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息子に紡ぐ物語

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1男1女の子供を持つ平凡なサラリーマンと、父で作家の「長谷部さかな」は、不思議なキッカケから毎日メールをやりとりすることに。岡山県の山奥にある見渡す限りの土地や山々はどのように手…
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2022年10月の記事一覧

【339日目】:ワクチン

【339日目】:ワクチン

ご隠居からのメール:【ワクチン】

順天堂大学付属浦安病院で三回目のワクチン接種を受けた。これでコロナウイルスへの私の抗体は最強ブースターになったと医師は言う。

しかし、ワクチン接種にはほんとうにコロナ禍を予防する効果があるのか、という根本的疑念は残る。昨年の春頃は、ワクチンにゲームチェンジャーだという期待が高まり、私自身も「ワクチン接種がすすめば、コロナ禍は終息に向かうだろう」という期待を強く

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【338日目】:がん検診

【338日目】:がん検診

ご隠居からのメール:【がん検診】

市役所健康増進課から、がん検診受信券が送られてきた。具体的にいうと、胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、成人歯科検診、である。胃がん検診以外は毎年十月にかかりつけンのクリニックで検診を受けることになっている。

胃がん検診は受けない。胃にはポリープがうようよ育っていることがわかっている。バリウムの検査でひっかかるのが確実で、二次検査の内視鏡検査

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【337日目】:脳はバカ、腸はかしこい

【337日目】:脳はバカ、腸はかしこい

ご隠居からのメール:【脳はバカ、腸はかしこい】

養老孟司先生の『バカの壁』を読むと、つくづく「脳はバカだねぇ」と思う。その養老先生もさすがに「腸はかしこい」とまでは言っていないが、藤田紘一郎先生は『脳はバカ、腸はかしこい』という題名の本を書いている。腸のどんなところがかしこいのか、と藤田先生は言っているのだろうか。

五十歳以上になって、糖質を食べ過ぎると、身体の中に活性酸素が増える。その結果、

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■【より道‐112】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報「永正の錯乱」

■【より道‐112】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報「永正の錯乱」

中世・戦国期の時代がややこしいのは、有力大名のお家騒動に加えて、家格が「下の者」が「上の者」打ち負かす。つまり、下剋上がおきたことになりますが、これまた、あっちこっちで、いろんな問題が起きているのでなかなか頭の整理がつきません。

足利将軍家でも「応仁の乱」や「明応の政変」「船岡山合戦」とよばれるお家騒動がおきていますし、有力武家の六角氏、畠山氏、斯波氏、京極氏などのお家騒動が複雑に絡みあったりも

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【336日目】:強制収容所体験記

【336日目】:強制収容所体験記

ご隠居からのメール:【強制収容所体験記】

V.E.フランクル『夜と霧』の原題は、一心理学者による『強制収容所体験記』というほどの意味らしい。私が書いた『パンデミック入院体験記』と似たようなものだ。

しかし、似たような体験記でも、収容所の体験と病院の体験とではまったく違うようだ。入院すると、トイレへ通うたびに看護師がついてくるし、オムツを替えるときなどはまったく情けない姿勢を強いられる。そんなと

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【335日目】:コペルニクス的転回

【335日目】:コペルニクス的転回

ご隠居からのメール:【コペルニクス的転回】

コペルニクス的転回とは、旧来の天動説に対するコペルニクスの地動説のような180度の発想の大転換をいう。ニワトリが先か、タマゴが先か、という問いに対してニワトリが先だと主張していたのに、突然、タマゴが先だと言い出すようなものである。

心が先か、体が先か。従弟のトオルさんは、心が先だと言っていた。Mind creates everything.(すべての

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【334日目】:バカの壁

【334日目】:バカの壁

ご隠居からのメール:【バカの壁】

新型コロナウイルス感染で入院した時、私が一冊だけ病床に持参した本は、聖書や論語ではない。養老孟司『バカの壁』だった。人間、生死の竿頭に立たされた最後のギリギリ段階で考えるにはうってつけの本だという直観がひらめいたのだが、その直感は外れではいなかったと思う。

