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月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

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#中国経済

【ぶんぶくちゃいな】「お父さんもおじいちゃんも支店長」発言にいきり立つ大人たち

「大きくなったら、ぼくは中国農業発展銀行の支店長になってお父さんの跡を継ぐ。ぼくのおじいちゃんは農業発展銀行の支店長だったし、お母さんも副支店長だ。だから、ぼくは我が家の家督を相続したい」

これは中国安徽省の小学校の授業で、「大きくなったら〇〇したい。だって◇◇だから」という文脈で文章を作るという課題に対するある生徒の回答である。あなたが先生なら、どんなふうにこの生徒を指導するだろうか。

まず

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【ぶんぶくちゃいな】「端午の節句」連休に見る、中国経済事情

仕事やなんやらで10日間、6月の香港に滞在してきた。

15年ほど前にやはり6月中旬に拙著『中国新声代』の元記事の取材で3日間ほど滞在したのだが、このときは暑くて暑くて、朝ホテルを出る前にシャワーを浴びて、昼に時間を見てホテルに戻ってシャワーを浴びて、夕方取材を終えてシャワーを浴びて、夕食終えてホテルに戻ってシャワーを浴びて……という生活を送ったことを覚えている。その結果、4日後に北京に戻ったら「

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【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】元中国共産党党校教授が語る「江沢民の政治遺産」(前編)

【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】元中国共産党党校教授が語る「江沢民の政治遺産」(前編)

江沢民が亡くなった。

彼は、日本ではあまり良いイメージを持たれていなかった指導者だった。最も彼のイメージを悪くしたのは、最高指導者として訪日した際にありとあらゆるところで日本の戦争責任に触れ、「自分(及び中国人)は決して忘れていないし、忘れない」ことをアピールしまくったことだった。それが、あのコワモテの顔つきと結びつき、「歓迎されざる外国首脳ナンバーワン」として論じられていたことを覚えている。

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【ぶんぶくちゃいな】ダブル11の惨状に見る、今後の中国人インバウンド動向

【ぶんぶくちゃいな】ダブル11の惨状に見る、今後の中国人インバウンド動向

中国の一大カーニバルといえる「双十一 W11」(以下、「ダブル11」)が終わった。「1」が4つ並ぶ11月11日が「単身者の日」から「ショッピングカーニバルの日」になってから今年で14回目、とうとうこの熱狂的な大騒ぎは曲がり角を迎えたようだ。

14年前、中国最大のECサイト「淘宝 Taobao」(以下、「タオバオ」)が始めた、11月11日限定の安売りキャンペーンは、この日のために値引きされた商品を

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【ぶんぶくちゃいな】「鶴漂」ローン地獄から逃れ、国境の街に移住する若者たち

【ぶんぶくちゃいな】「鶴漂」ローン地獄から逃れ、国境の街に移住する若者たち

ツイッターで以前引用したことがあるが、中国のネットに選挙に関するブラックユーモアがある。もう長いこと、多少表現を変えながらもなんどもなんども繰り返して目にしてきたから新鮮味はないのだが、いつ見てもうまい言い方だなぁと感心する。だいたいこんな意味だ。

アメリカ人「投票日の数日後には誰が選ばれるか分かるよ」
台湾人「投票日当夜には誰が選ばれるか分かるさ」
中国人「投票日の前にもう誰が選ばれるか分かっ

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【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼に聞く「中国経済に希望はあるのか?」(後編)

【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼に聞く「中国経済に希望はあるのか?」(後編)

前回に引き続き、中国人ジャーナリスト袁莉さんによる、インペリアル・カレッジ・ロンドンの客員教授であり、スタンフォード大学中国経済制度研究センターシニア研究員の許成鋼・教授のインタビューの後編をお届けする。

前編はいかがだっただろうか? 筆者は個人的に許教授の思い切った政治指導者への評価が興味深かった他、大躍進や文革のころに経済の地方分権が進んでいたという話が非常に興味深かった。だからこそ、今大き

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【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼に聞く「中国経済に希望はあるのか?」(前編)

【全文無料公開・ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼に聞く「中国経済に希望はあるのか?」(前編)

中国では10月16日から20回目の中国共産党大会が開かれる。5年毎の党大会では新しい指導者層の人事が最大の注目を浴び、特に偶数回は党書記らの最高指導者の入れ替えも行われてきたため、それ以降の中国政治の転換期とみなされてきた。

だが、2018年に国家主席に10年間の任期を定めていた憲法が改正され、その任期が撤廃され、今回の党大会ではその任期撤廃を推し進めた当人の習近平が第3期に入るのは間違いないと

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220915 【現代ビジネス】寄稿:中国の「高齢化問題」がいよいよ深刻化…経済のブレーキも懸念される「不穏な現実」

220915 【現代ビジネス】寄稿:中国の「高齢化問題」がいよいよ深刻化…経済のブレーキも懸念される「不穏な現実」

長引く新型コロナ対策による経済不況が目に見えて悪化する中、もう一つ中国にとって頭の痛い問題がデータで明らかになりました。

少子化高齢化…やっとのことで一人っ子政策を取りやめ、二人目解禁、さらには三人目出産まで解禁した中国ですが、高齢化がどんどん進んでいるという現実が明らかになりました。

日本(65歳以上)と違い中国では60歳以上を「高齢者」とみなしており、パーセンテージで見るとまだ日本には及ば

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220909 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「まず2年生き延びる」ファーウェイ創業者の発言に中国経済人が震えた理由

220909 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「まず2年生き延びる」ファーウェイ創業者の発言に中国経済人が震えた理由

8月下旬、日本でもスマホで知られる精密機器メーカー「ファーウェイ」の創始者、任正非氏が社内掲示板に掲載した言葉が社外にリークされ、ネットで驚きを持ってシェアされました。その翌日、4400株が下落、エレクトロニクス株はさらにストップ安になった株も。

一体任氏は何を語ったのか。

意外にもこのニュース、日本のマスメディアでは取り上げられていなかった? 検索しても中国系メディアの日本語版以外ほとんど出

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【ぶんぶくちゃいな】本格的に語られ始めた上海脱出

中国政府がやっとポストロックダウンに舵を切ってから、そろそろ2週間が経つ。このところ、ニュースの面でも政治レベルでの経済会議だの、経済政策の通達などが続いており、「通常の生活を取り戻す」とされている6月ももうすぐだ。

だが、政府の掛け声とは裏腹に、メディアを通じて流れてくる現場の声はこれまでになく、悲壮なものばかりだ。

多少明るいニュースといえるのは、5月26日に発表された「阿里巴巴 Alib

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【ぶんぶくちゃいな】ポストロックダウンに舵を切った上海、そして中国

とうとう、上海がロックタウン解除へのスケジュールを発表した。それによると、「解放」は以下のように進められることになっている。

もちろん、これらには「厳しく感染予防対策を敷き」「新規感染者数増大を抑え」「厳格な感染コントロールの常態化」といった条件がついているものの、最終的には6月末までに日常を回復することを謳っている。

その発表とともに、ネットには以下のようなタイトルの記事が並んだ。

「上海

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