制作日記:詩画集制作①
雨が降ると涼しく
日が指すと酷暑
湿度も高いですが、皆様いかがお過ごしですか?
油絵を描く部屋はクーラーがなく今は休止中
水彩画がそろそろ溜まってきたので
「詩画集を作ろう」
と思い立ちました。
前回の「鴉の夢路」掲載後から考えてはいたのですが、まず色彩での制作を集中していました。
短文のエッセイも数本書いていたのですが、まだ上手く現在の自分の価値観を言語化するのは難しく停滞。
絵や詩にまず出して見ると整頓ができる気がして、ひとまずできる事から始めました。
今回から少し詩画集の事を書こうと思います。
タイトルを思いつく
記事や音声でもよく話しているのですが、夏はいろいろ思い出がある季節です。
両親が亡くなった季節
別れを予感した日々を過ごした季節
何年経ってもこの季節は思う事が多いです。
そして、よく黒い蝶を見る事が多い。
蝶は魂のイメージがあり、黒い蝶は死を思い出します。
そして、その舞う姿から〈ものの儚さ〉を感じずにはいられません。
そんな時に『胡蝶の夢』と言うフレーズが口に出て少し深く考えようと思っいました。
胡蝶の夢:夢か現実かはっきりわからない様
人の世の儚い事
人生の儚いたとえ
調べてみるとこんな意味を抱えた言葉でした。
思いついた言葉と自分が描きたいイメージがぴったり合ったことから、文や作品の形がはっきりしてきて制作に向かう道が少し見えました。
今はまだ〈仮〉ですが、目指すイメージが浮かんでホッと一息です。
今年は価値観の変化を迎えた1年目
過去の記事でも〈戸惑い〉を多く書いてきました。
しかし〈今の自分〉を文章にすると思い浮かんでくる言葉に違和感があったりエッセイを書こうとしても毎回手が止まり困っていたのです。
【言葉】というのはとても難しいもので、同じ単語でも使う場面が異なれば印象も変わってしまうもの。昔の事を書こうとするとしっくりくるのに、今の事を書こうとすると違和感が出てくる。
今年は常にこのような感じです。
【言語】が生まれる前に人間は絵を描いて伝達していた時代があったように、まず「今の自分の気持ちを形にしてみよう」とまず自分の最初に浮かんだイメージを大事にできたから、タイトルや絵のイメージが出てきてくれたのかもしれませんね。
仮の起承転結を作る
年始から制作してきて鉛筆画や油絵、ペン画と水彩画での作品は20枚近くなりました。
水彩の場合は失敗もあったのでもっと描いてきたかもしれません。
その中から「胡蝶の夢」に合うものをまず選ぶ事。
それが、次に行った事でした。
タイトルを頭に浮かべながら生活や制作をしていると、新たな作品のイメージも出てくるので収拾がつかなくなることもあります。
なので形に残す為、走り書きでメモしたり・・。
とにかくメモが多い。
このメモを集めて詩画集の設計図になる〈仮の起承転結〉をつくる作業。
結構大変なのですが、まとめるのが好きなので何とかできます。
メモと制作作品を適当に入れ替え大体の骨組みを整える。
作品と作品にあてた詩や文章を考え流れを組む。
大体の流れを汲んで数枚の候補が出てくるわけですが、今回は少し難関です。
今年は「今まで使ってきた言葉に違和感を感じる年」なのでまずイメージとしての絵を制作したので【絵から言葉の発掘作業】になりました。
描いたモチーフから言葉を想像し描こうとした気持ちをまさに発掘する。
「このモチーフはこんな気持ちの時に良く使う」
「でも、このメモの言葉は違う」
「文章が違う」
「場面に言葉の違和感がある」
「この色はどんな意味合いで使ったのか」
など、脳内で選別しいらないものをはぶいて詩や文章にする。
でも今年は、自分の言葉に違和感があるのか進みが悪く時間もかかり不安もある。
「今回は作品のみの掲載にするか」
詩画集なのに・・
そんな思いを抱えながらの制作を今現在。
あまり無理やり文を当てても作品に合わない事がありますので、掲載予定の作品と話し合い進めたいと思います。
草稿 「戯れ」
羽を無くした蝶が一羽
日暮れの今に思うのは
無知であった自身への後悔
無垢である彼らへの恐怖の思い
命は一つである事を
痛みと共に
気付く夜更け
ウェブショップに掲載中の「戯れ」から掘り出した詩です。
浮かんだ言葉をそのまま打ち込んだのであまり整頓がされてないかもしれません。
「戯れ」というタイトルと自身が描いた作品から、幼い頃の記憶が浮かんできました。
幼い子たちが昆虫と戯れる姿は微笑ましくありますが、なかには目をそむけたくなるような場面もありました。
同年代ながら「怖いな」と思いしばらくその場に足を運べないほどに・・
何も知らないという事は時に残酷だと思うのです。
命は一つである事
無くしたものは返ってこない事
傷つけば痛いという事
「自分が同じことをされたらどう思うか?」そんな想像力も必要だと思います。
人間は何時までも強くはいられません。
経験を積み自分の無力を知っていく。
自分が弱いと感じた時にどう考えるかが大事な様な気がします。
【受け止めるか】【受け止めないか】
弱さを認めて最善を尽くすか?
強くあり続ける為に他者を傷つけるか?
「他人をむやみに傷つければ自身に跳ね返ってくる」という言葉があります。それは自分の行動が・・考えが・・自分を貶める。
そんな意味があるのではないのかなと思います。
自分の事しか考えられず深い後悔に苛まれた事があるので、知らずに傷つけてしまった時の事を思い出し描いたのかもしれません。
散らばったメモ抜粋
前回の「鴉の夢路」掲載後から詩画集の事を頭に入れて制作を続けて約三ヶ月。
ノートの脇や手帳の隅
頭の片隅に置いたイメージや意識して描いた下書きをまとめる作業に最近取り掛かりました。
ちょっとメモの一部を抜粋します。
忘れないように走り書きになるので、読みずらい時もたまにありますね。
その言葉の一説を読んでパソコンで草稿を書き、またに直して修正する。
メモ書きの図を清書して絵を描く。
頭の中のイメージは日々形を変えます。
なのでメモは大事にしています。
〈その時に良いと思っても、明日には違うと思うかもしれない〉
そんな時がまれにある。
今年は「過去の自分」と「変化を体感した今の自分」の気持ちのする合わせをしている真っ最中なので〈違うな〉と思った違和感を大事にメモしてまとめています。
これを自身で〈脳内発掘作業〉と言っています。
前回の詩画集「鴉の夢路」に比べるとうまく言葉が浮かばないのですが、世界観が何となくつかめたので自分を信じて制作しようと思います。
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