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創作物

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いつか無くなってしまう思いを託しました。
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ちらついて触れては解けて滲みてもいつかの朝の枕辺に見る

わたし的『詩的な感覚とその表現』

わたし的『詩的な感覚とその表現』

思い出す度に何度も味わう「失敗の記憶の苦さ」を、「手に残り続けるチョークのざらつき」に喩えること。

「もう会えないけれど私を支えてくれる人の思い出」を、「秋の終わりの海辺で灯る静かな火」みたいだと思うこと。

浴室にて「掌からぽとぽとと零れ落ちてゆく水の粒」が、「失われてゆく人の記憶」みたいに見えたこと。

「今日は寒いねとあなたが言い終わったら、私を泣かせる十分前だね。」なんてその未来から過去

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生きるとは

生きるとは

湿った道の上を一生歩き続けているが、この陰鬱なトンネルの先は見えない。おまけにここらは嗅いだことのない様な嫌な匂いがする。塩素系漂白剤と真夏の太陽に晒された生ゴミを混ぜた様な匂いである。最もそんな物を嗅いだことは無いのであるが。道には窪んだ穴が所々に空いており、穴並々に溜まった泥水に浮かぶ様にして深い緑の苔が繁茂している。それらに足を引っ掛けないようにしながら前へと進むには、目を閉じるわけにはいか

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収まりのいい入れ物みっけ 「元気かな」あえてつぶやき懐かしむ