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墓場珈琲店。

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現代社会における『死』をテーマとした、フィクションの短編集です。抵抗のある方はご遠慮ください。
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2020年11月の記事一覧

墓場喫茶店3。

墓場喫茶店3。

私は朝早く、山を登っていた。
雪で不安定な足元に、杖を刺しながら登る。

私は時計を見た。

針は、午前6時を指している。
時間はあまり、残されていないようだと笑う。
雪混じる空気が、肌を刺している。

私の周りに、登山者はあまりいないようだった。
当然だ、皆、もう山頂にたどり着いているだろうから。

だが、それでいいのである。

私はグサッと杖を刺し、一旦休息を取った。
タイムリミットギリギリで

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墓場珈琲店4。

墓場珈琲店4。

……ピッ、ピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ……

カタッ。

僕は条件反射的に、目覚ましを止めた。

体が汗で、びっしょびしょに濡れている。
頭を押さえた。

……いやな夢を見た。

ほわほわとした幻聴、ピンク色の象が、まだ、頭に残って離れない。

気分は最悪だった。

真っ暗な天井を見ると、

誰かに笑われているような気分にならざるを得ない。

時計を見ると、午前3時。

いつもだったら遅く

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墓場珈琲店5。

墓場珈琲店5。

「おにはーそとー! ふくはーうち!」

友達は、そうつぶやいて、ぼくに石を投げつけた。
ぼくは何も言わず、静かにそれを受け止める。
体から、赤と黒を混ぜた絵具みたいなのが流れてた。

痛みはほとんどなかった。
なれっこである。

「おにはーそとー! ふくはーうち! きみはーおに!」

……また言ってるよ。
おにごっことかでは、追いかける側のことを「おに」と呼ぶ。
だったら、君達の方がおにじゃないの

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墓場珈琲店6。

墓場珈琲店6。

「いらっしゃい」

マスターはそう言って、俺に微笑みかけた。
俺は彼の笑みを睨みつけ、
乱暴に近くの四人用席に座った。

無論、四人用とはいうものの、
俺は一人である。

メチャクチャに濃いコーヒーの臭いに、嫌気が差す。
ここには最近バイトが入ったと聞いているが、
俺に近づいてきたのはバイトではなく初老の店長の方だった。

「……お客さん、注文は?」

店長の眼鏡越しに、鋭い眼光が見え隠れしている

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