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日々の生活で見たもの、考えたこと、制作物等々をつらつらと書いて置いとく備忘録。書籍、写…

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日々の生活で見たもの、考えたこと、制作物等々をつらつらと書いて置いとく備忘録。書籍、写真、音楽、映画が好きなので、それらの記事が増えていく予定です。

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最近の記事

二度と会うことはない人

夢の中にある女の子が出てきた。小学生の頃、ミニバスが一緒だった子だ。その子の高校最後のバスケの試合を応援するという夢だった。 しかし、現実では高校が違う。たしか小、中学と同じで女子バスケットボール部にいた気がする。でも、どんなに思い出そうとしても、記憶がふわふわとしていて、絶対にそうだとは言いきれない。 そんな女の子を10年振り?くらいに思い出した。名前だけはしっかり覚えている。とはいえ、中学時代の友達で今も仲の良い人はいないし、もう繋がりもない。もう二度と会うことない人だ

    • 引越し所感。

      最近、引越しをした。 前の場所は、適度に寂れていて、居心地は良かった。布団を敷けばほぼ移住スペースがなくなることや都内とは名前だけでほぼ埼玉であることだったり、色々と不便なところはあったが、住めば都、石の上にも3年といったところだ。勝手を知った土地になったし、美容院や居酒屋など行きつけにしているところもできた。 でも、独身なのに1ヶ所に住み続けるはどうなんだろうと去年から思い始めていた。そこにコロナの影響で、テレワークが増え、狭いワンルームでオンオフが混在し始めたこと。アラ

      • モーニングルーティン

        1R6畳半の無機質な四角の中は、纏わりつくようなエアコンの空気が満ちていた。ニトリで買った安物の布団セットは、朝方窓から漏れる冷気に耐えられず、役割を放棄しがちだった。のそのそと枕元に置いてあるiPhoneに手を伸ばし、暗い部屋には不釣り合いな煌々とした画面で時間も確認する。まだ起きるには早く、二度寝するには物足りないことに少し気分が落ち込むが、寝起きのぼんやりとした頭ではそのことまで理解できていないのかもしれない。手癖で開いてしまったTwitterのTLには、深夜にぽつりぽ

        • 新年の抱負 ver1.2

           最近でもないが、何をしてもなんかしっくりこなかったり、思っていた楽しさを超えてこなかったりと物足りなさを多く感じていた。友達と会って遊んでも、映画を見に行っても、バイクに乗っても、音楽を聞いても、本を読んでもとあれこれ好きなことをしているはずなのに、なんか違うし、めちゃめちゃ楽しいと感じない。どこか満足していなかった。  何がその隙間を埋めてくれるのかと考えては、持っていないものに惹かれてみたり、現状を嘆いてみたり、なにか新しいことをしようかと悩んでいた。大きく人間関係や

        二度と会うことはない人

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        • 雑感
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        記事

          なぜ、フィルム写真は懐かしいのか。

           何年か前に流行した「写ルンです」に添えられていたのは、エモいという言葉だった。意味は多岐に渡るエモいだが、今回は懐かしいという意味で使われていることにする。最初はレトロなデザインと今は日常的に使われてことはないフィルムがどこか懐かしさを誘うのかとざっくばらんに思っていたが、それでもないのかもしれない。  まぁ、そんなことを考えついたので、とりあえず書きとめておくことにする。 写真を見るまでに時間がかかる フィルムはそもそも生産が少なく、日に日に値段が上がっており、1本70

          なぜ、フィルム写真は懐かしいのか。

          絶滅への進化

           ある日、世界に新種のウイルスが産声をあげた。突然変異によって生まれたその病原体は、自身の力を誇示するように瞬く間に蔓延し、国を超え地球を飲み込んだ。人間のみを媒介とし、1度かかればその身体朽ちるまでウイルスホルダーとして感染源となってしまうといった研究結果が出るまで長い時間はかからなかった。各国首脳は、歴史に類を見ない人間という種の保存を目的とした声明を連名にて発表した。その内容は、希望する感染していない人間をスペースコロニーに異動し、感染者が絶滅するまで新たな共同体として

          A to Z

          あたりが徐々に黒に染まり始め、 白い光が灯り出す。 家路につく疲れたサラリーマンの流れに 逆らう優越感に浸りながら、 後ろには子供1人くらい 入れてしまうような荷物を連れて、 駅へ向かってゆっくりと歩いていく。 追いかけてくるような人はいない。 関係が少しづつちぎれっていった 日々に思いを馳せる。 綺麗になった身の回りのおかげか、 空気さえも澄み切っているようだった。 蹴りたい背中はもう見えない。 「こうまで差が開くとはなぁ……」 寂しさに漏れた言葉を聞く

          東京に住んで変わったこと。

           最近よく服を買うようになった。大学生の頃は、あんまり気にしてなかったが、社会人になってから買うペースがどんどん早くなってきている。単純に使えるお金が増えたってのもあるだろう。ただ一番の理由としては毎日バイクに乗る習慣がなくなり、服装を気にせずよくなったからだとずっと思ってた。(別の意味では気にしてるのだが……。)なぜなら、突然、雨で濡れることも、泥跳ねや油汚れもないし、防風性能もいらない、動きやすくなくていい。  だけど、久しぶりに地元の駅から家までの道を歩いてて、色んな