養老先生によれば、「人生には意味がある」「無意味(=ナンセンス)ではない」ーーそう考えたのはアウシュビッ

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■【より道‐111】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_細川政元という男

■【より道‐111】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_細川政元という男

色んな思惑はあったと思いますが、室町将軍・足利氏のお家騒動、「応仁の乱」が終結すると、幕府の権威が大きく衰退していったそうです。

権威といわれても、ピンときませんが、11年ものあいだ戦が続いていたので、足利一門の兵力が衰退したことは間違いないでしょうし、「応仁の乱」で駆り出された足軽農民たちが、武器を持ち一揆を起こしたり、神仏社や公家の領地を横領しだしたりーー。

最前線の国人が農民たちをまとめ

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【333日目】:クスリのリスク

【333日目】:クスリのリスク

ご隠居からのメール:【クスリのリスク】

「クスリのリスク」ーークスリは日本語、リスク(risk)は英語だが、組み合わせて使用すると、うまい具合に回文(palindrome)になって、意味もなんとか通じる。たしかに、クスリには毒のリスクがあるのだ。

医師の説明によれば、たとえば、今回、間質性肺炎の治療薬として私の身体に投与されたプレドニンというクスリはステロイドであり、投与を急にやめると、副腎で

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【332日目】:もしかしてブレインフォグかも・・・?

【332日目】:もしかしてブレインフォグかも・・・?

ご隠居からのメール:【もしかしてブレインフォグかも・・・?】

ブレインフォグ(Brain fog)は直訳すると「脳の霧」という意味で、脳に霧がかかったようにモヤモヤとして、日常的な物事をしばらく思い出せなかったり、普段からやっていることが混乱してできないなどの症状が出るものだという。

正式な病名ではないが、私が起立性(神経性)調節障害になっているときの症状のようなものだと思う。一分間、何かにつ

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【331日目】:もしかしてフレイルかも・・・?

【331日目】:もしかしてフレイルかも・・・?

ご隠居からのメール:【もしかしてフレイルかも・・・?】

新聞のちらしとともに配達されてきたパンフレットの文章が目にとまった。「もしかしてフレイルかも・・・?」というタイトルである。

フレイル(虚弱)かどうかの見分け方には5項目のチェックポイントがある。これらのうち、3つあてはまればフレイルの状態だ。

・体重の減少
・歩行速度の低下
・握力の低下
・疲れやすい
・身体活動性の低下

これらのチ

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■【より道‐110】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_ 六角高頼という男

■【より道‐110】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_ 六角高頼という男

ふと、思うのですが「応仁の乱」にかかわった、八代将軍・足利義政から、十五代将軍・足利義昭までの間を生き抜いた室町将軍たちのことをじぶんは、よくしりません。

織田信長が活躍した戦国期は、なんども脳裏に刷り込まれているので、なんとなく経緯を理解していますが、どうも歴史のカゲに隠れてしまっている時期が、我が家のファミリーヒストリーにはとても重要のようです。

「応仁の乱」後には、戦国期の突入を決定づけ

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【330日目】:老いない力

【330日目】:老いない力

ご隠居からのメール:【老いない力】

病気は老化現象かというと、必ずしもそうではない。老化が進行しても病気にならない人もいる。

そういえば、『老いない力』という本を読んだことがある。作者はデビッド・A・シンクレアとマシュー・D・ラプラント、訳者は梶山あゆみ、原作のタイトルは、『LIFESPAN Why we age--and Why We Don't Have to,』

LIFESPANとは人

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【329日目】: 健康経過観察(二回目)

【329日目】: 健康経過観察(二回目)

ご隠居からのメール:【健康経過観察(二回目)】

順天堂大学付属浦安病院呼吸器内科における第二回目の経過観察ーーレントゲン撮影と血液検査の結果、次の診断を下されたと知らされた。

間質性肺炎はほぼ完治に近いと安心してもよさそうだが、ネット情報によれば、間質性肺炎はいちど罹患すると、呼吸機能がじわじわ低下する致死率100%の難病で、今すぐ死ぬわけではないとはいえ、五年後には死ぬのがふつうだという。

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