ツアーガイドの思い出 第二話
人の記憶は曖昧だ。
なんとなく美化されたり、歪んだりする。
自分に都合のいいように海馬に仕舞われた映像に編集がかかり、都合のいいように解釈がされたりする。面白おかしい話はどんどん内容が盛られ、苦労や悲しみは痛みが時を経るにつれなんとなく和らいでゆき、大抵「あぁ〜あの頃は大変だったよねぇ〜」と笑って話せてしまうぐらいにはなる。
たとえ事実を書き留めておいたとしても、人が人である以上主観が入ることは避けられない。涼宮ハルヒの長門のように絶対的観測者のような存在でない限り、ありの