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【台湾語学留学 クラス紹介】教科書ややこしくなった必修科目「小班」

わたしの語学留学は秋学期(2022年9〜11月)と冬学期(同12月〜23年2月)のあわせて半年間。秋学期の受講内容については以前も書いた通り↓。今回は冬学期に受講した内容についてメモしておく。



まずは「小班」。少人数で、月〜金の同じ時間帯に受けるクラス。日本の小学校や中学校でいうホームルームのような存在だ。

秋学期はとっても和気藹々としていて、クラスメイトともかなり仲良くなった。一方、冬学期はおとなしい雰囲気のクラスになった。理由は4つ。

(1)教科書の内容がややこしい

冬学期に使った教科書は、秋学期に使ったものよりひとつ上級の「當代中文課程5」。この教科書の内容がややこしいのである。

章立てを紹介すると、

「言論の自由の境界線」
「遺伝子組み換え食品について」
「整形手術の是非」
「伝統と現代」
「代理母は幸福をもたらすか」
「死刑制度の存廃」
「富裕層に対する増税は貧困層を救うか」

……などなど。

死刑制度の是非なんて普段考えたこともない。死刑を廃止済みの欧州系の学生からみれば我々アジアは批判される立場にあるし、もう本当面倒くさい。

普段ぼおっと生きていて、こういう真面目トピックについて特に意見を持たない私。日本語でも自分の考えをまとめられないのだから、ましてや中国語でのディスカッションなんてできるはずない。

これは他のクラスメイトも同じだったようで、トピックが重すぎてあんまりぽんぽん手が上がる感じにはならなかった。さすが欧米出身の学生はそれでも意見を言うけれど、全体の雰囲気を持ち上げるまでにはならない。

宿題として課される作文も苦痛だった。それから授業中の報告(プレゼンテーション)も。あんまり下手なこともいえないので、発表内容がどうしても無難な感じになってしまう。

語学を習得する過程において、いつかは政治経済、社会問題のような、より抽象的で高度な内容を語れるようにならなきゃいけないっていうのは理解できる。

だがこの教科書はあまりに短絡的に論争を呼ぶ系のトピックを選びすぎている気がした。あんまり好きになれなかった。

(2)朝イチの受講になった

通っている語学学校の開講時間は

・8時10分〜10時00分
・10時10分〜12時00分
・13時10分〜15時00分
・15時10分〜17時00分

の4コマ。秋学期の「小班」は13時10分からのコマだったが、冬学期は朝8時10分からのコマになってしまった。

その他の選択科目をすべて午前中に受ければ、月曜から金曜まで午後がまるまる空く。観光するにも勉強に集中するにも、時間を有効に使える。

だが思っていた以上に、朝8時10分開始の授業は眠すぎた。

日本で仕事をしていても、あるいは大学生だったころも、朝8時から机の前に座り、頭を動かし、稼働していることってなかなかない。

これは私だけではなくて、クラスメイトたちも授業中かなり眠そうにしていた。

(3)クラスメイトがおとなしい

クラスは8人。内訳は

・アメリカ人の女性(20代半ば)
・ニュージーランド人の女性(20代半ば)
・ポーランド人の男性(22〜23歳)
・イギリス人の男性(30代前半)
・スコットランド人の女性(20代前半?)
・日本人の男性(20代前半)
・日本人の女性(20代前半)
・わたし(日本人男性、30代半ば)

という感じ。ニュージーランド人女性は大学の提携プログラムで1カ月だけ来ていたらしく、1月中旬に帰国。それからは7人クラスになった。

どのクラスメイトも心優しくて、微笑を絶やさず、良い人ばかり。ただし自分から積極的に手を挙げて「今度は夜市に行こうよ」みたいに誘ってくれるムードメーカー的存在はいなかった。

もちろん、それぞれのクラスメイトにそれぞれのキャラクターがあり、友達として知り合うぶんには本当に興味深いメンバーではあった。

アメリカ人女性とニュージーランド人女性、と書くと金髪女子をイメージするけれど、見た目は完全にアジア人。聞くと、お父さんお母さん?おじいちゃんおばあちゃん?が中国から移住した華僑だそうだ。

母語は英語で、自分のルーツを知りたくて中国語を学んでいるとのこと。そういうひともいるんだなあ。

「スコットランド人女性」と書いたのは、この女性がクラスでどの国出身かみたいなのを話すとき、必ず「我是蘇格蘭人(←「スコットランド人」の中国語)」と言っていたから。

エディンバラの大学に在籍しているという彼女、一度たりとも「我是英國人」とは言わなかった。スコットランドって数年前にイギリスからの独立を問う選挙をやってた記憶があるけれど、実際こうやって「私はイギリス人ではない、スコットランド人である」っていう人に出会えたのは面白かった。が、このひともかなりおとなしめ。

(4)先生も温厚系

先生の性格も大きかった。とても温厚で、中国語学習者に親身になって面倒をみてくれる良い先生。最初のころはクラスメイトをお茶会に誘ってくれるなど、学外の交流の機会づくりにも尽力してくれた(なぜか日曜朝だったが)。

だが、その温厚さを、私は物足りないと感じる瞬間があったのも確か。先学期の先生と比べると、作文を提出しても圧倒的に修正が入らない。文法的に、あるいは語感的に、違和感がない文章をかけているはずはないのだが。

おとなしい系のクラスメイトが多いなかで、教科書の内容もややこしいとなると、クラスの雰囲気もおのずと落ち着いたものになる。しかも朝8時というみんなまだ眠い時間帯…… そこに温厚系の、あまり学生にものを言わない先生が担任することになり。

いろいろと微妙な条件が重なった結果、そこまで和気藹々という感じにはならなかったクラスだったといえそう。


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