旅するエッセイ

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記事

小包をおくるためにハワイへ行った

12月に会社の仲間とハワイに行った。
ハワイでいちばん楽しかったのは、一緒に旅行に行ったみんなと離れて、ひとり地元の郵便局へ出かけたことだ。

ハワイへ旅行に行く少し前に、ドイツに住んでいる友人からサプライズでクリスマスプレゼントを送ってもらったので、お返しにハワイからサプライズプレゼントを贈ることにしたのだ。

みんながオリジナルサンダルを作っているあいだに、ハワイで買ったタオルやパンケーキの粉

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渋谷系って何なのさ

わたしの年末年始は渋谷系プレイリストと共に過ごしている。Twitterのタイムラインでこんなプレイリストを見つけてしまったからだ。

ポップカルチャーニュースサイト 音楽ナタリー
「1990年代生まれが作る渋谷系プレイリスト」
https://natalie.mu/music/column/361381

渋谷系が流行ったのは1990年代だから、プレイリストを作った彼らは「世代」ではない。ちょうど

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海の向こうからの贈り物

ある日の夜遅く、仕事に疲れきってとぼとぼと帰宅して宅配ボックスをあけるとDHLの黄色いシールが貼られた小包が入っていた。ローマ字で宛名が書かれている。

海外からだ。
差出人はドイツに住む友人からで、小包の中にはドイツの食べ物がたくさん入っていた。

ドイツの夏にかかせないシュパーゲル(白アスパラ)のインスタントスープ。
カリーヴルストのパウダー。カリーヴルストは、焼いたソーセージをぶつ切りにして

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津田くんとつだ小学校

ある日、津田くんが言った。「つだ小学校っていうのがあるんだよ」と。小学生だったわたしは幼なじみと一緒に、その日だけ珍しく遊びに加わっていた津田くんの話しを聞いていた。

友だちと同じ名前の学校があるなんて信じられない。

「そんなのあるわけないよ!」

わたしたちは、津田くんを嘘つきよわばりした。

先日、初めて訪れる町を歩いている時にふとその話しを思い出しておもむろにスマホで検索しみた。小学校2

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やがて絶望する恋

エストニアの首都タリンにクム美術館という現代美術館がある。旧市街から東側へ少し離れた場所にあり、花々が美しく咲くガドリオルグ公園を抜けた先の小高い丘に位置している。ちなみにガドリオルグ公園はロシアのピョートル大帝が妃のために作らせた庭園で、その真ん中にガドリオルグ宮殿という思いの外こじんまりとした、でも装飾はしっかりデコラティブなバロック形式の宮殿がある。

平日の昼間だからかクム美術館の入場客は

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カルディの功罪とフィンランド饅頭

海外旅行のお土産選びが年々難しくなっている。
はじめて海外のお土産をもらったのは30年前だ。伯父さんの新婚旅行のハワイ土産で、缶に入ったうずまき状のチューインガムだった。缶の蓋には赤や黄色でポップな英字ロゴがデザインされていて、その中にはピンク色のガムがホースみたいにぐるぐると長く丸められていた。見たこともない派手なお菓子にテンションが上がったのを覚えている。

この夏、はじめてフィンランド、エス

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35℃の体内

暑い。

午前中に買い物をすまそうと思って10時頃に出かけたのに、色々と買う物を迷っているうちに気がつけば12時を過ぎてしまっていた。買い物袋を右手と左手にときどき持ち替えながら息を切らせて歩く。スマートウォッチで現在の気温を確認すると35℃だと表示された。ほぼわたしの体温だ。

遊牧民がする動物の解体を思った。動物はわたしだ。白いお腹をサクッと割いて肉をゆったりと手のひらでめくりあげる。皮と脂肪

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