          東京に住んで変わったこと。

          Yume no naka

           久しぶりじゃん、なんでこんなとこにいるの?他の奴と連絡とってる?  そういえば、あいつ結婚したらしいじゃん!  式も呼ばれてないし、全然知らなくてさ。こないだ、たまたまFacebook見てたら、奥さんと子供の写真が上げててビックリしちゃったよ。  それも、あの奥さん、吹奏楽部の子でしょ?  高校の時は喋ってるのも見たことなかったのに、いつの間に仲良くなったんだろうね。  あー、大学同じだったんだ。全然、知らなかった。  そういえば、最近服買ってる?前はよく二人で町田の古着屋

          海が聞こえる。

          海が聞こえる。一人暮しの生活音がしない静かな部屋で耳をすませないと聞こえないくらい小さな音。何かきっかけやタイミングはないと思う。夜明けだったり、夕食どきだったりする。決して不快な音じゃないけど、どこか気になる。懐かしいような切なさを含んだそんな音。近場に川あるけど、海までは遠く離れているので聞こえるはずがないのに。 そんな時は決まって、水道水を飲むことにしている。カルキが香る都会の味気ない安全な水。無味無臭だと思っていた水にも美味しさがあるんだと、塩分過多の飽食に麻痺した

          海が聞こえる。

          大人っぽいは、大人ではなくイメージである。

          なぜ、子ども扱い? 友達が会社で子ども扱いされると話していた。社会人になるまでは、そんなことはなかったらしい。何が違いなのか気になったので、考えてみた。  すぐ思いついたのは、歳の差の振り幅である。学生時代の歳の差は微々たることが多いが、社会では、ひとまず60歳を上、18歳を下と考えると42歳差もある。この歳の差が立場は違えど、同じ組織に属しているというのは、今までになかったはずだ。その振り幅によって、子ども扱いに感じるということ。  だが、今回の話はさほど歳の差がない同期

          大人っぽいは、大人ではなくイメージである。

          煙草三本の言葉遊び

          家で腹いっぱい飯食って、 酒飲みながら煙草片手。 フラフラ揺れて、微睡む。 傍らには焚いた白檀の香り。 静かに不安の幕は閉じていく。 誰も知らない。 知ってるのは、あなただけ。 そこはかとなく新しい世界が迫る時刻。 いつもより150mlだけ多いビール に溶けていく。 緊張の意図は解けていく。 アコギのキラキラした音色に 居心地の悪さを覚えるなら、 さぁ肩の力を抜いて。 汚したフィルムに残る手垢は、 手癖を残している。

          煙草三本の言葉遊び

          誰にでもできる評価されない仕事を頑張る人

          文章の意図 これは、誰にでもできる評価されない仕事を頑張ってした自分自身を自己肯定するための文章であり、他の人に対して同じ考えを勧めるものではないことを先に断っておく。ましてや、働くこと自体が好きではないので、仕事に対する心構えだとかそういったものでもない。あくまで人知れず頑張った自分を決して間違った行動ではないぞと慰めるためのものである。 誰にでもできる評価されない仕事 前書きが長くなってしまったが、コロナ等々の影響もあり、現場で行われている肉体労働のお手伝いに駆り出され

          誰にでもできる評価されない仕事を頑張る人

          センスが欲しい

           常々、センスが欲しいと思う。  もちろん万物に対しての一定のセンスは喉から手が出るほど欲しいが、ここでは個人的な趣味においてである。そこでなぜセンスが欲しいのかを自分語りになってしまうが、話させてほしい。  幼少期、趣味と言えるような嗜好は全くなかったのだが、高校生になった頃から趣味を楽しんでいて、造詣が深い人に憧れを持つようになった。うちの家族や親族は、そういったものに疎く、言っちゃ悪いが文化的要素を持っていると思える人が今考えてもおらず、ある一種のカウンターだったのか

          センスが欲しい

          自浄作用

          染められた電灯は昔の賑わいを映し出す。 繰り返しの日常に夏の影が混ざり出す。 虚勢を張るように色艶やかな服を纏い、 秘める想いを隠された本棚へ仕舞う。 世界は反転したが、淀みを洗い流すように押し戻される。 古巣に戻らないと自身に会えないと喚く小鳥の声。 真実を陰湿に捉えゆく小市民の群れの行く末、徒党の音は鳴り止まず、末路には赤子も泣き止まぬ。 密室が纏う闇に蹲る未来は俯かず。 万物の流転はとめどく、平等に自浄する。

          白昼夢

           朝起きると、部屋の中を寂しさが歩いていた。 体に緊張が走り、一人暮らしなのになんでと考えが瞬時に回るが、「あぁ」と納得し、安心からまた睡魔が襲い始める。世間にコロナウィルスが蔓延し外出の自粛を求め始めた頃、いつの間にかうちに住み着いてしまったのだ。そろそろ追い出さなきゃとは思ってはいても、タイミングが悪く、今に至る。  寝起きの曇った頭をどうにかするためにも、ニトリで買った布団セットを押しのけ、洗面所に向かう。この布団も間に合わせで買ったはずなのに、新しいものを買うの