凝縮された波乱万丈
今年のお盆休みは、コロナに始まり台風で幕を閉じた。
この最悪な環境下にあっても、気持ちは常に前を向いてた。
「絶対に、家族と海へ行く」
この強い思いを胸に、車を買い換え、ホテルを予約し、娘の喜ぶ綺麗な海を探した。
満を持して、事に臨んだ。
今回、思いっきって購入した赤のアテンザ。
この新たな相棒は、全く疲れを感じさせない走りを魅せてくれた。
約2時間のドライブは、乗りっぱなしでも快適に私たちを目的地へと運んでくれた。
台風7号が近畿を縦断する恐れがあるという報道を耳にし、ギリギリまでホテルをキャンセルすべきか悩んだが、結果的にキャンセルしなかった。
「今更、娘との約束を反故にすることなどできない…」
そして、その選択は間違いじゃなかった。
ホテルの駐車場に車を停め、歩いて10分ほどのところに海水浴場があった。
天橋立海水浴場の海は、青くて美しかった。
他の海水浴客たちも、家族連れや友達同士の若者など、様々に賑わっていた。
ちょうど正午に海に着いてから1時間ほど経って、だんだん波が荒くなってきた。
海水浴場では、泳ぎに自信がない者は、遊泳しないようにと、アナウンスされた。
私たち家族も、海を十分に堪能できたので、最後の方は見るに徹して、キリのいいところで切り上げた。
ホテルに戻り、休憩して、温泉につかり、食事をした。
日本海を一望できるオーシャンビューの部屋だったが、暗くなるにつれて、さらに波がうねり出し、いよいよ雨が降ってきた。
夜になると、私と妻の携帯には、警報アラームが何度となく鳴った。
部屋でニュースを見ながら、さて、明日はどうしたものかと、色々な悩みが溢れ出した。
「宿泊延長できるのかな」「高速道路は通行できるのかな」「どのタイミングでホテルを出るのが良いかな」などなど。
それでも、途中で心配するのを辞めた。
これまでも何とかなってきた。
過去に一度だけ、独身の頃にとんでもなく無茶な運転をしたことがある。
真冬にノーマルタイヤのまま、岡山国際サーキットに向かって、大雪の中を走行したことだ。
その頃は、MAZDAロードスターが相棒だった。
大雪警報が出る可能性があったにも関わらず、サーキットのイベントに参加したいがために、無謀にも会場へ向かったものの、案の定、大雪警報が出て、イベントも中止になったという痛い思い出がある。
それでも、現地まで行って、何とか無事に帰宅できた。
※このときが1番危ない運転だった。
意図的ではないが、車を滑らせながら、死に物狂いで帰還した。途中、自走は無理だと思ってJAFに連絡してみたが、警報の最中だったからか、全く繋がらなかった…
そんな経験をしたからこそ、逆に強気でいけたのかもしれない。
「鈴鹿サーキットで何度も走ってた俺が、台風ごときに負けるか~」
そこまで過信してないが、何とかなるという根拠のない自信を背負って、予定通りチェックアウトし、今の相棒に乗り込んだ。
往路で走った京都縦貫道は、途中で通行止めにあって下ろされた。
そして、下道をダラダラと走り、カーナビが案内してくれたのは中国自動車道の入口だった。
兵庫県経由で迂回して大阪に入り、復路は3時間かけて家路に着いた。
京都縦貫道は、土砂崩れの危険性があったのだろう。
代わりに走った中国自動車道も、大雨が視界を遮るほどの勢いだった。
それでも、パパの運転を信頼してくれてたのか、走行中は妻も娘も大人しく寝ていた。
何事もなく無事に帰還できた。
旅行前にコロナにかかり、旅行中は台風にあい、大変ではあったが、家族との幸せな時間が持てて、大変満足なお盆休みとなった。