友人たちとのスノーボード旅行で利用したことはかなり前にあるけれど、個

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2023年3月 熊野旅2

2023年3月 熊野旅2

(←前)

 バスで熊野本宮(ほんぐう)大社へ。まずは熊野本宮館なる案内所で地図をいただき、展示物にはそれほど目を通さずに、本宮へ。だって実物が目の前にあるのだもの。そっちに行かなくては。というわけで、バスで一時間以上走って来たというのに、結構な賑わい、そして重厚な鳥居。鬱蒼とした木々に囲まれた参道。無数の幟がはためく砂利道に、その先の長い階段。相当な山の中だというのに、こんなにも立派で巨大な神社

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2023年3月 熊野旅3

2023年3月 熊野旅3

(←前)

 歩き疲れたので、昨日同様宿でのんびりと。夕飯は昨日と同じ内容では味気ないので、くまの味弁当なるものにグレードアップをお願いしておいた。こちらは、熊野名物の「めはり寿司」が二つ入っており、ご飯が高菜で包まれていて、どんなお味なのかわからずにかぶりつけば、寿司というよりも醤油味のおにぎりといった感じで。なかなか美味かった。というか魚も入ってるわけでもないのに寿司とは一体。そのほかさんま寿

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2023年1月 中山道旅1

2023年1月 中山道旅1

初日

 朝6時過ぎに起き、新宿駅へ。あずさ3号へと乗り込みます。買った駅弁は新宿弁当なるもの。内藤とうがらしを使った椎茸煮をはじめ、主に中央線沿いの名物が所狭しと(内藤とうがらし。そもそも新宿は、宿場町時代は内藤新宿と呼ばれていて、つまり内藤とうがらしは新宿の地野菜ということになります)。

 とまで書き出したはいいものの、ずぅっと筆を止めた状態でした。以前は誰かに頼まれたわけでもないのにしゃか

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