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波のことばに捧げる詩
― 詩人Y・Kに ―
海から吹いて来る
遠い夏の記憶のように
ごく薄い水色から
真夜中の濃紺までの
星空よりも果てしない
あなたのこころと
ちょうど同じ
深さの海に
古の島は
霞を纏って浮かび
あなたは
潮風が描く波紋のように
かたちと色彩が舞う
ことばの絨毯を織りあげる
潮の流れに乗って
月まで泳ぐ魚たち
海から生まれる
いのちのきらめきに
わたしは慄き
見惚れて
波がやわらかに
砂と戯れる浜辺で
銀河を漂う浮島のミラージュから
さらさらと零れて来る
波のことばに
じっと聴き入るだけ
*近郊出身の詩人 小丸由紀子さんの詩集
『波のことば』の読後感想
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