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大人ゲイです。 X(Twitter):@voyager20230101

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最近の記事

ボディビルダーのJ。

自分がゲイであることを直視しない・できないまま、しかしいかにもゲイっぽくジムに通い始めた大学生の僕。 ジムでは黙々と筋トレ、そこで友達をつくるようなことはなかったんだけど、数少ない例外がJ。僕と同年代の中国系ニュージーランド人で日本語が少し苦手、たしか市役所の国際交流推進室みたいなところでバイトしてると言ってたっけな。 Jは仕事上、◯◯大学と付き合いがあったらしく、僕がそこの学生だと知って、それがきっかけで話をするようになってました。 Jは血統的には純粋に東アジア人のは

    • ゲイが筋トレ始めた時のこと。

      僕は大学に進学しても実家から通っていて、相変わらず気難しい母の機嫌を損ねないように気を遣っていたし、自分がゲイであることは直視できていないというか、極力考えないようにしてたんです。いつかは結婚して子供を作り、生命保険会社が持ってくる人生プランの資料みたいな人生を送るんだろうとぼんやり想像してました。 なのに、一向に女の子にときめくという現象が起きないし、むしろ男の子に目がいく。それもどうも特に筋肉質な男の子に心奪われるらしい。 それで僕もジムに通い始めて。 その行動はい

      • 社会の表側を歩くT君。

        グループ企業間の人事交流でうちの部に来た京大卒のエリートT君。 イケメンとかそういうわけではないんだけど、何もかもがなんと言うか、正統、王道。言うことも真っ当。彼にとっては新しい職場なので、そりゃ分からないことも多いんだけど、その質問の内容もいちいちごもっとも。 字が綺麗。 学生時代は剣道やってたって言ってたっけかな。 嫌味のない愛されキャラの若手、だった、当時は。 群馬の支店に配属になったことがあったとかで、その時に知り合ったらしい群馬県出身の女性と結婚。一女をもうける

        • カウンターの中のR。

          ゲイバーのカウンターの中の人とちらちら目が合う。向こうは僕より一回りは年下な感じ。 初めて見かける店子さん。Rと呼ばれているらしい。お店混んできているし、邪魔しちゃ悪いし、普通にしていようとするんだけど、やっぱ時々、ちらちらと見てしまう。 お客さんがはけて落ち着いてきて、僕もそろそろ店を出るかなあというところで、勇気を出して声をかけてみる。 向こうも声を掛けたかったみたいで、「だよね。やっぱり思ったよね。」と声を合わせることに。 似てたのである。お互いすぐに気が付くく

        ボディビルダーのJ。

          Iくんは彼氏だったはず。

          Iくんはセフレじゃなくて、ちゃんと「彼氏」と認識した最初の人だったかもしれない。 とあるバーに、19時台とか早い時間に現れる人で、僕も早上がりの日に帰りにちょっと寄ると、時々見かけた。 奥手な感じで、でも顔は濃くて、小声で話をする人だった。 早い時間のバーは人が少なくて小声でも話ができたし、僕も声が通りにくい声質でうるさい場所が苦手なので、2人でゴショゴショ話してたら、Iくんの仕事も僕と一緒の業界で。 二人で何度かご飯食べに行って、あまりエロくない、関係を確認するような

          Iくんは彼氏だったはず。

          初めて仕事関係でゲイだとバレた、Y。

          はじめて仕事上の同僚でゲイとバレたのが、Y。 直接出くわしたことはなかったんだけど、同じバーに出入りしていたらしく。 僕が数回転職を繰り返した後、聞いても世界地図で場所を指せないくらいマイナーな国に出張し、挙句の果てにその国に赴任してしまっていた頃。 Yも同じ国に赴任していて。 で、とあるバーでママに赴任の話をしていたら、そのママが「そういえばうちの店にその国に赴任している人、他にもいるわよ」とヒントをくれたそうで。 その国に住んでいる日本人なんて100人もいないので、国

