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きっと変化する、だから諦めない

あなたは、どんな働き方をしていますか?

会社勤め?

そうですか。それなら法律は身近ですよね?

そうでもない…⁈

なら、ちょっと気になる法律の話しをさせて下さいね。



非正規のための法律

さて、フリーで働く時代到来、なんて言われていますが、今の段階で確実なことがあります。それは、

これから働く人が減る、ということ。

ですから、これから職に就く機会が増えるわけです。

それなら知っておかなきゃ損ってことがあります。大きな声では言えませんが「非正規」、中でも特に「女性」に知って欲しい法律があるのです。もちろん男性にも。

それが何かと言いますと、

同一労働同一賃金。

でも、これは意外と分かりにくい。で、この法律をざっくりと表現するなら、これは、

パートやアルバイト、契約社員などの「非正規」で働く人のための法律。

そう、同一労働同一賃金とは、

「正規」で働く人と「非正規」で働く人の不平等を無くすための法律です

な~んてことを言うと、

いい加減なこと言うな!
そんな話聞いたことないぞ!
これは企業で働く人全員を平等にするための法律だ!

なんて怒られそう…ですが。

でも、決していい加減な気持ちでいっているのではありません。ちゃんと理由があるのです。




重なるのはほんの一部

実は、欧州にも同じような法律があります。ただ日本とは違います。何が違うのかと言いますと、社会の形が違う。つまり、

欧州の社会を貫いているのは「職務給制度」です。

それがどんな制度かと言いますと、

「同じ職務」なら、「お給料の相場」が決まっているということ。

はい、どこの会社でも、です。ですから、この働き方であれば、同一労働同一賃金は働く人全員に関係あります。

けれど、日本社会は違います。

日本の労働市場って独特。統一されていないのです。つまり日本は、

職務給」でも「能力給」でも「成果給」でも「勤続年給」でもOKという社会。

それはつまり、

どの形をとるかは「労使に委ねられている」ということ。

ね、この同一労働同一賃金、日本社会でカバーされている部分はほんのわずか。ですから、日本の今の働き方に、海外で使い込まれたこの同一労働同一賃金はフィットしにくい。

そう、形ばかりの法律なのです。




非正規をなんとかしなきゃ!

でも、この法律には使い道があります。それが、

「正規」と「非正規」で働く人の溝を埋める使い道。

もちろん、日本では非正規で働くのは、男性より女性の方がはるかに多い。それは誰でも知っています。

そして、同じ仕事をしていても「非正規」で働く人の給与は「正規」で働く人よりぜんぜん安いわけです。

それから、「正規」で働く人には交通費の支給や昇給昇格、退職金や家族手当があるけれど、「非正規」というだけでそれが無いわけです。そんな会社が普通。でも、

そんな不平等にメスを入れる、それがこの同一労働同一賃金です。

なぜかといえば、社内で同じ働き方をしているのなら、それは同じ働き方であり、それなら同じ賃金を支払らわなければ不平等、そんな解釈ができます。

そう、たとえあなたの働いている会社に「職務給制度」がなくても、この法律に照らし合わせてチェックすればいいのです。ですから、当座、この同一労働同一賃金は、

「非正規」の働き方をなんとかしなければいけない

という法律だと考えた方がいいのです。




法律の手ごたえ

じゃあ、その法律の効果はあったのかといいますと、あります。効果は出ています。それを手っ取り早く調べる方法があります。それは、

裁判所の「判例」をみること。

誰かが裁判に訴えると、それは事件と呼ばれますが、この同一労働同一賃金が施行されて以降、すでに最高裁で判決が複数下りました。たとえば、

日本郵便事件、メトロコマース事件、ハマキョウレックス無期転換事件等。

厚生労働省HP

新聞やテレビ、ネットでも何度も言われていますし、号外もでています。ご存じの方も多いはず。ただ、注目すべきは、こうした判例、

全て「正規」と「非正規」の不平等が争点、ということ。

ね、「職務給制度」のないこの社会では使い道がなさそうですが、

「同じ会社」で「同じ仕事をしている人」の賃金や待遇差には使える法律。

今はまだ、判例は男性中心です。でもこんな裁判、女性とは関係ないと諦めないでくださいね。




法律の強さ!

さて、あなたは給湯室や飲み会の席で、会社の不満を口にしていませんか?ただ悲しいかな、いくら文句をいっても、いくら愚痴っても給料は増えませんし、世の中は変わりません。

でも、最高裁の下す結果は別格です。はい、

日本の裁判は、最高裁の「判例」が驚くほど強いのです。

一度最高裁の判決が下ると、それは良くも悪くも、その後の裁判の参考になります。そこをひっくり返すには相当の労力や、時代の変化が必要です。

たとえば、均等法が施行される前まで、日本企業には、女性にのみ30歳や40歳の定年制がありましたし、結婚したら、子どもが出来たら、女性は退職、というのが普通でした。でも今はそれはありません。それは、

「均等法」のおかげ。

均等法だって、ザル法などと言われた時期が長かったですし、まあ正直、今でも足りない部分はあります。それでも、一旦こうした法律ができると、少し時間はかかっても世の中は動きます。

ですから、もしも使用者が、「正規」と「非正規」を微妙に使い分け、まるで「非正規」には実力が無いように見せかけたり、「正規」とは違う仕事をしているように見せかける等、働く人から多くを取り上げている会社があるとするなら、それは無くなっていくでしょう。

そう、たとえその会社が直接罰せられなくても、

不満のある人は制度の整った方に動いていけばいいのです。

なにしろ、これから働く人が減る時代、選択権は働く人にだってあるのです。それに、笑い話しのようですが、女性の定年制がなくならない会社から女性たちは逃げ出した、そんな時期があったに違いないのです。

ですから、今はまだ物足りないこの法律ですが、それでも無かった頃とは違う世の中になっていくのです。




結びに

日本の女性はすっかり貧しくなりました。働いていない専業主婦も減り、結婚しない女性も増えました。子どもだって生まれなくなりました。

なぜって、愚かなようでも女性たちは気づいているのです。結婚しても、子どもを産んでも、あまりいいことないな、と。

なぜなら、女性の大半が非正規枠に閉じ込められている社会です。非正規では何かの折に突如として貧しくなるというのに、女性の大半が、どんなに真面目に働いても、その立ち位置から抜け出せないのです。それは、

身分制度のような働き方です。

そんな身分制度がどれほど深刻なものか。子どもも家庭も貧しくなり、国全体が貧しくなっていく。女性が一人前に稼げるようになると男性が困るという考え方がありますが、そんなことはありません。今では優秀な女性が非正規で働いていますので、普通の男性も非正規枠に引きずり込まれていくのです。そう、負は連鎖するのです。そこに性差はありません。

ですから、結婚しても、子供を産んでも、たとえ短時間労働でも、正当な賃金がもらえるなら、女性だけでなく、夫婦の選択肢が広がり、結婚したくなる人が増えて、子どもの数だって増えるかもしれません。

ですから、同一労働同一賃金は、女性の身分制度を無くしていく法律になるのです。


#同一労働同一賃


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