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さよならまたいつか。
青黒い頬。赤黒く染まった耳たぶ。
下唇には堪えたときにできたらしい、血塊がうすくこびりついている。
17年ぶりの再会、たった半年の想い出。
とても軽いようで、貴重なようで、すごくちょうどいい。
去年の夏、長い空白をはさみ、お互いに少し太って老けた姿で待ち合わせた。
始めて会ったときからは20年が経っていた。
懐かしさと僅かに当時のほろ甘い想いの入り交じった気持ちが染み渡っていく。昔なかったハ
花火大会と浴衣とビール
子供のころ一発も見逃したくなくて「花火大会」に卑しかった自分。虫に刺されていることにも気づかず花火の虜になった。家に帰ったら赤い斑点に覆われた手足に塗布されたキンカンがきつく染みた。
その頃の私にとって、夏に花火を見ないなんて、東京に行ってディズニーランドに行かないも同然のことだった。
いや、もちろん東京に行ったからといって誰もがディズニーランドに行くわけでないことくらい今は理解しているが、当時東
合コン二十年やりました(2)
三十歳を過ぎた頃、職場が変わった。環境が変わって合コンの頻度は減るどころかさらに加速していった。いつの時代も、どの場所に行っても、私の周りに集まる女性たちはみな、恋人を欲しているのだ。「類は友を呼ぶ」ということわざがあるくらいだから、最もな現象なのだろう。ここでは私の転職歴の多さを特権に、昔の会社、その取引先、従兄弟、考えつく限りの合コンやってくれそうな人脈という人脈をフルスロットルに活用し、尽く
もっとみる「アイドルになりたくて…」
子供の頃の夢はズバリ「アイドル」。綺麗な衣装を着て、人前で歌って、声援を受け、同年代の男性アイドルとコントでイチャイチャし、時々水大会で水着姿を披露する。皆にチヤホヤされ、脚光を浴び、毎日が楽しくて仕方ないであろうその存在に果てしなく憧れた。本当はアイドル達の笑顔の裏に隠された血のにじむ苦労などあるのだろうが、片田舎に住む女児には知る術もなく想像もしない。
私の小学生時代花のアイドル全盛期だ
合コン二十年やりました(1)
合コン…それは男女合同の飲み会(=コンパ)、つまりは「男女合同コンパ」は、略称「合コン」と呼ばれ、その文化は一九七〇年代から始まったといわれている。すでに四十年近くの時を経て、若い男女の間で形を変えながら夜な夜な楽しまれてきた「合コン」。近頃では、高齢化社会に比例してか、この合コン実施平均年齢も高齢化しているように思われる。
私が長きに渡りこの年齢までおこなってきた合コン。どれだけの場数を踏