          初めて仕事関係でゲイだとバレた、Y。

          Aが好きなのは僕だったけど。

          たぶんAは、いいとこの子だったはず。一族で経営している医療法人の理事かなんかの席をあてがわれて、仕事してるのかしてないのかわかんない感じだった。 読みが鋭くて、人が考えていること、言うに躊躇していることを何のてらいもなく口にした。 そんなデリカシーのなさが、僕はちょっと苦手だった。 Aといると、Aの手のひらの上で泳がされているような気分だったし、Aもそういう態度をとっていた。「お前のことは全部お見通しなんだよ」って、いつも人より上に自分をマウントしていた気がする。 ただ

          Aが好きなのは僕だったけど。

          マッチョなHくん。

          大学院に進んだ時、院から合流してきたHくんっていう人がいてさ。 背はあまり高くなくて、黒縁メガネで、イケメンとは言えないけど、特に数学に秀でてて。いち早く博士課程に残ることを決め、たしかすぐ助手のポストに就いたはず。 同じ大学院に50人くらいの同期がいたのに、なぜHくんを覚えているかというと、彼がマッチョだったから。 今ほどジムがどこにでもあるわけじゃなくて、プロテインとかも高かった時代なのに、すれ違いざまに二度見するレベルの筋肉だったな。 口数少なくてシャイな感じだった

          マッチョなHくん。

          色恋にならなかったゲイ友K。

          当時住んでいた中野のアパートの近くに住宅街の中でやっているモグリのバーをネットで見つけて、時々飲みにいってた。お店に入る時は、他人の家を訪問する時みたいにピンポンって鳴らすの。 そこで出会ったK。 Kは、「こっち」の友達だけど本当に友達、彼とは色恋には走らなかった。けっこう整った顔してて、人当たりが丁寧で、ちょっととぼけてて、漫画だと主人公の親友で出てきそうな感じ。 Kとは最初から、友達として親しくなった。 ゲイだからって、男だったら誰でも恋愛対象なわけじゃない。Kはジャ

          色恋にならなかったゲイ友K。

          かわいい男T。

          T。僕より少し背が高くて、たぶん185cmくらいあったと思うけど、かわいい男だった。飲食店でバイトしていて、赤白のチェックのエプロンが似合ってた。 Tは毎日、「僕ね、今日はこんなことしたんだよ」「こんなことあったんだよ」って、学校での出来事をお母さんに報告する小学生のようにメッセージを送ってきた。 かわいかったよ。 ただ、僕にそれに応えるだけの度量がなかった。その時になっても僕はまだ、自分がゲイであるということを直視できていなくて。 真っ直ぐに向かってくるT。Tと付き合う

          かわいい男T。

          最初のゲイ友Sのこととか。

          「成長すれば、女の子が好きになって恋愛するのかもしれない。」高校生の頃までそんな風で、男に惹かれる自分を直視してなかったな。 大学も、なんなら大学院まで実家から通ってしまったし、頭のカタい、いつも割と機嫌が悪い親の前では自分のセクシャリティのことなんて言い出せるはずもなかったし、ずっと目を逸らして、押さえ込んだまま24歳になった。 就職で上京して、やっと親兄弟親戚、地元の人間から目の届かないところにきて、遅いデビュー。 といって、何をどこから始めていいのやら。長い抑圧期間

          最初のゲイ友Sのこととか。

          【自己紹介】大人のゲイの今。

          地方都市の割と保守的な環境で育ったので、この年まで親兄弟親戚には一切カミングアウトしてない。しようと思ったこともない。とはいえもうこんな年になったし、そろそろ自分の経験を綴っておくのもいいかなと。 ナヨナヨしたり、ホゲホゲしたりしないし、言葉遣いもいたって普通なので、たぶんこのまま、ゲイとバレないままいく可能性も高いし。 ゲイといえば、芸能や芸術、ビジネスの世界で華やかに活躍するか、いろいろ拗らせて日陰の人生を送るかどっちかのようなイメージもあるけど、僕みたいな、あなたの

          【自己紹介】大人のゲイの今。