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Dororonえん魔くんメ~ラめら(オリジナルサウンドトラック/再録)
異色の組み合わせが実現した。73年に放映された名作アニメ『ドロロンえん魔くん』のリメイク版の音楽を、なんとムーンライダーズが手掛けた。同じ永井豪原作の人形劇を題材に、ブライアン・メイ(クイーン)がイメージアルバムとして製作した『STAR FLEET』(『Xボンバー』)以来の衝撃。一時期、イメージアルバムを精力的に手掛け、ゴドレイ&クレームのようにコミック文化と音楽の融合を謀ってきたのはファンには
もっとみる坂本龍一『US』『UF』『CM/TV』HMV紹介原稿
地雷撲滅、スローフード、地域通貨プロジェクトなど、このところ社会運動の啓蒙活動でメディアに登場することが多かった、「教授」こと坂本龍一。続く先日のブラジル国家勲章授与も、そうした一連の流れの中でニュースは伝えていたが、これは単にモレンバウム夫妻との共演や、ジョビンの再評価に一役買ったからだけではない。ブラジル音楽がイージーリスニングと呼ばれ軽視されていた70年代から、ボサノヴァのローファイ感や過
もっとみるロバート・モーグの生誕日。
本日5月23日はアメリカの工学博士、ロバート・モーグの生誕日。34年にブロンクスで生まれた彼は、今から遡ること50年前、65年にモーグ・シンセサイザーを世に送り出した「シンセサイザーの生みの親」である。
幼少期からピアノを学び、同時に電子工学のオーソリティだったモーグ。学生時代にロシアの電子楽器、テルミンの自作キットなどを考案して販売していたアイデアマンだった。やがて60年代に地元コロンビア大学
1976年の本日、米ビルボード・チャートで坂本九「上を向いて歩こう」以来の1位を獲得した、冨田勲『展覧会の絵』
1976年8月16日は、冨田勲『展覧会の絵』が米ビルボードのクラシック・チャート1位に輝いた日。チャート2位に終わった前作『月の光』(74年)は日本人初のグラミー賞4部門にエントリーされる話題作になり、満を持して発売された冨田勲のシンセサイザー作品第2作である。日本人がビルボード1位になったのは坂本九「上を向いて歩こう」以来。ちなみに一連の冨田作品は自社スタジオで自主制作されたもので、日本のレコー
もっとみる物理学者的探究心でクラシック音楽の「編曲」に取り組み、グラミー賞受賞ほか世界が賞賛した日本人音楽家、冨田勲…4月22日は冨田勲の誕生日
1932年4月22日は、世界的に知られるシンセサイザー音楽のパイオニア、冨田勲が生まれた日。東京で医師の長男として生まれた冨田は、戦後から作曲家として創作活動を始め、ポピュラー音楽から交響曲まで幅広い分野で知られる、現役最古参の作曲家の一人である。NHKの放送音楽からキャリアを開始し、劇伴を手掛けた大河ドラマは最多の5作に及ぶ。『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』など手塚治虫アニメのシンフォニック
もっとみるわずか5分で仕上げたCM音楽作家、坂本龍一の矜持。「energy flow」がインスト曲初のオリコン1位に。
1999年6月28日は、坂本龍一『ウラBTTB』がオリコン週間シングルチャートで1位になった日。5月26日に発売されたこのマキシシングルは、収録曲「energy flow」が本人も出演するリゲインEB錠(第一三共ヘルスケア)のCMに使われ、相乗効果もあって初のインスト曲1位に。この快挙には、飯島直子、井川遥らが出演した飲料水のCMが火を付けたと言われる「癒やしブーム」の後押しがあったとも。消費税5
もっとみるイエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステート・サヴァイヴァー』(再録)
1980年7月14日は、YMO『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』はオリコン1位を獲得した日。79年9月の発売から1年がかりで首位となり、同年度の年間LP順位1位に輝いた。きっかけは79年末の海外ツアーの成功で、記録映像がニュースなどでこぞって紹介され、凱旋公演もチケットが一瞬で完売。その公演を収めたライヴ盤『公的抑圧』で初のオリコン1位を獲得したのを振り出しに、空前のYMOブームが80年代の
もっとみるマリ・ウィルソン『ショー・ピープル』ライナーノーツ(再録)
本作はマリ・ウィルソンのデビュー・アルバム『ショウ・ピープル』を、当時のオリジナル曲順、オリジナル・スリーブ・デザインで再現した紙ジャケ復刻盤。彼女の曲は時代を超えてファンに愛され、過去に何度も編集盤がリイシューされてきたが、オリジナルの再現を念頭にCD化されるのはこれが初めてになる。当時からTシャツ、バッジ、ポスターを制作するなど、ノヴェルティ的な遊びを追求してきたコンパクト・オーガニゼーショ
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