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ビール傘

 
 私に言わせればシュルレアリスムの「解剖台上のミシン蝙蝠傘の偶然の出会いは美しいはもう古い!美しくない!ダサい!21世紀版にバージョンアップすべきです。 

 日本人なら蝙蝠傘三度笠に変えましょう。潮来の伊太郎、信州佐久の鯉太郎、木枯し紋次郎、清水の次郎長、森の石松、てなもんや三度笠、みんな三度笠の愛用者です。
 この三度笠と偶然に出会うのがビールです。女は黙ってさっぽろBEER!してその根拠は?と問う貴女、偶然の出会いに根拠など無い!

 この出会いによって、貴女はビール傘という美しき畸形を懐胎します。笠から傘への神秘的な変容。不可能性の可能態としての生成。存在の根源的な偶有性が露呈され、この糞ったれな日常が異化されてゆく。

 そして貴女は、解剖台ではなく、ガチャマシンの上でビール傘を分娩するのです。全て無根拠の根拠の散種の秘蹟の超越論的加速度性の顕現の夜の股旅三度笠として。

(季刊『美術手帖』某美術評論家(ガチャ中毒者)の論考要旨)


 
(420字)




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ロートレアモン『マルドロールの歌』中の「解剖台上のミシンと蝙蝠傘の偶然の出会いのように美しい」というフレーズは超現実主義(シュルレアリスム)運動に多大な影響を与え、標語のようになった。写真はマン・レイ。
珍念カワイイ!(オヤジ以上の年代にしか分からん!)
おまけ01(こ、この顔!^_^;)
おまけ02(珍念カワイイ!)
おまけ03(ガチャ:幼児に中毒症状が顕著。成人も。)
おまけ04(珍念カワイイ!)


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