見出し画像

煙草三本の言葉遊び

家で腹いっぱい飯食って、
酒飲みながら煙草片手。

フラフラ揺れて、微睡む。

傍らには焚いた白檀の香り。

静かに不安の幕は閉じていく。

誰も知らない。

知ってるのは、あなただけ。

そこはかとなく新しい世界が迫る時刻。

いつもより150mlだけ多いビール
に溶けていく。

緊張の意図は解けていく。

アコギのキラキラした音色に
居心地の悪さを覚えるなら、
さぁ肩の力を抜いて。

汚したフィルムに残る手垢は、
手癖を残している。

香る陰鬱は、
染み付いて離れない体臭
みたいでしょ?

大丈夫、誰も見てないから誰も知らない。

ここはあなたの心の中。

浅はかな共感に縋ることなく、
倒れていい所。

誰も気にしない現実は、現実でない。

エイプリルフールに愛された部屋。

何を言おうが、
虚言にならない
幸せな世界の片隅。

対人距離は増大し、
「ここだけは僕達だけのもの」
と屈託のない子供が言う。

見覚えのある顔だなんて、
野暮なことは言いっこなしだ。

ここでは仮面を脱いだ人
しかいないんだから、
顔なんて分かるはずないじゃないか。

全くもって、可笑しいことを言う。

もしかして君は俗物かい?

誠に残念だけど、お呼びじゃないよ。

だって、今は個人が存在しない
溶けたパーティの最中だもの。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?