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休職日記 2022.3~

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2022年3月から5月の休職に入っていた間の日常、感じたこと、復職後に考えたことなどを綴っています。
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2022年3月の記事一覧

休職日記 #15 年度末

3月31日の夜、満開になった桜を落としてしまいそうな雨が降ってきた。

この雨が、桜だけでなく、今年度残してきたこと、煩わしいこと、厄介なことすべて洗い流して年度が変わればいいのに。そして、綺麗さっぱりとした状態で晴れやかな明日が迎えられればいいのに。そう思いながら、休職して吸うようになったタバコの煙をくゆらせた。

現実は、昨日も今日も明日も、いい歳をした若者が日がな一日、調子が悪いと横になって

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休職日記 #14 優しくなりたい

休職日記 #14 優しくなりたい

斉藤和義の歌じゃないけど、最近そう思うことが多くなった。

自分で言うのもおかしいが、もともと「いい人」だったと思う。
財布や定期券などが道端に落ちていれば、拾って交番に届ける。店員さんには、きちんと丁寧に接する。当たり前のことだけど、余裕のない時代にこういうことをきちんとやるのは結構難しい。完全に出来てるわけじゃないけど、出来ていた方だと思う。

でも、人間、自分自身に余裕がなくなると、そういう

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休職日記 #13 眠りたいのに寝れない

休職日記 #13 眠りたいのに寝れない

健康な人に「眠たいけど寝れないことがある」と言っても、理解してもらうのは難しいだろう。「いや、眠たいなら寝れるでしょ」という反応は、ごく自然だろう。私もそう思う。だが、現実問題として「眠たいけど寝れない」のである。

休職に入る前から心療内科に行きだしたのだが、その主訴は「眠れない」だった。厳密に言うと、なかなか寝付けず、結果的に寝ている時間が後ろ倒しになり、朝起きられない。
フレックスタイム制か

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休職日記 #12 遠くへ行きたくて

休職日記 #12 遠くへ行きたくて

旅行が好きだ。私にとって、社会人になって良かったことは、お金ができたことで、悪かったことは時間がなくなったことである。もちろん、土日や大型連休はあるが、学生時代のように平日にふらっと出かけるといったやり方はできない。しかも、休日は仕事で摩耗してしまい、好きだったはずの旅行に行くエネルギーまで奪われる始末だった。

時間があると、どこかへ行きたくなってしまう質なので、休職で時間はある今の状況は、普段

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休職日記 #11 平日の昼間から

休職日記 #11 平日の昼間から

突然訪れた休みなので「転んでもただでは起きぬ」精神で、これまでやりたくてもできなかったことをしたい・・・と思うが心身が言うことを聞かないので、おおむね実現には至っていない。

今のところできたことの一つにワクチン接種がある。2月には3回目の接種券が届いており、予約さえすれば接種できる状態だったが後回しにしていた。
理由は2つある。
1つは仕事が繁忙期で時間が捻出しづらかったこと。ただ、接種自体は移

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休職日記 #10 本を読む

休職日記 #10 本を読む

今日は結構、調子が良い。朝からきちんとコーヒー豆を挽いて、ハンドドリップして飲んだ。昨日と変わり、昼間は天気が良さそうなのでたまった洗濯物も片付ける。朝の諸事が一段落すると、先日購入した本を手に取った。

元来、読書は嫌いではなかった。
小学校の高学年から中学に入るころにかけて星新一のショートショートにハマり、そこから派生して、いわゆる名作文学にも手を出した。ただ、その頃は「こういう作品を読んだ」

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休職日記 #9 体調の波

休職日記 #9 体調の波

つい先日、桜の開花宣言があったかと思えば今日は雪が舞っている。この寒暖差は、なかなかこたえる。今日は比較的調子の良いほうだが、ここ数日毎日していたコーヒーのハンドドリップをするほどの気力はなかった。布団に潜っていたいところだが、心療内科の予約があるので、そういうわけにもいかない。

