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はたらく意味を教えてくれた一冊

もっと早く、この本に出会いたかった。読み終わったとき、私はそう思いました。



“ひとり出版社”という働きかた


はたらくとは、自分にとってどういうことなのか
自分のはたらきの結果、どうしたいのか

読んだ後、頭の中を整理していて、ふと、就職活動を思い出しました。

私の中で、1番最初に「はたらくこと」について考えた時期です。その頃に、この一冊に出会えていたら、今の自分は違っていたのでしょうか...



▷本の紹介

“ひとり出版社”という働きかた

著者:西山雅子さん
‎出版社:河出書房新社


ひとり出版社として働く10名のお話がリアルに書かれています。まるでラジオを聴いているかのように、とても読みやすくて、スラスラと頭と心に入ってきました。


ひとり出版社の方々を通して、はたらく=お金を稼ぐ以外の意味、本にのせた熱い思いの結晶、改めて私にとっての「はたらく」を考えるきっかけになった一冊です。


▷こんな人にオススメ


どんな仕事をしたいんだろう。何が好きなんだろう。
・・・まだ自分の目指す道がわからない人
就職するなら絶対大手企業がいい。福利厚生が充実しているのが1番。
・・・仕事の内容以外にしか目を向けていない人


そんな気持ちでいた過去の自分に、私自身がオススメしたいと思いました。「あ、それ私かも」と一瞬でも思った方がいたら、ぜひ読んでみてください。


▷メモ


「かなみちゃんには、大きい組織の会社よりも小さいアットホームな会社の方が合っていると思うな」


就職活動に苦戦しているとき、大学1年生の頃から担当してもらっている美容師のケイさんに言われた言葉です。


小さい会社、か…。
せっかく留学までしてもらったのに、そんなんでいいのだろうか。



社会のことなんて何も知らない私は、ケイさんの言葉をあまり深く考えていませんでした。


家族に喜んでもらえる、安定している会社


私にとって何よりも重要だったこと。自分がこれまでの感謝を伝えるにはこれが1番。そう信じていました。

選択基準を変えることなく行った就活は案の定難航。結局、偶然内定をもらった有名企業の関連会社に勤めることになりました。



今思うのは、美容師さんって本当に人を見る力、理解する力があるんだな。ということ。


まさに "占い師" 。


もし自分迷子の方は、行きつけの美容師さんに「私ってどんな人ですか」と聞いてみることをオススメします。笑


▷空っぽの「はたらく」


私の会社は、誰もが知っている親社名の社名が付きます。
子会社ではありますが、就職が決まった時は、実家の両親、祖父母達から「よくやったね」そんな言葉をかけてもらいました。



入社して今年で5年目。


この会社にいて良かったと心から思ったことは何回あったでしょうか。


「もう無理だ」
「どうして私はここにいるんだろう」


そうネガティブになった回数の方が、はるかに多いなと思います。入社を決めた時の私は、就職だけがゴールで、“はたらくこと” を考えていなかったと気づきました。




「女性としてライフステージが変化したとしても、私は働き続けたいと考えています。そのため、御社のように安定した…」



面接で呪文のように唱えていた、この言葉。



二十歳そこそこの私は一体どこまで理解していたのでしょう。


たとえ、会社にできる制度や環境があったとしても、自分の意思やはたらく意味が伴わなければ、数年でさえ続くはずないんですよね。


肝心なことに気がつくまで、私はどれだけの時間と精神を使い果たしてきたか...今思うと、少し遠回りしてしまったなと惜しい気持ちもします。

叶うならあの頃の自分にそっと声をかけてあげたいです。「あなたの、はたらく意味は何か自分にきちんと聞いてみて」と。



結婚した今も、いつか自分の子どもが産まれたとしても、はたらき続けたいという思いは変わりません。



今の会社のままか
別の会社でなのか



違うのはそれだけです。


せっかくこの本から学んだのだから、次のはたらく自分に向けて、活かしていこうと思いました。まだまだ、これからです。


▷大事なのは「少数を大切に大切に」


もう一つこの本に心惹かれた理由。それは、私の根本的な考え方や価値観が近いという点でした。

Twitterも、Instagramも、ほんの趣味程度に投稿していますが、正直フォロワーが多いわけでも、バズることがあるわけでもありません。



そして、私はそれを望んでいない。タイプです。



100人の人が見てくれて、7人くらいの人に「いいね」をもらえれば、私はそれで大満足。

ひとり出版社ではたらく人々の考えも似ていたんです。それが何だか嬉しくて。

この本で登場する皆さんは、自分がいいと感じたことにはとことん情熱を注いで、共感してくれる誰かが必ずいることを信じ、自分の出版する本に価値を見出している。


うんうん、この姿勢は真似したい。と思い、さっそく心のノートにメモしました。


もちろん、儲けを生みだすことは、会社を経営していく中で無視できない問題です。ただ、大事にする考えとして、作り出すモノに全力で取り組み、心から良いと思えること。


将来、自分がクリエイティブな仕事をするときがきた時、この精神をお手本にしたいです。


マーケティングによるターゲットの設定や課題解決は必要なことだと思います。実際、ひとりで何かを発信するには、SNSで話題になることも手段の一つです。使わざるを得ない、そんな世の中に違いはありません。


程よい距離感で、自分の背丈にあった使い方で、丁寧に活用していきたい。今の私は、まだ、そんなぼんやりとしたことしか考えられませんが、


万人受け<自分が良いと思ったもの


ということは大事にしたいと思います。そこに共感してくれる貴重な存在を、大切に大切にしていくことで、自分にとっての成功がついてくるのではないのかと信じたいです。


▷学んだことのまとめ


ひとり出版社の人たちにとって、「はたらく」とは?


それは、自分が心からの自信を持って、世の中に発信できる何かを積み上げていく。だということ。


泥くさくて、熱くて、とても清々しい姿。
人生のバイブルとして、今後も定期的にこの本を読み返したいと思いました。




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