医師の前で何を言おうとしていたのか忘れることが多いので病院へ行く前に、ここ最近の状況を振り返っておく。
休職後1週間

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休職日記 #8 選択の結果

休職日記 #8 選択の結果

「何やってんだろう」
休職に入ってから頭の中で反芻してきた。

地方の公立高校から東京の大学にわざわざ出てきて、文系には珍しく大学院まで行った。
就職でも、地元に戻らないことにして、勉強してきたことが活かせると思った業界に志望通り入った。
2年間、必死に仕事をしてきて、それなりの評価もしてもらっていた。その結果が今の休職である。

よせばいいのに、今の自分に何が残されてるのかを数えてしまう。
社会

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休職日記 #7 一日の過ごし方

休職日記 #7 一日の過ごし方

毎日、記事を更新しているが、きちんと習慣付いて毎日記事を書けている訳ではない。やはり、調子の良い・悪いはあるので、調子の良いときにまとめて記事を書いておいて、調子の悪いときは1文字も書かない。理想的には「1日1本書く」というリズムができれば良いとは思っているが、まだ時期尚早だろう。
休職開始から1週間ほどは、ほぼ一日中、布団の中にいることが多かった。そのうち洗濯や掃除などの家事をしたり、散歩をした

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休職日記 #6 休職のことを話すかどうか

休職日記 #6 休職のことを話すかどうか

地方から出てきて東京で一人暮らしをしている。そのため、休職していても、自分から言わない限りは親にも友人にも休職のことはバレない。少なくとも、これを書いている時点(休職開始から1~2週間経っている)で、親には言っていないし、友人にも2人くらいにしか言っていない。

別に、言ってもいいのだが、変に心配されたくないという気持ちが勝っている。先日も親から電話がかかってきて、仕事はどうだとか聞かれるのだが、

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休職日記 #5 手続きなど

休職日記 #5 手続きなど

心が折れたその日から、正式に休職が開始するまでは意外と手間がかかる。ただでさえ頭が回らない状態であるから、諸々の手続きは結構しんどい。

休職制度やその手続きは、会社によっていろいろ異なるだろうが、少なくとも医師の診断書はどこでも必要になるだろう。当たり前だが、診断書は受診しなければもらえない。

私の場合、メンタルダウンしたその日のうちに主治医に診てもらえた。ただ、人気のクリニックなら連絡した当

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休職日記 #4 うまくできなかったストレス解消

休職日記 #4 うまくできなかったストレス解消

私の場合、仕事のストレスで休職に至った。ただ、ストレスとの付き合い方だっていろいろとある。うまい具合にストレスを解消していれば、適応障害からの休職などという結果には至らなかったのではないかと、既に画餅となっているシナリオを思わなくもない。ただ、このコロナ禍でそれはやはり難しかったのではないかとも同時に思う。

私の社会人生活はコロナ禍とともに始まった。大学院を修了し、2020年4月に入社したが、入

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休職日記 #3 ストレスの質

休職日記 #3 ストレスの質

「適応障害」の診断を受けたものの、これがどのような病気であるのか判然としなかった。もちろん、医師から説明は受けたが休職の手続きや今後の心配などが、ただでさえ余裕をなくしている頭を占有しており正直、頭に入らなかった。
知らないことは調べたほうがいいし、なにより自分を休職に追いやった病気の正体をきちんと知っておきたかった。ネットに漂う玉石混交の情報や手持ちの役に立ちそうな本をいくつか眺めて、ようやくぼ

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休職日記 #2 症状の名前

休職日記 #2 症状の名前

心身に異常が出ると、やはり不安になるが、その症状の名前が分かると(症状が別段軽くなったわけでなくとも)幾分か不安は和らぐ。人間、最も恐ろしいのは「分からないこと」であり、名前があるというのは存外、大事である。

今回の休職も言ってしまえば「メンタル不調」によるものだが「メンタル不調」と一言で言っても病名は多様だ。
おそらくメンタル不調で最も有名なのは「うつ病」だろうが他にも「統合失調症」や「双極性

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